日比野克彦 : ウィキペディア(Wikipedia)

日比野 克彦(ひびの かつひこ、1958年8月31日 - )は、日本の現代美術家。東京芸術大学学長。段ボールを使った作品で知られる。

経歴

1958年岐阜県岐阜市生まれ。 岐阜大学教育学部附属中学校を卒業。岐阜県立加納高等学校を卒業後、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科に進学(同級生にしりあがり寿がいた)。同大学に1年在学した後、東京芸術大学美術学部デザイン学科に再入学し、1982年に卒業。1984年、同大学大学院修士課程修了。1980年代に領域横断的、時代を映す作風で注目される。作品制作の他、身体を媒体に表現し、自己の可能性を追求し続ける。1986年、1995 年ヴェネチア・ビエンナーレに出品。

近年では、館内の展示室だけでなく、様々な地域の人々と共同制作を行いながら、受取り手の感受する力に焦点を当てたアートプロジェクトを展開し、社会で芸術が機能する仕組みを創出する。2003年大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレにて「明後日新聞社文化事業部」を設立、同時に「明後日朝顔プロジェクト」を開始。2005年 水戸芸術館「HIBINO EXPO」、2006年岐阜県美術館「HIBINO DNA AND」、2007年金沢21世紀美術館「 ホーム→アンド←アウェー」方式、熊本市現代美術館「HIGO BY HIBINO」など個展を開催。

2012年「種は船~航海プロジェクト」を実施。2013年 瀬戸内国際芸術祭2013にて「海底探査船美術館プロジェクト・一昨日丸」を発表。同年・翌年(2013・14年)「六本木アートナイト」にてアーティスティックディレクターを務める。2010年より4年の1度のサッカーW杯年に合わせ、「マッチフラッグプロジェクト」を開始。2014年もブラジル大会への熱い想いを胸にワークショップを実施し、スタジアムをスポーツとアートの交流の場とした。1995年から1999年まで東京芸術大学美術学部デザイン学科助教授、1999年から2007年まで東京芸術大学美術学部先端芸術表現科助教授/准教授を経て2007年10月より教授、2016年より美術学部長に就任。現在、日本サッカー協会社会貢献委員長。

2015年4月1日より、岐阜県美術館の館長に就任した。

2021年4月4日、東京オリンピック聖火リレーでJR岐阜駅前から走者を務めた。

2021年6月1日より、熊本市現代美術館の館長に就任することになった。

2022年4月より6年の任期で東京芸術大学の学長を務める。

2022年4月より、文化庁 障害者文化芸術活動推進有識者会議 委員(座長)に就任した。

2023年4月より、熊本市 文化顧問に就任した。

主な役職

  • 東京芸術大学学長
  • 岐阜県美術館館長
  • 日本サッカー協会社会貢献委員長
  • 東京芸術文化評議会 評議員
  • 東京芸術文化評議会アール・ブリュット検討部会 座長

主な受賞歴

  • 1982年 第3回日本グラフィック展大賞
  • 1983年 第1回日本イラストレーション展グランプリ
  • 1983年 第30 回東京ディレクターズクラブADC 賞最高賞
  • 1990年 IBA /インターナショナル ブロードキャスティングアワーズ
  • 1990年 ディスプレイデザイン年賞’ 90 奨励賞
  • 1990年 東京都屋外広告物優秀賞都知事賞
  • 1999年 毎日デザイン賞グランプリ
  • 2016年 芸術選奨文部科学大臣賞
  • 2022年 第54回東海テレビ文化賞

展覧会・国際芸術祭

  • 1986年:シドニー・ビエンナ ーレ
  • 1995年:ヴェネチア・ビエンナーレ
  • 2003年:大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003「明後日新聞社文化事業部」
  • 2005年:水戸芸術館「HIBINO EXPO」
  • 2006年:岐阜県美術館「HIBINO DNA AND」
  • 2007年:熊本市現代美術館(HIGO BY・HIBINO)
  • 2007年:霧島アートの森(日々の旅に出る。)
  • 2007年:金沢21世紀美術館「ホーム→アンド←アウェー」方式
  • 2008年:ボーダレス・アートミュージアム NO-MA企画展「飛行する記憶~記憶は創造を呼び起こす~」出展
  • 2010年:3331 Arts Chiyoda「ひとはなぜ絵を描くのか」
  • 2012年:にいがた水と土の芸術祭
  • 2013年:瀬戸内国際芸術祭「海底探査船美術館プロジェクト 一昨日丸/OTOTOI丸」
  • 2013年:川崎市岡本太郎美術館「Hibino on side off side 日比野克彦」展
  • 2015年:大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015「明後日新聞社文化事業部」
  • 2016年:瀬戸内国際芸術祭「海底探査船美術館プロジェクト 一昨日丸/OTOTOI丸/Re-ing-A」
  • 2016年:KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭「HIBINO HOSPITAL(日比野美術研究室付属病院放送部)」
  • 2018年:大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018「明後日新聞社文化事業部/あざみひら演劇祭/喫茶TURN」
  • 2021年:姫路市立美術館日比野克彦展「明後日のアート」

主な作品

美術作品

  • 「PRESENT AIRPLANE」
  • 「GRAND PIANO」
  • 「NITO」

デザイン

  • 「J TRIP BAR」

パフォーマンス

  • 「HIBINO THEATRE」

アートプロジェクト

  • 「HIBINO HOSPITAL」
  • 「明後日朝顔プロジェクト」
  • 「明後日新聞社文化事業部」
  • 「種は船プロジェクト」
  • 「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」
  • 「アジア代表日本」
  • 「MATCH FLAG PROJECT」
  • 「HEART MARK VIEWING」
  • 「こよみのよぶね」

監修

  • 「こよみのよぶね」
  • 「サッカーボールアート展」
  • 「六本木アートナイト」(-2015)
  • 「TURN」
  • 「アートまるケット」
  • 「DOORプロジェクト」
  • 「東京数寄フェス」
  • 「UENOYES」

著作

  • 『8万文字の絵――表現することについて』PHP研究所、1997年
  • 『100の指令』朝日出版社、2003年

監修

  • 2005年 こよみのよぶね(岐阜)
  • 2012年 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」第12回全国障害者スポーツ大会「ぎふ清流大会」総合プロデューサー(岐阜)
  • 2013年-2015年「六本木アートナイト」アーティスティックディレクター(六本木/ 東京)
  • 2014年「サッカーボールアート展」(西武渋谷/東京)
  • 2014年-2015年日本財団 アール・ブリュット美術館合同企画展2014-2015「TURN/陸から海へ(ひとがはじめからもっている力)」(みずのき美術館/ 京都、鞆の津ミュージアム/ 広島、はじまりの美術館/ 福島、藁工ミュージアム/ 高知)
  • 2015年 水戸芸術館25 周年記念事業「カフェ・イン・水戸R」関連プログラム「Re MITO100」プロジェクト・ディレクター(水戸芸術館/ 茨城)
  • 2015年 みんなの森 ぎふメディアコスモス開館記念事業「みんなのアート(それぞれのらしさ)」(みんなの森 ぎふメディアコスモス/岐阜)
  • 2015年 アートまるケット日比野克彦ディレクション「花は色の棲家」(岐阜県美術館/ 岐阜)
  • 2015年- アーツカウンシル東京主催 2020年に向けたリーディング・プロジェクト「TURNプロジェクト」(東京都美術館/東京)
  • 2017年-「Diversity on the Arts Project」(愛称:DOORプロジェクト)

出演

テレビ

  • 日曜美術館「アートと音楽 坂本龍一×日比野克彦」(2013年1月13日、NHK Eテレ)

ラジオ

関連項目

  • 阿部恭久(叔父)
  • 岐阜県出身の人物一覧

出典

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/21 09:33 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「日比野克彦」の人物情報へ