オースティン・パワーズ ゴールドメンバー : 特集

2002年8月2日更新

ドクター・イーブルの大ファンの森山京子さんが、オースティン・パワーズの生誕の地、ロンドンでシリーズ最新作「ゴールドメンバー」のジャンケットに参加、その「ワクワク」の体験記を大公開。キャストの素顔もばっちり紹介だ。

ロンドンで“オースティン・パワーズ”に会った!

(森山京子)

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絶好調だねぇ、「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」。アメリカでのオープンは、週末3日間で7150万ドル。歴代5位だ。マイク・マイヤーズ・ファンの私としてはニッコリ。ヘビメタ小僧のウェインとDr.イーヴルが私のお気に入りキャラなのだ。だから、ロンドンで「ゴールドメンバー」のジャンケットがあるよと誘ってくれた、配給会社宣伝部員様の顔が神々しく見えてしまった。

ロンドンで最初の試写があったのは7月7日。市内の映画館オデオンに到着すると、入り口の前にはすでにジャーナリストの列が出来ている。入る時には渡されたのが、アメリカでの公開前に、カメオ出演のゲストについて書いてはいけない、という警告書。大げさねぇと思ったのだが、映画を見て納得。このゲストのシーンが大爆笑で、しかも話すとネタバレになるのだ。早く観てねとしか言いようがない。悔しかったのは、オジー・オズボーンとそのファミリーが出て来るシーン。彼らは今、自分たちの私生活をそのまま見せちゃう「ジ・オズボーンズ」というMTVの番組が大受けしているのだが、そのまんまの雰囲気でこの映画にも出ているのだ。私の横でバカ笑いしていた白人男性は、この番組を見ていたに違いない。つまり、情報がなかった私は、ハッ? 状態だったわけ。情けない。

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さて、試写の翌日はドーチェスター・ホテルでインタビューと記者会見。トップバッターはビヨンセ。セクシーというより若さピチピチで弾けているのは、映画の中も実物も同じ。ほとんどビキニの衣装ばかりで、お腹をスッキリ見せるためにダイエット。スタジオにいつも用意してあるお菓子やチョコに目をつぶって我慢していたんだって。左手の薬指に指輪を発見して追及すると、あらアメリカでは右手が婚約指輪よと、とぼけて、真相は分からず。

監督のジェイ・ローチは無名だった自分がこのシリーズの監督になれたのは、スタジオの反対をマイクが押し切ってくれたからだと感謝。ロバート・ワグナーは、昔の映画作りは良かったと、懐古談を。ところで、ナンバー2というのはイギリスのスラングでうんちのことだって知ってた? ナンバー1はおしっこなんだって。スカトロ・ギャグ好きのマイクらしいネーミングだ。ミニ・ミーのバーン・トロイヤーは、俳優になる前は電話会社の顧客サービス係をしていた人で、しっかりした話し方が印象的。彼を除いて家族はみんな普通の身長で、お兄さんは180センチもあるんだとか。

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今回のジャンケットで期待の1人は、オースティンのパパ、ナイジェルを演じたサー・マイケル・ケイン。オースティンの眼鏡スタイルのモデルはケインが昔演じた「国際諜報局」のスパイ、ハリー・パーマーなのだ。マイクからの出演依頼の言葉は「父親だと証明してください」だって。本気で父親みたいな気持ちになったと、とっても嬉しそうだった。驚いたのは、インタビューの時のケインがコックニー(ロンドン下町訛り)で話していたこと。サーになっても、自分の出自を隠さないところがカッコイイ。記者会見ではきれいな英語なんだから、2度びっくりだ。

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さて、本命のマイクだが、スクリーンのニヤケ顔とは別人みたいにハンサムかつ知性的で物静か。「この映画はおバカなことが大好きだった、亡き父親に捧げたものなんだ」としんみり話すものだから、こちらもほろり。彼の父親は、「バカは真剣にやれ」と話していた人なんだって、ステキ。マイクはその遺言(?)を守って真剣にこのおバカ映画に取り組んだのだ。回想シーンの若いナイジェルが出てくるところで使ったのは、ケインの昔の映画「夕陽よ急げ」。そのたった5秒ぐらいのフッテージを選ぶために、ケインの出演作を100本近くチェックしたというのだから、彼の真面目さが想像出来るでしょ? 記者会見が終わった時、駆けよって握手してしまったわたしなのでした。

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