毬谷友子 : ウィキペディア(Wikipedia)
毬谷 友子(まりや ともこ、1960年3月25日週刊テレビ番組(東京ポスト)1980年12月26日号 p.32 - )は、日本の女優、歌手、文筆家。元宝塚歌劇団雪組の娘役。本名矢代友子(やしろ ともこ)。東京都港区出身。ジェイ・クリップ所属を経てフリー。愛称は「とんちゃん」。
血液型A型、カトリック信者である。
父は劇作家の矢代静一、母は今井正監督の映画『青い山脈』(1949年版)、木下惠介監督の映画『女の園』などで知られる女優・山本和子。友子は次女で、姉の矢代朝子も女優。母方の従妹にえまおゆう(73期、元雪組トップスターの絵麻緒ゆう)がいる。
略歴
- 幼稚園から小学校、中学・高等学校まで四谷雙葉学園で学ぶ。
- 1980年、宝塚音楽学校を卒業。卒業試験では創立以来最高の99点を獲得したという。宝塚歌劇団に66期生として入団。『フェスタ・フェスタ』で初舞台。音楽学校卒業及び入団時の成績は50人中12位『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡り続けて(人物編)』小林公一・監修、阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日、92頁。ISBN 9784484146010。同期に安寿ミラ、こだま愛、洲悠花などがいる。
- 同年7月10日、雪組に配属。
- 同年、連続テレビ小説『虹を織る』のヒロインの「仲良し5人組」の一人・ゆき役に選ばれ出演。
- 1983年、『ブルー・ジャスミン』の新人公演で初ヒロインに抜擢される。
- 1985年4月30日、『花夢幻 / はばたけ黄金の翼よ』の東京公演千秋楽を最後に宝塚歌劇団を退団。
- 退団後は舞台を中心に活躍するほか、映画『夢二』などに出演。父・矢代が脚本を書いた一人芝居『弥々』は毬谷が矢代に直談判して初演の舞台化以来「ライフワーク」として演じ続ける矢代・毬谷ふたりそれぞれの代表作となった。
- 1989年、ミュージカル『Sessue雪洲』(つる役)及び『真夏の夜の夢』(ハーミア役)での演技により、第39回芸術選奨文部大臣新人賞大衆部門を受賞。
- 1992年、夢の遊眠社『贋作 桜の森の満開の下』(夜長姫役)及び『弥々』(弥々役)での演技により第27回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。
- 2002年、『弥々』(弥々役)での演技により第57回文化庁芸術祭優秀賞(演劇部門)を受賞。
- 2010年、『令嬢ジュリー』では演出も手掛けている。
- 2016年3月7日よりフリー。
エピソード
- 芸名については、「友子は本名から、姓は聖母マリアから頂戴しました」と本人が答えている。入団時は本名での活動を希望したが「必ず芸名を付けなければならない」と言われ、洗礼名であるマリアを名字とする芸名とした。
- 「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」の稽古中に出演した『笑っていいとも!』テレフォンショッキング(テレフォンゲスト 2009年3月4日)で(精神疾患を意味する)放送禁止用語を口にした(悪気がなく、無意識にうっかり言ってしまった模様で本人もすぐに気づいた)。番組内で本人ではなく加藤綾子アナウンサーが謝罪した人気テレビ番組のあり得ないミス200(鉄人社、2021年5月18日第1刷)204頁。
宝塚歌劇団時代の主な舞台出演
- 1981年5月、『彷徨のレクイエム』アナスタシア皇女(第1部)
- 1982年5月、『ジャワの踊り子』新人公演:アミナ(本役:草笛雅子)
- 1982年9月、『愛の飛翔II』(宝塚バウホール)
- 1983年3月、『パリ変奏曲』新人公演:ジャンヌ(本役:花鳥いつき) / 『ゴールデン・ドリーム』(東京宝塚劇場)
- 1983年6月、『シェルブールの雨傘』ジュヌヴィエーヴ(博品館劇場)外部出演
- 1983年8月、『ブルー・ジャスミン』テレーズ、新人公演:ローナ・モレル(本役:遥くらら) / 『ハッピーエンド物語』 新人公演初ヒロイン
- 1983年12月、『うたかたの恋』新人公演:ツェヴェッカ伯爵夫人(本役:真乃ゆりあ) / 『ハッピーエンド物語』(東京宝塚劇場)
- 1984年3月、『風と共に去りぬ』プリシー、新人公演:スカーレット・オハラ(本役:遥くらら) 新人公演ヒロイン
- 1984年5月、『愛の飛翔Ⅲ』(宝塚バウホール)
- 1984年9月、『千太郎纏しぐれ』お千代 / 『フル・ビート』
- 1985年1月、『花夢幻』 / 『はばたけ黄金の翼よ』ビアンカ 退団公演
女優としての主な出演
舞台
- シェルブールの雨傘(1983年) ※宝塚歌劇団在団中に外部出演
- ラ・マンチャの男(1985年) - アントニア 役
- ラ・カージュ・オ・フォール(1986~88年)
- 十二夜(1987年)
- ビッグ・リバー(1988年)
- 贋作・桜の森の満開の下(1989年〔初演〕、1992年〔再演〕・夢の遊眠社)
- なよたけ(1990年・演出:坂東玉三郎)
- ゴドーを待ちながら(1994年・演出:鴻上尚史)
- 屋根の上のヴァイオリン弾き(1996年) - ホーデル 役
- 阿呆劇トゥーランドット姫(1997年)
- 地下鉄に乗って(2000年・音楽座)
- 8人の女たち(2004年)
- 天保十二年のシェイクスピア(2005年・演出:蜷川幸雄) - お冬 役、浮舟太夫 役
- 弥々
- タンゴ・冬の終わりに
- 音楽劇 コーカサスの白墨の輪
- 夢の浮橋NOP DAYS
- 桜の園(演出・蜷川幸雄)
- 雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた(2009年、作:清水邦夫、演出:蜷川幸雄)ニーナ・ハーゲンのNaturträneを歌う
- 令嬢ジュリー(2010年)
- チェーホフ!? 〜哀しいテーマに関する滑稽な論考〜(2011年)
- 浅草版・くるみ割り人形(2012年)
- 障子の国のティンカーベル(2014年〔初演〕、2015年〔再演〕、演出:マルチェロ・マーニ)
- 残り者(2020年 前進座錦秋公演 演出:鵜山仁) サト姫(猫) 役
テレビドラマ
- 連続テレビ小説(NHK総合)
- 「虹を織る」(1980年 - 1981年、NHK大阪) - 島崎佳代の友人・ゆき役(当時は現役タカラジェンヌとして出演していた)
- 東芝日曜劇場(TBS)
- 「こころ」(1991年、毎日放送) - 先生の妻 役
- NHKスペシャル「アインシュタインロマン」(1991年、NHK総合) - ミレーバ夫人 役
- 大河ドラマ(NHK総合)
- 「琉球の風」(1993年) - 軍陀利 役
- デザートはあなた(1993年、毎日放送) - 山口奈々子 役
- ドラマ新銀河「愛をみつけた」(1995年、NHK総合) - 宮川花子 役
- BS日曜ドラマ「松ケ枝町サーガ」(1995年、NHK BS2)
- 火曜サスペンス劇場(日本テレビ)
- 死の人工呼吸 (1994年11月) - 早田菜月 役
- 警視庁鑑識班
- 警視庁鑑識班 4「木は森に隠された」(1997年11月)- 今関圭子 役
- 警視庁鑑識班 15「幼児誘拐が暴く女の悲しい嘘」(2002年10月)- 三輪良乃 役
- 北の警察署長(1998年9月) - 五十嵐美雪 役
- 警部補 佃次郎7 ここだけの話(1999年3月) - 久保由美 役
- 女優(1999年6月) - 日下部綾 役
- 15年目の夏(2001年8月) - 真鍋可奈子 役
- 金曜エンタテイメント「せつない探偵 柚木草平の殺人レポート」(1996年 - 2000年、フジテレビ) - 吉島冴子 役
- 月曜ドラマスペシャル「一色京太郎事件ノート4・京都西陣に消えた女」(1997年、TBS) - 千里孝子 役
- 新・半七捕物帳 第17話「張子の虎」(1997年、NHK総合)- お定 役
- 鬼平犯科帳 第8シリーズ 第5話「はぐれ鳥」(1998年、フジテレビ /松竹) - 津山薫 役
- おまえなしでは生きていけない~猫を愛した芸術家の物語~「第2夜 内田百閒」(2011年、NHK BSP)
- 月曜ゴールデン「狩矢警部シリーズ11・京都舞踊襲名殺人事件」(2012年、TBS) - 桜木麗花 役
- 赤い糸の女(2012年、東海テレビ) - 貴道多嶺 役
- プレミアムドラマ(NHK BSP)
- 「かすてぃら」(2013年) - 明子先生 役
- 「昨夜のカレー、明日のパン」第6話(2013年) - 富士子 役
- 水曜ミステリー9「葬儀屋松子の事件簿3」(2013年、テレビ東京) - 和田初栄 役
- 天国の恋(2013年、東海テレビ) - 浅妻徳美 役
- 怪奇恋愛作戦 第3話 - 第4話(2015年、テレビ東京) - 院長 役
- 日曜ワイド「人類学者・岬久美子の殺人鑑定7」(2017年、テレビ朝日) - 龍野彩乃
- ドラマ10「半径5メートル」(2021年、NHK総合) - 立花早苗 役
バラエティ番組
- 時代劇法廷(2010年、時代劇専門チャンネル)#5「春日局」 - 春日局役
- しくじり先生 俺みたいになるなⅡ3時間スペシャル「なんもねぇ~!!」
ほか多数
その他テレビ番組
- 小さな美の殿堂 海辺の美術館(1993年7月4日、NHK総合)
- 春らんまん・津軽の桜(1994年4月29日、NHK BS2)
- 芸術劇場(1996年4月 - 1997年3月、NHK教育) - 案内役
- 平成古寺巡礼(1996年、NHK BS2)
- 旅のチカラ「60歳のフラメンコ 俳優・大杉漣 スペイン・セビリア」(2011年4月9日、NHK BSP) - ナレーション
- はじめてのこくご ことばあ!(NHK教育)
映画
- 東京上空いらっしゃいませ(1990年) - 田中郁子 役
- 夢二(1991年) - 脇屋巴代 役
- 外科室(1992年)
- 極道の妻たち 赫い絆(1995年) - 範子 役
- 娘道成寺 蛇炎の恋(2004年)
- 妖精フローレンス(1985年) - フローレンス 役
- 海でのはなし(2006年) - 楓の母親 役
- 宮城野(2010年) - 宮城野 役
- 日々ロック(2014年) - 風間泉 役
- リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年) - 皆川晴海 役
- 花芯(2016年) - アパートの大家・北林未亡人 役
ラジオドラマ
- FMシアター(NHK-FM)
- 「大地の子エイラ」(1988年3月26日) - 主題曲歌唱
- 「地球の祈り」(1996年8月17日)
- 「水の行方」(1998年4月11日) - 仁科玲子 役
- 「骨は珊瑚、眼は真珠」(2006年10月7日)
- 「餌の時間」(2007年2月10日) - 桜 役
- 「静かな大地」前編・後編(2011年10月15日・22日) - 宗形由良 役
- 「故郷の我が家」(2015年2月7日)
- 「星降る教室」(2016年7月16日) - クラムボン 役
- 「白き鳥、赤き花」(2017年3月11日) - 紅千草 役
- 「扉を開ければそこは」(2023年5月20日) - 雅美 役
- AMステレオ放送1周年記念ラジオドラマ 「真夜中に野バラが歌う」(1993年3月15日、ABCラジオ)
- 青春アドベンチャー(NHK-FM)
- 「アルジャーノンに花束を」(1995年8月7日 - 11日) - アリス・キニアン 役
- 「ピエタ」(2012年4月30日 - 5月11日) - クラウディア 役
- 「帝冠の恋」(2017年1月30日 - 2月10日) - エステルハーツィー夫人 役
- 「ハプスブルクの宝剣」(2020年3月9日 - 4月3日) - カッセル方伯夫人・カロリーネ / 乳母 役
- 「イッツ・ア・ビューティフルワールド」(2021年3月15日 - 26日) - 梅原トシ 役
- クラシックものがたり 「悲劇のマリー・アントワネット ~ ある侍女の日記」(1995年9月9日、NHK-FM)
- クラシックものがたり 「サバトの夜の秘密 ~ 交響詩"はげ山の一夜"」(1995年9月23日、NHK-FM)
- ドラマスペシャル 「ソフィーの世界」前編・後編(1996年1月14日・15日、NHK-FM) - ヒルデ 役
- 特集オーディオドラマ 「怪し野」(2003年5月4日、NHK-FM)
写真集
- 毬谷友子 一九九四(1994年、宝島社)
出典
外部リンク
- MARIYUM(本人運営によるグッズ販売サイト)
- MARIYUM(旧ブログ)
- 毬谷友子の部屋
- 映画『宮城野』オフィシャルサイト
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/12/20 12:09 UTC (変更履歴)
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