リチャード・バートン : ウィキペディア(Wikipedia)

リチャード・バートン(Richard Burton, CBE, 1925年11月10日 - 1984年8月5日)は、イギリス・ウェールズ出身の俳優である。イギリス映画界を代表する俳優の一人。本名はリチャード・ウォルター・バートン・ジュニア(Richard Walter Jenkins Jr.)。女優のは、最初の妻で女優のとの間に生まれた娘。

生涯

炭坑作業員の息子(13人兄弟の12番目)に生まれる。2歳の時に母親が死にJenkins, David (subject's elder brother) Richard Burton: A brother remembered, (2nd edn) Arrow Books London 1994、姉夫婦に育てられる。16歳で学校をやめて働かなければいけなくなったが、彼の教師であったフィリップ・バートンが彼を養子に取り、18歳の時には英空軍の士官候補生としてオックスフォード大学エクセターコレッジの6ヶ月間の特別コースで学ぶことが許された。1943年にリヴァプールの舞台でデビューし、その後、舞台俳優として活躍。1944年から3年間、英空軍のパイロットとして従軍。1949年に映画デビュー、映画で共演した女優と結婚した。同年、作の『The Lady's Not For Burning』での演技が絶賛される。これがきっかけとなって1952年にはハリウッドに招かれ、『謎の佳人レイチェル』でオリヴィア・デ・ハヴィランドと共演、アカデミー助演男優賞にノミネートされる。

舞台ではオールド・ヴィク座の『ハムレット』『オセロ』やブロードウェイのミュージカル『キャメロット』などに主演、英米の垣根を越えて活躍、特に『キャメロット』では1961年のトニー賞ミュージカル部門の俳優賞を受賞した。映画では『聖衣』『アレキサンダー大王』『北海の果て』『史上最大の作戦』などの大作や、『寒い国から帰ったスパイ』や『暗殺者のメロディ』などに出演。しかし『謎の佳人レイチェル』を初めアカデミー賞に計7回もノミネートされたものの、一度も受賞はしなかった。

1963年のマーク・アントニーに扮した『クレオパトラ』で共演したクレオパトラ役のエリザベス・テイラーと恋が芽生え、スキャンダルとなった。その後ウィリアムズと離婚し、一方エディ・フィッシャーと別れたテイラーと結婚、その後は夫婦して、『予期せぬ出来事』『いそしぎ』『バージニア・ウルフなんかこわくない』『じゃじゃ馬ならし』『悪のたのしみ』『危険な航路』『夕なぎ』で共演、しかしバートンがアルコール使用障害にかかり、1973年にテレビ映画『離婚』に夫婦共演中に本当に二人の離婚が取り沙汰されるようになり、ついに翌年離婚した。その後1975年10月10日に二人は再婚するが、翌年、再び離婚する。1983年のブロードウェイの舞台が二人の最後の共演となった。1966年にテイラーとの関係を綴った本を出版している。

テイラーとの離婚後は2度結婚を繰り返し、1984年にジュネーヴ郊外の自宅で脳溢血により倒れ、市内の病院に搬送されたが帰らぬ人となった。

2000年に発売されたテイラーの伝記の中で、俳優のローレンス・オリヴィエとバートンとの同性愛関係について触れられているが、バートンの遺族はその事を否定している。

ギャラリー

Richard Burton Maggie McNamara Prince of Players.jpg|マギー・マクナマラとバートン(1955年) Rosemary Harris with Richard Burton in Wuthering Heights (1958).jpg|ローズマリー・ハリスとバートン(1958年) The Longest Day Richard Burton 1962.jpg|『史上最大の作戦』(1962年) The-Spy-Who-Came-In-from-the-Cold-2.jpg|『寒い国から帰ったスパイ』(1965年) Lucille Ball Elizabeth Taylor Richard Burton Heres Lucy 1974.JPG|左からバートン、ルシル・ボールエリザベス・テイラー

主な出演作品

公開年邦題原題役名備考
1950 疑惑の影The Woman with No Name ニック
1952 謎の佳人レイチェルMy Cousin Rachel フィリップ ゴールデングローブ賞新人賞 受賞
1953 砂漠の鼠The Desert Rats タミー・マクロバーツ
聖衣The Robe マーセラス
1955 凶弾の舞台Prince of Players エドウィン・ブース
雨のランチプールThe Rains of Ranchipur ラマ・サフティ
1956 アレキサンダー大王Alexander the Great アレキサンダー大王
1957 わかれSea Wife ビスケット
にがい勝利Bitter Victory Captain Leith
1960 北海の果てIce Palace ゼブ・ケネディ
許されざる愛情The Bramble Bush ガイ・モントフォード
1962 史上最大の作戦The Longest Day デビッド・キャンベル(イギリス空軍パイロット)
1963 予期せぬ出来事The V.I.P.s ポール・アンドロス
クレオパトラCleopatra マルクス・アントニウス
1964 ベケットBecket トマス・ベケット
イグアナの夜The Night of the Iguana ローレンス・シャノン
ハムレット''Hamlet ハムレット
1965 何かいいことないか子猫チャンWhat's New, Pussycat ストリップクラブの男 クレジットなし
いそしぎThe Sandpiper エドワード・ヒューイット
寒い国から帰ったスパイThe Spy Who Came In from the Cold アレック
1966 バージニア・ウルフなんかこわくないWho's Afraid of Virginia Woolf? ジョージ
1967 じゃじゃ馬ならしThe Taming of the Shrew ペトルーチオ
ファウスト悪のたのしみDoctor Faustus ファウスト 監督・出演
危険な旅路The Comedians ブラウン
1968 夕なぎBoom クリス・フランダース
荒鷲の要塞Where Eagles Dare スミス少佐
キャンディCandy マクフィスト教授
1969 ふたりは恋人Staircase ヘンリー・リーズ
1000日のアンAnne of the Thousand Days ヘンリー8世
1971 ロンメル軍団を叩けRaid on Rommel アレックス・フォスター大尉
ロンドン大捜査線Villain ヴィク・ダーキン
1972 暗殺者のメロディThe Assassination of Trotsky レフ・トロツキー
青ひげBluebeard Kurt Von Sepper
1973 離婚・男の場合 離婚・女の場合Divorce His - Divorce Hers テレビ映画
風雪の太陽Sutjeska ヨシップ・ブロズ・チトー
裂けた鉤十字/ローマの最も長い一日Rappresaglia ヘルベルト・カプラー
1974 旅路Il Viaggio
クランスマンKlansman ブレック
逢いびきBrief Encounter エリック・ハーヴェイ テレビ映画
1977 エクソシスト2Exorcist II: The Heretic フィリップ・ラモント神父
エクウスEquus マーティン ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門) 受賞
1978 恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチThe Medusa Touch ジョン・モーラー
ワイルド・ギースThe Wild Geese アレン・フォークナー大佐
告白の罠Absolution ゴダード神父
1979 戦場の黄金律/戦争のはらわた IISteiner - Das Eiserne Kreuz, 2. Teil ロルフ・シュタイナー
1980 レッスン・イン・ラブCircle of Two アシュレイ・セントクレア
1983 ワーグナー/偉大なる生涯Wagner リヒャルト・ワーグナー テレビ・ミニシリーズ
1984 1984Nineteen Eighty-Four オブライエン

関連項目

  • [[:en:Camelot (musical)]]

外部リンク

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