スタジオコロリド : 特集

2024年5月13日更新

【スタジオコロリド作品を真剣にオススメしたい理由】
映画を観まくる僕たちが、大好きになってきてる会社が
ここに! 神がかり的な映像。20年後も思い出す物語。
青春の匂いを心に吸い込む、エモくて大切な映像体験。

画像1

あえて言いましょう、「スタジオコロリドはいいぞ」と――!

どうもこんにちは、映画.com編集部です。

「普通の映画じゃない、なんか『自分だけのために作られた』みたいに感じる作品、ないかなあ」と探している映画.comユーザーの皆様に朗報です。それの最適解、スタジオコロリドの長編アニメーション作品かもしれません。

5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より

私たちも古今東西の映画を観まくっていますが、最近、特にこのスタジオの作品は「なんか刺さるなあ……」といい意味のため息をついています。まさに神がかり的といえるアニメーション。大人になってからも胸を焦がす物語。青春の匂いを心に思いっきり吸い込む、エモくて、大事で、大切な映像体験。

この映像を観れば、いろんなことが一発で伝わると思います。


さて、この記事では、ほかの作品や制作集団と異なるスタジオコロリド独自の“価値”を、長編アニメーション作品にフォーカスを当て、5つに明確化しご紹介していきます。知ればおそらく観たくなる。ようこそ、めくるめく日常と非日常の世界へ――。


【これだけは覚えて!】
魅力は、エモさと青春とファンタジー
日常から、非日常へ… ブレイク目前!次の歴史的傑作はここから生まれるかも!
「泣きたい私は猫をかぶる」より
「泣きたい私は猫をかぶる」より

最初にお伝えしたいのが、スタジオコロリドの特徴です。

一言でいえば、スタジオコロリドは“エモさと青春とファンタジーの権化”。エモさと、青春と、ファンタジー。はい、これだけは頭にしっかりと入れてください。

「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

2013年公開の「陽なたのアオシグレ」、15年の「台風のノルダ」で話題を集め、18年には森見登美彦の人気小説「ペンギン・ハイウェイ」を映画化。さらに20年の「泣きたい私は猫をかぶる」はNetflix日本国内デイリーTOP10入り、22年の「雨を告げる漂流団地」は“エモすぎる”と評判を呼び、最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」も5月24日にNetflix世界独占配信&日本劇場公開を控えていて……。

「泣きたい私は猫をかぶる」より
「泣きたい私は猫をかぶる」より
「雨を告げる漂流団地」より
「雨を告げる漂流団地」より

物語の始まりの日常が、いつの間にか非日常と混ざり合って、不思議な世界へつながる……「日常から、非日常へ」というスローガンに象徴される青春とファンタジーの描写を何よりも得意とし、目を疑うほど壮大・美麗な映像、胸に迫る大切な物語と作家性、オリジナル作品をつくりつづける挑戦心、秀逸なキャッチコピー、ずば抜けた音楽センスなど、多くの強みを持っている“感性が鋭い若きスタジオ”です。

そして何よりも伝えたいのが、僕たちは映画.com編集部が、スタジオコロリドがとても好きになってきている、という事実。なぜなら上記のような“どうしようもなく心に刺さる作品”を連発しているから。

「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

ポスト・スタジオジブリなどと称されるのも納得できるこのクリエイター集団を、ぜひユーザーの皆様にも“発見”してほしすぎる気持ちを、ここに表明します!


【スタジオコロリドが特別な理由①:神がかり的なアニメーション】
「予告だけで泣いた」「こんなの人生で初めて」…ワクワク止まらない“ファンタジー”が、一瞬で魔法をかける
「雨を告げる漂流団地」より
「雨を告げる漂流団地」より

スタジオコロリドが“特別”である理由のひとつ目は、映像の力です。その映像は、デジタル作画と「動かす喜び」を追求した“魔法のようで、ときに神がかったかのようなアニメーション”と言えます。

ファンタジックなギミックは、観れば目元で星がパチパチと弾けるような感覚がある。風景描写からは、草木の匂い、風の手触り、空間の温度・湿度、陽の光や曇り空や雨や雪が感じられ、些細な一瞬のシーンが観客を一息に「あの頃の自分」に連れて行ってくれる――。

5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

こんな場所があったらいいのに。こんな風景に身を浸してみたい。予告編を観た観客が「夏が恋しくなる」「こんなに映画が楽しみと思ったことは人生で初めて」「予告だけで泣いてしまった」とコメントするほど、スタジオコロリドの長編アニメーション作品はセンス・オブ・ワンダーにあふれているのです。


【スタジオコロリドが特別な理由②:20年後も思い出す物語】
君と僕。出会いと別れ。これ以上深くは刺さらないほど刺さる、大切な“青春”をあなたに
「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

映像だけでなく、物語も特別である理由のひとつ。“青春ファンタジー”を題材にしてきた長編アニメーション作品は、深々と心に刺さる“ひととき”を私たちに与えてくれます……が、すみません、この感覚はうまく言葉では表現しきれません。

「泣きたい私は猫をかぶる」より
「泣きたい私は猫をかぶる」より

「ペンギン・ハイウェイ」では街に突然ペンギンが大量発生する不思議な現象と、勉強家の小学生と歯科医院のお姉さんの冒険、そして淡い恋心を描きました。「泣きたい私は猫をかぶる」は、猫に変身できるお面を手にした女子中学生の恋。「雨を告げる漂流団地」は、団地で育った少年少女が、団地ごと異世界を漂流してしまう“夏の終わり”を描出します。

「雨を告げる漂流団地」より
「雨を告げる漂流団地」より

上記のような導入で始まる物語の数々は、観る人に居場所をくれるような、青春の匂いを胸いっぱいに吸い込むような、大切な感覚を与えてくれます。壮大なファンタジーに心がワクワクときめいて、少年少女の“僕と君の本当の話”にとことん共感する。そうして、僕と君の日常は、やがて“ちょっとだけ世界を揺るがす非日常”に発展し、観る者に強烈なカタルシスをお見舞いするのです。

余談ですが、1990~2000年代に「新世紀エヴァンゲリオン」「最終兵器彼女」など“セカイ系”と定義される物語類型が一世を風靡しました(近年では「君の名は。」「天気の子」がセカイ系に当たります)。

5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より

スタジオコロリドの作品は、セカイ系とよく似ているけれどもちょっと違う、“ネオ・セカイ系”あるいは“シン・セカイ系”ともいえる作品を生み出しています。数年後には、スタジオコロリドは「2020年代の空気感を極めてよく反射したネオ・セカイ系の旗手」として、さまざまなメディアで論じられるかもしれません。


【スタジオコロリドが特別な理由③:独自の作家性が、唯一無二である根源】
個性を光らせ「僕・私」を描き“刺さる青春ファンタジー”を生み出すクリエイターたち
「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

オリジナルで制作されたスタジオコロリドの長編アニメーション作品を鑑賞していて強く感じるのは、「世界のどこかに必ず存在する“僕・私”が観るべき作品」であるということ。

「泣きたい私は猫をかぶる」より
「泣きたい私は猫をかぶる」より

自分たちが日常で“人知れず”抱いている感情を、きっとこの世界のどこかにいる“誰か”も抱いているはず。そんな誰かと作品を観ている自分の「心」を感じる。表層的な“今どき”=流行り廃れに合わせて生まれた物語ではなく、クリエイターたちが見ている世界と、時代が移ろおうとも変わらないリアルな“誰かの心”が重なり合う物語。名前の付けられない感情、言語化できない気持ちがファンタジー要素を使って描かれています。

「雨を告げる漂流団地」より
「雨を告げる漂流団地」より

監督を始めとするクリエイターたちの“心”がにじみ出ているからこそ、登場人物の心情が映像によって直感的に伝わる=年を重ねても、心の奥底にいつまでも佇んでいる"あのころの僕・私”に直接語りかけてくれるような気がする……。

アニメ・映像でしか表現できないことに挑む。セリフに頼らず、演技と動きでさまざまな感情や出来事を表現し、頭ではなく心で観る作品として完成させる……この感性=作家性が、スタジオコロリドの唯一無二である根源なのかもしれません。


【スタジオコロリドが特別な理由④:作品キャッチコピーが秀逸】
“それはきっと、なくなっても消えないもの”“心が行けと告げるから”
「ペンギン・ハイウェイ」より
「ペンギン・ハイウェイ」より

細かいですが、ぜひ“違いのわかる”映画.comユーザーの皆様に注目してもらいたのが「キャッチコピー」。スタジオコロリド作品はキャッチコピーもエモい!

例えば「雨を告げる漂流団地」NetflixのTV CM。「それはきっと、なくなっても消えないもの」。


「泣きたい私は猫をかぶる」ポスターでは、「見つけた、君に会える魔法――」。さらに最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」予告では、「心が行けと告げるから」。

スタジオジブリは、糸井重里によるキャッチコピーの素晴らしさがしばしば語られますが、スタジオコロリドも上記のようにエモが過ぎるコピーをいくつも生み出しています。興味がさらにわいたら、作品を観てみてほしいです。


【スタジオコロリドが特別な理由⑤:音楽センスが爆裂】
宇多田ヒカル、Galileo Galilei、ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。が映像と融合し、感動と破壊力を1200%増しにする
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より

物語と映像だけでなく、音楽も感性に訴えかけてきますよね。最後の“特別な理由”は、音楽のセンスです。

「ペンギン・ハイウェイ」の主題歌は宇多田ヒカル。「台風のノルダ」ではGalileo Galilei、「泣きたい私は猫をかぶる」ではヨルシカ、「雨を告げる漂流団地」のずっと真夜中でいいのに。と、作品の感情を1000%、いや、1200%ブーストする楽曲がバツグンです。

「泣きたい私は猫をかぶる」より
「泣きたい私は猫をかぶる」より

映像と音楽がマッシュアップした際の破壊力といったら、それはもう尋常じゃない……もしかしたら、筆者はここがスタジオコロリドの“一番好きなところ”かもしれません。

最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」の主題歌&挿入歌は、「雨を告げる漂流団地」に続いて、ずっと真夜中でいいのに。が担当。主題歌「嘘じゃない」は予告編の時点ですでに作品の感情を1200%ブーストさせています! 5月13日時点ではまだ未解禁の挿入歌「Blues in the Closet」も楽しみでなりません!


●スタジオコロリドの“特別”が詰まっているのが、最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」(5月24日公開)

以上、スタジオコロリドが特別である理由を5つ、語ってきました。

エモとファンタジーと青春、目を疑うほど壮大・美麗な映像、胸に迫る大切な物語、“僕・私に刺さる作品”を生み出す独自の作家性、秀逸なキャッチコピー、ずば抜けた音楽センス……そのすべてが詰まっている、現時点での集大成的な一作が、5月24日(金)Netflixにて世界独占配信&日本劇場公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」です。

5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より
5月24日公開の最新作「好きでも嫌いなあまのじゃく」より

主人公は、自分の想いを隠してしまっていて、しかもそれに自分自身が気づいていない少年と少女。“悩み”とも言えない、まだ名前がついていないかもしれない感情の屈折が題材の物語は、きっと、あなたにとって大切な一作になるでしょう。

映画公開直前の5月20日には、「好きでも嫌いなあまのじゃく」がブッ刺さった人の熱烈レビューを掲載。お楽しみに!

ちなみに、「泣きたい私は猫をかぶる」「雨を告げる漂流団地」はNetflix世界独占配信中。「ペンギン・ハイウェイ」もNetflixにて配信中です!

画像20