ダニエル・ブーランジェ : ウィキペディア(Wikipedia)

ダニエル・ブーランジェDaniel Boulanger、1922年1月24日 - 2014年10月27日)は、フランスの作家・劇作家・詩人・脚本家・俳優。ヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督ジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォーフィリップ・ド・ブロカらの初期作品に深く関わっている。

略歴

1922年にフランス・オワーズ県コンピエーニュに生れる。父親はチーズ職人。1932年にエーヌ県の聖シャルル小神学校(petit Séminaire Saint-Charles)に入学、神父を目指し、ラテン語、ギリシャ語、ドイツ語を学ぶ。文学にも強い関心を抱くようになるが、1939年に第二次世界大戦が勃発すると、レジスタンス運動に加わる。1940年11月11日に破壊活動により逮捕されて収監される。司祭の助けで釈放され、1942年に労役(Service du travail obligatoire)を科せられるが脱走、その後は羊飼いとなってオワーズ内の農園を転々として身を隠す。終戦後はフランスを離れて世界各地を放浪し、様々な仕事を経験、その中で後に妻となる女性と出会う。

1957年にフランスに帰国し、パリで妻子と暮らしながら執筆活動を行ない、1959年に初の小説『L'ombre』を出版、1963年には初の短編集『Les Noces du Merle』を出版する。

小説や詩、演劇などの様々な執筆活動と並行して、映画の仕事もするようになり、ヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督ジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォーフィリップ・ド・ブロカらの作品で脚本(脚色、台詞)を担当するだけでなく、毒のある個性的なルックスを活かして俳優として出演もしている。

1964年の『リオの男』で第37回アカデミー賞の脚本賞にノミネートされる(受賞はならず)。

1970年以降はサンリスを活動の拠点とする。1989年にサンリスの森で鹿とぶつかる交通事故に遭い、死を実感したことで、映画の仕事を辞めて自分の時間を文学に使うと決める。

1983年から2008年までのメンバーだった。

主な作品

脚本

  • 新・七つの大罪 Les Sept Péchés capitaux (1962)
  • リオの男 L'Homme de Rio (1964)
  • カトマンズの男 Les Tribulations d'un Chinois en Chine (1965)
  • まぼろしの市街戦 Le Roi de cœur (1966)
  • 愛すべき女・女たち Le Plus Vieux Métier du monde (1967) - 第3話『貴族好み』
  • 世にも怪奇な物語 Histoires extraordinaires (1968) - 第2話『影を殺した男』

出演

  • 勝手にしやがれ À bout de souffle (1959) - ヴィタル刑事役
  • ピアニストを撃て Tirez sur le pianiste (1960) - エルネスト役
  • 黒衣の花嫁 La mariée était en noir (1968) - デルヴォー役
  • マイ・ラブ Toute une vie (1974) - 将軍役

参考文献

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/13 02:21 UTC (変更履歴
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