スターチャンネルEX : 特集

2021年12月27日更新

【おうち映画に新提案!】
映画ライターが新サービス「スターチャンネルEX」を
使ってみたら、生活の楽しみが激変したし革命的だった

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映画ファンの皆様、いつも大変お世話になっています。映画.com編集部です。

突然ですが、自宅で映画を観る時、どうしてますか? ……すみません、質問がざっくりすぎました。言い直します。

自宅で映画を観る時、どんなVODサービスで観ていますか? いろいろなロゴマークが頭に思い浮かんだかと思いますが、今回は、あえて“新サービスのオススメ”をさせてください。

11月24日にローンチされた「スターチャンネルEX」です。良作を求めるコアな映画ファンの間で「生活の楽しみが激変する」と密かな話題となっているのを聞きつけたので、映画ライターの壬生智裕さんに利用してもらいました。「確かに激変したし、革命的だったかも」とのレポートをお届けします。

※以下、ライター・壬生智裕さんからの寄稿となります。



●そもそも「スターチャンネルEX」とはなんぞや?

映画専門チャンネル「スターチャンネル」がセレクトした映画と海外ドラマが観られる動画配信サービス「スターチャンネルEX」が11月24日より運用を開始しました。資料によるとこのサービスは「独占作品を中心に、日本初上陸の最新海外ドラマとスターチャンネルの厳選映画が観られる動画配信サービス」であり、「映画ファンが楽しめる“ここでしか観られない”作品の数々をお届けする」ものなのだとか。映画ファンの端くれであると同時に、「激レア」「ここだけ」といった文言に弱い自分としては、なかなか気になるサービスです。

ジュード・ロウ×ジョン・マルコビッチ共演「THE NEW POPE ニュー・ポープ 悩める新教皇」
ジュード・ロウ×ジョン・マルコビッチ共演「THE NEW POPE ニュー・ポープ 悩める新教皇」

ちなみにかかる料金は税込み990円(月額)だけで見放題。初めての場合は「初回7日間無料体験」も用意されているそう。そこで今回は、この無料期間中にこのサービスに入会し、実際に使い倒してみて、何ができるのかを検証してみたいと思います。

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●実際に使ってみた グッとくるのは作品ラインアップの「レア度」

会員登録は非常に簡単です。ライターの仕事というのも案外、取材と取材の合間にぽっかりと空き時間ができてしまうものなので、その空き時間を使って「スターチャンネルEX」のウェブサイトにアクセス、申し込み手続きを行うことにしました。所要時間は正確に計ったわけではないですが、5分もないくらいで完了したと思います。

この時は出先だったので、手持ちのiPhoneにアプリをダウンロード。IDとパスワードを入力し、早速視聴開始です! 白地をベースとしたデザインも非常にシンプルでスッキリ。映画も探しやすくて非常に使いやすいなと感じました。というわけで早速「どんな作品が観られるのかな…」「何観ようかな…」といろいろと探してまわるわけですが、赤ペン片手に情報誌を熟読し、「今日は何観ようかな…」とチェックをしてきたミニシアター世代としては、実はこの瞬間が一番楽しいんじゃないかと思っておりまして。

スターチャンネルEXトップページ
スターチャンネルEXトップページ

ラインアップも、「ヴァージン・スーサイズ」や「クライング・ゲーム」「ベルリン・天使の詩」といったミニシアターブームを彩った懐かしい作品の数々や、クロード・シャブロルやルイ・マル、ルイス・ブニュエル、ミケランジェロ・アントニオーニ、フェデリコ・フェリーニといった往年の名監督たちの名前を見つけるにつけ「へえ、こんなんもあるんだ」と。赤ペンの代わりについついお気に入りマークをポチポチしてしまいました。

作品のセレクトがそうだから、ということもあるのですが、誤解を恐れずに言うならば、1980年代や90年代にあったミニシアターブームやレンタルビデオ時代の香りを思いだしてしまいました。「どこにでもある作品」ではなく「どこにでもあるわけではない作品」を掘り起こしていた日々を思い出させてくれるような感覚は、なんだか懐かしさすら感じてしまいます。

とはいえ、そういったノスタルジーだけでなく、現代を生きるサービスだなと感じさせてくれるのも「スターチャンネルEX」。とにかく“ここでしか観られない”新作ドラマ、映画作品などが充実していて、そこは抜かりがありません。例えば「今日はコメディーで笑いたい」「とにかく泣きたい」という具合に、その日の気分で映画を選ぶというのもいいんですが、映画ファンの作品選びのロジックとしては「この監督の新作だから観たい」「この人こんな作品に出てるんだ」といった発見をしたいなと思うもの。そうした視点で作品を見てみると、いろいろと「これは……!」といった発見があることに気付きます。



例えば「ZeroZeroZero 宿命の麻薬航路」というドラマの説明書きを見て「『クロニクル』のデイン・デハーンと、『ユージュアル・サスペクツ』のガブリエル・バーンが出てるじゃん!」とか、「『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』ってドラマは、『君の名前で僕を呼んで』や『サスペリア』のルカ・グァダニーノの新作なんだ」といった具合に、作品ひとつひとつの解説文を掘っていく作業も非常に楽しく。もちろんコメディー、アクション、西部劇……といった具合にジャンル別でも選ぶことができますし、その日の気分に合わせて作品選びができるなと思いました。

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●これ嬉しい…関連作品もゴリッゴリにセレクトしてくれる!さらに深くて濃い"映画の旅"が味わえる

ただ個々の作品を観せて終わりではないのが、スターチャンネルEXのすごいところ。実際にホーム画面を見てみていいなと思ったのが「スターチャンネルEXドラマ」「スターチャンネルムービーズ」「アカデミー賞受賞作品」「激レア作品」「映画俳優出演のドラマシリーズ」「有名監督が製作を手がけるドラマシリーズ」といったくくり方。映画をしっかりと分類して、関連作品をリストアップしてくれるんですが、そのセンスが本当にいいなと。

そういう意味で「フェデリコ・フェリーニ監督映画」「カトリーヌ・ドヌーヴ出演映画」「ソフィア・コッポラ監督映画」といった具合に、映画をしっかりと監督別、俳優別に分類してくれているのはとてもうれしいなと。例えるなら、信頼できるミニシアターで上映される「◎◎特集」みたいな。もしくは映画好きな店員がコツコツと棚を整理してレイアウトを考えたレンタルビデオ屋のような。ここがオススメしてくれる作品なら間違いないかな、というコンシェルジュ的な存在というか。ここに行けばちょっぴり映画に詳しくなれるんだよな、というような「推し映画館」「推しビデオ屋」みたいな感じだなと。

史上最も過激な歴史ドラマ「スパルタカス」
史上最も過激な歴史ドラマ「スパルタカス」

また「特典コンテンツ」と題したコーナーでは、ライターや評論家などが作品の裏側に迫ったコラムや解説記事なども掲載しているんですが、ここのコーナーは、映像を見る前にチェックするも良し、観た後にチェックするも良しだなと思いました。

今回は例えてばかりで恐縮ですが、映画館のロビーに掲示された雑誌記事の切り抜きや、公開当時のプレスシートなどを、映画の休憩時間にふむふむと眺めるような感じというか。記事を読んでいると、ただボンヤリと見ているだけでは気付かないポイントに理解が深まったり、観るつもりのなかった作品を観るきっかけになったりとか。しかも記事を読み終わったら、その文末に「今すぐ観る」というリンクが貼られているため、もともと観る予定のなかったドラマを思わず観てしまったということも。そうした映画体験の深さと濃さが「スターチャンネルEX」の魅力なのかなと思います。

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●メジャーVODでは“食い足りない”、熱狂的な映画ファンにぴったり 映画ライフがさらに豊かに!

仕事柄、複数のVODサービスに加入してきましたが、「これだけ入っておけばいい」という決定版はなく、自分の趣味嗜好や、月にどれくらい観るのかというライフスタイル、そして月にいくらまでなら出していいかといった金銭的なことなど、いくつかの条件を組み合わせて複数のサービスを使い分けるのがいいんじゃないかなと思っています。そういう意味で、レア度と体験の深さ・濃さを与えてくれる「スターチャンネルEX」は、その候補のひとつとして十分に魅力的なサービスだなと感じました。

もちろん毎月にわたって新作がリリースされていくことになるわけで。楽しみはどんどんと増幅していくんだろうなという予感があります。控えめに言って、日々の楽しみが劇的にアップしたなと。普通でない作品を観たい、という熱狂的な映画ファンにはぴったりのサービスじゃないかなと思いました。気付けば無料お試し期間の7日間は過ぎていましたが、自分としてはこのまま継続しようかなと思っています。

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●おすすめ企画・作品紹介「映画編」

ここからは実際に「スターチャンネルEX」がオススメしている作品をチェックしてみたいと思います。今月(12月)はやはり「“フランス映画界の輝ける至宝”カトリーヌ・ドヌーヴ特集」が見応えアリです。「倦怠」「ロベルト・スッコ」のセドリック・カーン監督とタッグを組んだ新作「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」から、彼女を一躍世界的スターにしたジャック・ドゥミ監督の「シェルブールの雨傘」、そして鬼才ルイス・ブニュエル監督と組んだ「昼顔」「哀しみのトリスターナ」など、映画史に名を残す傑作から、知る人ぞ知る隠れた佳作まで、ドヌーヴのキャリアを振り返るうえで、重要な作品が凝縮された全12本となっています。

また、イタリアを代表する巨匠フェデリコ・フェリーニの作品も注目です。カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた傑作「甘い生活」はもちろんのこと、「魂のジュリエッタ」「カビリアの夜」など、フェリーニの映像の魔術師ぶりが堪能できる作品もチェックしておきたいところです。

今後の新番組として、アメリカ在住の映画評論家の町山智浩さんが名作の裏側を解説する「町山智浩の STARLIGHT Movie Room」(12月27日配信開始)、そして香港の映画評論家が日本人に向けて香港映画を解説する「情迷香港電影」(2022年1月配信開始)、そして韓国の最新映画情報を現地からお届けする「チュンムロ! ~韓国映画通信~」(12月27日配信開始)などが始まるとのこと。

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映画ファンとしての自分として興味があるのはもちろんのこと、映画ライターという仕事に従事する者としても、情報収集のために“もちろんこれチェックしてるよね”というマスト級のコンテンツになりそうな予感大で。映画をもっと掘り、もっと深い体験をさせてくれそうで、今から楽しみです。

>>「町山智浩の STARLIGHT Movie Room」作品ページへ

​>>「チュンムロ! ~韓国映画通信~」作品ページへ


●おすすめ企画・作品紹介「ドラマ編」

もちろんドラマ作品もマスト級が勢ぞろいです。まず、映画ファンとして優先度高めだなと思ったのが、12月1日から配信がスタートした「CHAPELWAITE チャペルウェイト 呪われた系譜」。

・「CHAPELWAITE チャペルウェイト 呪われた系譜」

原作はホラー界の巨匠スティーヴン・キングが大学時代に執筆した短編小説。主演と製作総指揮を務めたのは、「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ。

幼い頃父親に殺されかけた過去に苦しむ主人公が親族の屋敷を相続したことで一族の秘密を知り、代々受け継がれた呪いから家族を解放するため戦う様を描くゴシックホラーとのことですが、ちなみにこれを観ようと思ったのは、「特典コンテンツ」の中にあった、お笑い芸人のこがけんさんと、万物評論家の丸屋九兵衛さんとの収録後インタビュー記事を読んだから。「へえ」「なるほど」などと思ってたら、記事の最後に「チャペルウェイト」を観るボタンが。ついついクリックしてしまいました。

>>「CHAPELWAITE チャペルウェイト 呪われた系譜」作品ページへ


・「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」

2021年にイギリスの放送局BBCで放送され、ヒットを記録したクライムサスペンスが「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」です。

イギリス海軍が誇る最新鋭の原子力潜水艦ヴィジルの中で起きた乗組員の謎の死の真相を解き明かすため、スコットランド警察の主任警部エイミー・シルヴァが真相解明に挑むという物語なんですが、最新鋭のヴァンガード級原子力潜水艦内で事件が起きるという設定となるため、イギリス海軍の協力は取り付けられず。潜水艦乗組員だった元海軍兵の監修のもと、細部までリアルに再現した全長約49メートルの潜水艦内部のセットを作り、撮影を行ったそう。その甲斐あって、警察と海軍が攻防を繰り広げるスリリリングな物語に没入できるドラマだなと思いました。

「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」
「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」

>>「原潜ヴィジル 水面下の陰謀」作品ページへ


・「スパルタカス」

実はここだけの話。「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミが製作総指揮を務めた「スパルタカス」という2010年のドラマも「スターチャンネルEX」で配信されているんですが、聞くところによると配信開始から時間が経っているにもかかわらず、いまだに「このドラマを目当てにスターチャンネルに加入した」という人が後をたたないほどの人気なのだとか。

不勉強ながら自分は未見でしたが、毎月かなりの人数の人たちにスターチャンネルの加入を決意させた作品だというから、これはただ事ではありません。解説文にも「海外ドラマ史上最も過激な歴史スペクタクル」「テレビドラマの常識をくつがえす壮絶なバイオレンスと魅惑的なエロティシズム描写」といった、なんともすごそうな文言がおどっていたので、試しに見始めたわけですが、確かにこれはすごい。肉体を駆使した迫力のアクション、スローモーションを多用したバトルシーン、すべてを失った男が再び立ち上がるさまを描いた手に汗握るストーリーなど、非常に見応えがあるなと思いました。

「スパルタカス」
「スパルタカス」

>>「スパルタカス」作品ページへ