オースティン・パワーズ ゴールドメンバー : 映画評論・批評

2002年8月15日更新

2002年8月24日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

ディープなギャグと小ネタが満載

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3部作の第3部ともなれば思いもがけぬ親子関係が明らかにされるもの。「オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー」でも予想外の親子関係が明らかになる。とは言ってもオースティンの話ではない。オースティンの父親は最初からあきらかにされている。すなわち伝説のスーパースパイ、ナイジェル・パワーズだ。演じるはサー・マイケル・ケイン。

マイケル・ケインがオースティンの父親となるのはただの思いつきではない。ケインはかつてレン・デイトン原作のやる気のないサラリーマン・スパイもの「ハリー・パーマー」シリーズに主演していた。マイク・マイヤーズはパーマーへのオマージュとして、パーマーのダサいメガネをオースティンのファッションに採用したのだ。そもそもマイヤーズは亡き父親に捧げるつもりでこのシリーズをはじめたというのだから、父親が大ファンだったケインがオースティンの父となるのは、きわめて自然な話なのだ。映画にはマイケル・ケイン関係の小ネタが詰め込まれているが、中でもポイントが高いのがケインの昔の映画からの抜き。使われている場面と考えあわせるとさらに深いギャグである。

で、誰と誰が意外な親子関係だったのか? 話題の豪華カメオ出演と合わせ、謎解きは劇場でどうぞ。

柳下毅一郎

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