劇場公開日 2014年4月19日

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レイルウェイ 運命の旅路 : 特集

2014年4月14日更新

私たちは、今こそ“この事実”を知らなければならない──
オスカー俳優ふたりの共演が、魂を揺るがす《珠玉のヒューマンドラマ》

第2次世界大戦時に捕虜として虐げられた英国人と、通訳として彼に接した日本人が、数十年の時を経て、憎しみを超えた絆を築き合ったという実話を基に描くヒューマンドラマ「レイルウェイ 運命の旅路」が、4月19日より公開される。コリン・ファースとニコール・キッドマン、主人公とその妻を演じたふたりのアカデミー賞俳優が、いま心を震わせる感動のドラマを織りなす。

コリン・ファースとニコール・キッドマン、ふたりのオスカー俳優が夫婦役に
コリン・ファースとニコール・キッドマン、ふたりのオスカー俳優が夫婦役に

■「英国王のスピーチ」のコリン・ファース×「オーストラリア」のニコール・キッドマン
 アカデミー賞キャストのアンサンブルは、確かなクオリティ・ムービーの証

戦争で心に傷を負ったエリックをC・ファースが演じる
戦争で心に傷を負ったエリックをC・ファースが演じる
N・キッドマンは、エリックを心から支える妻を熱演
N・キッドマンは、エリックを心から支える妻を熱演

「エスクァイア」誌ノンフィクション大賞を受賞したエリック・ローマクスの自叙伝「The Railway Man」を原作に、第2次世界大戦時にタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設に捕虜として従事させられた英国人将校エリックの過酷な戦争体験と、その後の驚くべき人生を描く「レイルウェイ 運命の旅路」。「かつてこんなことがあったのか?」と驚かずにはいられないドラマティックな物語を、誰もの胸に届かせる確かなクオリティ・ムービーへと導くために、ふたりのアカデミー賞俳優が見事に顔を合わせた。

ひとりは「英国王のスピーチ」で主演男優賞を獲得したコリン・ファース。戦争時に負った深い心の傷から目を逸らし続けてきた主人公エリックに扮し、運命の女性から得た真実の愛を力に、トラウマの元凶であるかつての敵と向き合うという、複雑な心情を持つキャラクターを熱演する。

そして、そのエリックの再生を信じ、献身的な愛を注いで寄り添う妻パトリシア役には、もうひとりのアカデミー賞キャスト、ニコール・キッドマンが扮する。「オーストラリア」「ムーラン・ルージュ」などの超大作で観客を魅了してきた華やかさと、「めぐりあう時間たち」でアカデミー賞主演女優賞を獲得した高い演技力をあわせ持つ真の実力派だ。

このふたりが、偶然列車で居合わせたことから愛を深め、結婚し、そして数十年と夫を苦しませてきたトラウマに夫婦の絆を信じて向かい合っていく。本作のクオリティをひとつ上のレベルへと確かに押し上げる、情感あふれる熱演のアンサンブル──見る者は、魂を揺るがすドラマから目が離せなくなる。


■あなたは、これほどまでの“罪”を赦すことができますか──
 数十年を経て、ふたりの男は憎しみを超えてどうやって“希望”へと行き着いたのか?

妻と戦友の真摯な思いを力に、エリックは再びタイへ
妻と戦友の真摯な思いを力に、エリックは再びタイへ

「レイルウェイ 運命の旅路」が見る者の胸を打つのは、これが、戦争によって大きな傷を負った敵味方のふたりの男が、数十年の時を経た後に、憎んでも憎んでも憎みきれないほどの思いを乗り越え、互いを赦し合う境地に至る“信じられないような実話”だからだ。

第2次大戦中、日本軍の捕虜となった連合国軍の兵士が、過酷な労働に従事させられ、辛い仕打ちを受けたことは、「戦場にかける橋」や「戦場のメリークリスマス」等でも描かれてきた通り。本作では、泰緬鉄道の建設に際してのエリックの体験が回想され、どれほど人間が人間に対して残酷になれるのかという姿が映し出される。

だが、「人は憎しみの連鎖を断つことができる」というポジティブなメッセージこそが本作のテーマ。主人公エリックは、自らを苦しめるトラウマと深く結び付いていた軍の日本人通訳・永瀬が生きていることを知り、数十年の時を経て対じするために、彼が滞在するタイへと向かうのだ。

かつての敵同士は、いかにして“憎しみ”を超えたのか?
かつての敵同士は、いかにして“憎しみ”を超えたのか?

憎みきれないほどの恨みを抱えたエリックの前に立ったのは、かつての自らの行いを悔い、戦争の悲惨さを世に伝えようとする男。果たして、このふたりがいかにして憎しみを乗り越え、そして和解という“希望”にたどり着くのか。

永瀬役を演じるのは、イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでも舞台を踏んだ実力派の真田広之。言葉少ないながらも、内に秘めた数々の思いをファース扮するエリックと交錯させる。

今なお世界のどこかで戦争が続く時代だからこそ、私たちはこの事実を知らなければならない。本作が描き出す人と人とのつながりの尊さが、普遍的なメッセージとして私たちの胸に深く突き刺さるのだ。


■“史実”を基にした映画は、人々の生きざまを感じるからこそ尊い──
 “実際に起こった出来事”の映画化に、強く胸打たれるというあなたにお薦めしたい1本!

実際に起こった事件や出来事をモチーフとした“実録ドラマ”は、史実を採り上げるというだけで、否が応でもその時代を生きた人々の思いや生きざまが作品に込められてしまうものだ。それだけに、作品が持つ意義は重く、そして尊い。これまでにも、多くの“実際に起こった出来事”は映画となり、そして、見る者の胸を打ってきた。

画像6

「戦場にかける橋」が記憶に残る人なら、「レイルウェイ」が同じ泰面鉄道建設を描いていることに注目するに違いない。戦時下における私たち日本人と欧米人との関わりについていえば、「終戦のエンペラー」ともイメージが重なるだろう。「戦場のピアニスト」の「極限状態のなかでいかに生き抜いたか?」に胸打たれた人とっては、本作の主人公エリックの戦争体験もまた心を打つはずだ。そして、「英国王のスピーチ」(主演は本作と同じコリン・ファース)や「クィーン」では、向かい合いたくない困難にあえて挑もうとする人々の生きざまが描かれる。数十年に渡るトラウマの克服に挑むエリックの姿にも、注目しないではいられないはずだ。

映画.comは、史実を基にした映画の数々に胸を熱くしてきた映画ファンにこそ、「レイルウェイ 運命の旅路」を強くお薦めしたいのだ。

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