劇場公開日 2002年5月11日

ローラーボール : 映画評論・批評

2002年5月1日更新

2002年5月11日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

まさしく「ジャン・レノ映画」の決定打

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世の中には「パニック映画」や「動物映画」といったジャンルと同様に「ジャン・レノ映画」と呼ばれる映画がある。「ゴジラ/GODZILLA」、「WASABI」と出る映画出る映画すべて底抜け超大作なジャン・レノだが、待望の新作がやってきた。

「ローラーボール」ではジャン・レノ様はカザフスタンを支配するメディア王を演じ、カザフスタンの全国民が熱狂する“ローラーボール”を主催する。もちろん“ローラーボール”に狂っているのはカザフスタン人だけではない。モンゴルでも、ウズベキスタンでも、アゼルバイジャンでも……この中央アジア限定スポーツを支配することでジャン・レノがいったいいくら儲けているのかはさだかではないのだが、いずれ大した額ではなかろう。一国の軍隊を動かせるほどの大富豪なくせにボディガードすらいなかったり、はるばるアメリカからスカウトしてきたスターへのボーナスがわずか10万ドルだったりするのも、それを思えば納得がいく。

BGMとリング・アナだけはけたたましいが(とはいえ、ルールを説明する段になると急にやる気をなくしてしまうアナウンサーなのだが)それ以外はあたかも箱庭のようにスケール感のないあたり、まさしくジャン・レノ映画というジャンルにおける決定打と言えるだろう。

柳下毅一郎

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