ルイス・カルハーン : ウィキペディア(Wikipedia)
ルイス・カルハーン(Louis Calhern、1895年2月19日AllMovieでは2月16日としている。 - 1956年5月12日)はアメリカ合衆国の俳優。
略歴
1895年にニューヨーク市で生まれ、家族で移り住んだセントルイスで子供時代を過ごす。高校時代はアメフト部に所属していたが、その姿が劇場の支配人の目に留まり、地元の舞台に端役で出演する。これをきっかけに俳優を目指し、ニューヨークに渡ると、第一次世界大戦が勃発する中、ドイツ風([[:en:Teutonic]])の本名Carl Henry Vogtを変えた方が都合が良いと考え、CarlとHenryの文字を並べ替えてCalhernの芸名を付ける。
第一次世界大戦に従軍し、キャリアは一旦中断するものの、舞台で経験を積み、1921年に映画デビューする。その後はブロードウェイの舞台にも立つようになり、高身長と美声でアイドル的人気を獲得、活動の中心は舞台となる。映画がトーキーに移行すると、再び映画にも出演するようになり、知的な悪役で成功する。一時はアルコール依存症によって仕事にも影響が出るようになるが、1940年代の後半にはきっぱりとアルコールを断ち、完全復帰する。
数々の映画に助演を中心に印象的な役で出演しており、中でも『アスファルト・ジャングル』(1950年)で演じた、娘ほどに若い愛人(スターになる前のマリリン・モンロー)を囲っている悪徳弁護士や、『アニーよ銃をとれ』(1950年)のバッファロー・ビル、シェイクスピア戯曲の映画化作品『ジュリアス・シーザー』(1953年)のシーザーなどで知られる。また、『The Magnificent Yankee』(1950年)では実在の法律家オリバー・ウェンデル・ホームズを演じ、第23回アカデミー賞主演男優賞や第8回ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演男優賞にノミネートされた(いずれも受賞はならず)。なお、同原作の舞台化作品(1946年初演)でも同じ役を演じている。
様々な映画に出演する一方、1920年代から1950年代に至るまで、ブロードウェイの舞台にも立ち続けた。
1956年、映画『八月十五夜の茶屋』の撮影で訪れていた奈良県で心筋梗塞により急死する。同作の代役はが務めた。因みにフォードは同原作の舞台化作品(1953年初演)で同じ役を演じている。
私生活
生涯で4回結婚し、いずれも離婚している。また相手は全て女優である。
- (1926年)
- ジュリア・ホイット(1927年 - 1932年)
- ナタリー・シェイファー(1934年 - 1942年)
- マリアンヌ・スチュワート(1946年 - 1955年)
主な出演作品
| 公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1921 | 汚点The Blot | フィル・ウエスト | |
| 1931 | 盗まれた天国Stolen Heaven | スティーヴ・ペリー | |
| シンガポール航路The Road to Singapore | ジョージ・マーチ | ||
| 腕の男Blonde Crazy | ダッパー・ダン・ベイカー | ||
| 1932 | O・KアメリカOkay, America! | マイルアウェイ・ロッソ | |
| 夜毎来る女Night After Night | ディック・ボルトン | ||
| 戦慄街Afraid to Talk | ジョン・ウェイド検事補 | ||
| 春なき二万年20,000 Years in Sing Sing | ジョー・フィン | ||
| フリスコ・ジェニーFrisco Jenny | スティーヴ・ダットン | ||
| 1933 | 追いつめられた女The Woman Accused | レオ・ヤング | |
| 絶対の秘密Strictly Personal | マグルーダー | ||
| 頓珍漢外交ゼネバ行Diplomaniacs | ウィンクルレイド | ||
| 我輩はカモであるDuck Soup | トレンティーノ大使 | ||
| 1934 | 巌窟王The Count of Monte Cristo | ヴィルフォール | |
| いとしのアデリンSweet Adeline | デイ | ||
| 1935 | アリゾニアンThe Arizonian | ジェイク・マネン | 別題『建設の嵐』 |
| ポンペイ最後の日The Last Days of Pompeii | Prefect | ||
| 1936 | 豪華一代娘The Gorgeous Hussy | サンダーランド | |
| 1937 | 命を賭ける男Her Husband Lies | ジョー・ソレル | |
| ゾラの生涯The Life of Emile Zola | Major Dort | ||
| 1943 | 天国は待ってくれるHeaven Can Wait | ランドルフ・ヴァン・クレーヴ | |
| 1944 | 情怨の谷The Bridge of San Luis Rey | ドン・アンドレ | |
| ダニー・ケイの新兵さんUp in Arms | アシュリー大佐 | ||
| 1946 | 汚名Notorious | ポール・プレスコット | |
| 1948 | 凱旋門Arch of Triumph | ボリス・モロソウ | |
| 1949 | 赤い子馬The Red Pony | 祖父 | |
| 赤きダニューブThe Red Danube | Colonel Piniev | ||
| 1950 | アニーよ銃をとれAnnie Get Your Gun | バッファロー・ビル | |
| アスファルト・ジャングルThe Asphalt Jungle | アロンゾ・D・エメリッヒ | ||
| 流血の谷Devil's Doorway | ヴァーン・クーラン | ||
| トゥ・ウィークス・ウイズ・ラブTwo Weeks with Love | ホレイショ・ロビンソン | ||
| The Magnificent Yankee | オリヴァー・ウェンデル・ホームズ | ||
| 1952 | 結婚協奏曲We're Not Married! | フレディ・メルローズ | |
| ゼンダ城の虜The Prisoner of Zenda | Col. Zapt | ||
| 1953 | ジュリアス・シーザーJulius Caesar | ジュリアス・シーザー | |
| 1954 | ラプソディーRhapsody | ニコラス・デュラン | |
| 重役室Executive Suite | ジョージ・ナイル・カズウェル | ||
| 第八ジェット戦闘機隊Men of the Fighting Lady | ジェームズ・A・ミッチェナー | ||
| 皇太子の初恋The Student Prince | フェルディナンド国王 | ||
| 叛逆者 Betrayed | テン・エイク | ||
| 1955 | プロディガルThe Prodigal | ナリーヴ | |
| 暴力教室Blackboard Jungle | ジム・マードック | ||
| 1956 | 上流社会High Society | ウィリーおじさん | |
参考文献
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/12/22 23:29 UTC (変更履歴)
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