善き人のためのソナタのレビュー・感想・評価
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ドイツの名優、Ulrich Müheの遺作
この映画はドイツの映画で2006年ドイツで公開され、アカデミー賞でVolverとPan's Labyrinthを押しのけ最優秀外国語映画賞を受賞しました。(僕の中ではPan'sに勝つなんて思っていませんでした。)
どんな映画なんだろうと興味津々だったわけです。今週末、隣のラボのポーランドからの移民のA君が「実はポーランドもこの映画と同じ状況だったので、非常に見たい」ということで一緒に見に行ってきました。
内容はベルリンの壁崩壊前の東ドイツにて、国民が西ドイツ寄りに傾いていないかを監視する、政府機関のウィースラーという冷酷非道な主人公が、ある劇作家の部屋を盗聴しているうちに・・・という映画です。このウィースラー役の俳優Ulrich Mühe素晴らしいです。(ファニーゲームのオリジナルもこの方が主演。この映画が遺作に・・・)アメリカの映画だったら間違いなく、主演男優賞です。いや、まじで。一度見てください。本当にいい映画です。ストーリー、シナリオ、俳優たちの演技、撮影から編集まで、本当に素晴らしい映画です。最近のアメリカ映画の、ゲームのようなバイオレンスに飽きてきたところで、非常にいい映画に出会えました。
ちなみにこの映画のタイトルは直訳するとドイツ語でも英語でも「他人の生活」です。実際盗聴する映画なので間違いではないのですが、風情もへったくれもありません。今回、邦題の勝ちです。「善き人のためのソナタ」。これは劇中に出てくる曲のタイトルで、非常に重要なキーワードになっています。邦題つけた人偉いよ!
暗い。けど何となくいい感じ。
何とも暗い映画。
密告社会のおぞましさが伝わってくる気がします。
実際には拷問などもっとすさまじい光景があったのかもしれませんが、この映画にそのシーンがないのは救われます(観客として)。
ミイラ取りがミイラになるストーリー。
主人公が無表情なため心の変化が良く分からない面があり、やや唐突に行動しているようにも見えます。しかし、国家に忠実な主人公が静かに国家反逆者のようになっていく様は、暗い映画ながらも最後に「ホッ」とできました。
この主人公の役者は亡くなったそうですが、何とも惜しいです。
ご冥福をお祈りいたします。
また、この映画の若き監督の次回作も期待したいです。
限定上映の期間で2回観に行きました。
すばらしい。心に残る一本!
すごくよくできた映画だと思います。監督がすばらしいんだと思う。よく作り込まれているなと感じた。
共産主義体制の実話を、忠実に、そして淡々と描くんですが、心にじわじわと浸透してきて、どんどん映画に呑み込まれていきます。
“人間”の本質を描いていている映画だと思います。
決して楽しい映画ではありませんが、映画が好きな人もそうでない人も、一度は観てもらいたい秀作です。
私の中では「ライフ・イズ・ビューティフル」と張る傑作。
どちらも何度も見たくなる作品ではありませんが、一生忘れられない映画です。
ラストがさりげなくていいです。
悲しいけれど後味のよい映画です。
30代前半の才人監督
監督のフローリアン・ヘンケル~(以下略 本名はこれでもカットしているようで。長え名前!)の齢は30代の前半。ぶっちゃけ私と同い年であるが、同世代の人という感情が欠片も持てないほど深い知性と洞察力を以て脚本を書き、抑制された重みのある演出を見せる。長きに渡り活躍が見込める才人だ。
惜しむらくは、主人公(U.ミューエ、ご冥福を祈る)が『善き人のためのソナタ』で変わるシーンがあまりに唐突な感があること。映画のキーとなるシーンなので、その違和感がかなり惜しい。
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