Hulu「未来世紀SHIBUYA」 : 特集

2021年11月29日更新

「バカが世界を救う」から“斜め上”の展開に…
実はゾッとするフェイクドキュメンタリー・スリラー!
常識覆す野心作 あなたはこの挑戦に、ついてこれるか

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ポップなビジュアルから、あなたは「明るくて脳天気な作品なのかな」と思ったかもしれない。半分正解だ。11月26日からHuluで独占配信されている「未来世紀SHIBUYA」は、「バカが世界を救う」がテーマの痛快作である。

しかし、本作は“それだけ”ではない。その本質は、我々の想像の斜め上を行く“フェイクドキュメンタリー・スリラー”であり、このメインビジュアルでさえ、監督・白石晃士による壮大な仕掛けの一部なのだ。

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1~3話を斬新な手法で楽しませてくれたかと思えば、4話以降でゾッとするような体験をもたらし、ジワジワと異質の恐怖が心に広がっていく……。この常識を覆す野心作を、あなたはどう受け止めるだろうか?

こちらの特集では、本作の物語のポップさや、一方で“真の見どころ”とも言える恐怖やスリラーとしての魅力も、余すところなくお伝えしていく。


【予告編】

【作品概要】底辺WeTuberの動画投稿を描く…
と思いきや、加速度的に“怖さ”増すモキュメンタリー

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●あらすじ

物語の舞台は、2036年のシブヤ。格差の拡大でスラム化した裏シブヤで、孤児として育ったミツルとカケルは動画配信者WeTuber<正義マン>として活動し、底辺の人生からの大逆転を夢見ていた。

ある日、2人は女性のマネキンを抱え、謎めいた暗号のような言葉を叫ぶ挙動不審な“マネキンおじさん”と遭遇。面白半分で交流を深めていくが、生配信中にマネキンおじさんが大変なことになってしまう……。これをきっかけに2人は不可解な事件に巻き込まれていくことになる。

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●見どころ:バカな物語を侮るな…監督はホラーの天才・白石晃士

上記のあらすじや予告編のテンションから、ミツルとカケルが探偵のような役回りで、依頼人の求めに応じてトラブルを解決していく……という1話完結のコメディタッチの作品を想像する人も多いかもしれない。が、その時点で既に白石晃士監督の術中にハマっている!

“日本版「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」”とも言われる「ノロイ」をはじめ、フェイクドキュメンタリーの第一人者として斬新な作品を次々と世に送り出してきた白石監督。自ら全編カメラを回し、斬新なPOVで観る者の度肝を抜くような世界観を確立した。“やってみた”系のYouTuberの配信を見ているような気持ちで、彼らののんきな日常を追いかけていたら、ふと気づくと“足を踏み入れてはいけない世界”を垣間見てしまった、という恐怖がすぐそこにまで忍び寄る!

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この一連の世界観の構築に多大な貢献を果たしているのが、金子大地(「おっさんずラブ」「サマーフィルムにのって」など)と醍醐虎汰朗(「天気の子」など)という、フレッシュな主演コンビのハジけた演技である。金も学歴も家族もないが、優しさと人情味あふれる2人のおバカっぷりや、友情、動画配信者WeTuberとしての振り切った姿にも注目してほしい。

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【ここがすごい】4話で急転直下、5話で驚がく
セオリー度外視、常識外れの仕掛けが連続する超野心作

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ここでは地上波のTVドラマでも映画でもなく、配信ドラマだからこそ可能な常識はずれな手法や、1~3話で種をまき、4話以降で急展開を見せ伏線が回収されていくという挑戦的かつハイレベルな構成について紹介していく。


[すげえ]民放では不可能? 尺の使い方がとんでもない

「WeTuberによる投稿動画/生配信」という体裁で進んでいく本作。時折、映像の端々に、動画配信者としての技術の足りなさ、画作りの拙さが散見されるが、これはもちろん「未来世紀SHIBUYA」制作陣が意図した“仕掛け”だ。2人が未熟な底辺の動画配信者であるがゆえ、あえてそうした描写が用いられている。

また、2人が動画のネタとして「弁当の食べ比べ」をするシーンでは、「弁当食って感想を言うだけ」で5分以上が使われている。このほかにも民放のドラマではありえないような長尺の演出がいくつも、こうした尺の使い方もまた、本作を観る者に、実際に動画配信者のチャンネルを見ているかのように錯覚させるため。フェイクドキュメンタリーの第一人者である白石監督によって、あちこちに散りばめられた様々な仕掛けの“解読”も、動画配信時代の映像作品の楽しみ方のひとつと言える。

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[やべえ]伏線と仕掛け…4話、5話でゾッとする

全6話という“幅”を最大限に生かしている点も本作の大きな特徴のひとつ。第1話で謎の“マネキンおじさん”と遭遇し、2話、3話と視聴者の依頼を受けてトラブル解決に挑む1話完結型の物語が展開するが、この1~3話は白石監督による“種まき”である。

本作が本当の意味で牙をむくのは第4話から。4話、5話でゾッとするようなスリラーとしての“本性”が露わになり、驚きの体験を視聴者にもたらす。そこからさらに最終話にかけてギアは上がり、マネキンおじさんの真実などが明らかになっていく。

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また、15年後ならありうるかも……?と思わせる、各エピソードのテーマ性も秀逸! 様々な技術が発達した未来の社会を、単に明るいものとして描くのではなく、持てる者と持たざる者に二分化された究極の格差社会として描写。

そこで映画「her 世界でひとつの彼女」を思わせるような、“デジ恋”と呼ばれるAIとの仮想恋愛、「トータル・リコール」を日常に落とし込んだような脳から記憶を取り出す施設“記憶センター”、別の記憶を脳に“移植”する技術など、映画ファンもニヤリとするようなモチーフが頻出。各話の意外な結末も含め、切なかったり、少し背筋がゾッとしたりと、絶妙なリアリティをもって近未来性が描き出されている。

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【今なら2週間無料で鑑賞可能】
これはHuluからの挑戦状…あなたは受けて立つ?

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派手な衣装に身を包んだ2人組が「正義マン!」とポーズを決める――。一見、おバカな物語のようだが、これはHuluからの野心あふれる挑戦状である。

あちこちに散りばめられた仕掛けや伏線、予想外の展開にあなたはついてこられるか? 良質な作品を求めるならば一見の価値あり! Huluには2週間のお試し期間があるので、その間に一挙配信の全6話を鑑賞することも可能。まずは“怖いもの見たさ”の気持ちで常識外のフェイクドキュメンタリー・スリラーを試してみては?

>>「未来世紀SHIBUYA」をHuluで観る!

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