ジョン・マルコビッチ : ウィキペディア(Wikipedia)

ジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich, 1953年12月9日 - )は、アメリカ合衆国の俳優、映画プロデューサー。個性的な演技派俳優として世界的に活躍している。

生い立ち

イリノイ州クリストファーにて、クロアチア系の父親とスコットランド及びドイツ系の母親の間に生まれる。両親は共に地元の雑誌や新聞社のオーナーであり、また自然保護運動にも熱心であった。

イリノイ大学で環境を専攻していたが、演劇に変更し、卒業したBiography for John Malkovich

キャリア

俳優活動

1976年に友人のゲイリー・シニーズと設立したステッペンウルフ・シアター・カンパニーで数々の舞台に立ち、高い評価を得た。その後ブロードウェイでも『True West』や『セールスマンの死』などでオビー賞など数々の賞を受賞。1984年に映画デビュー。

スクリーンでは悪役を演じることが多いが、近年ではそれ以外でも『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生』『チェンジリング』『バーン・アフター・リーディング』『RED/レッド』と、主役・準主役を演じることもある。

その他

ファッションブランドを立ち上げている。2012年にはiPhone 4SのCMに起用された。

私生活

女優のグレン・ヘドリーと1982年に結婚したが1988年に離婚。一時ミシェル・ファイファーとの交際が伝えられたが、1989年に映画制作スタッフのニコレッタ・ペイランと再婚して男女の子供が二人いる。

フランス語に堪能。

2002年にイギリスで公演中、イスラエルとブッシュ政権の中東政策を痛烈に批判したイギリスのジョージ・ギャロウェイ下院議員(リスペクト党)を「射殺したい」と発言し、物議を醸したMP stunned at actor's outburst - BBCニュース、2002年5月4日付。

フィルモグラフィ

映画

題名役名備考吹替
1981 新聞記者の信疑Word of Honor ゲイリー テレビ映画
1984 プレイス・イン・ザ・ハートPlaces in the Heart ウィル氏
キリング・フィールドThe Killing Fields アル・ロックフォス 千田光男(フジテレビ版)
1985 セールスマンの死Death of a Salesman ビフ テレビ映画プライムタイム・エミー賞助演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)受賞
哀愁のエレーニ Eleni ニック
1987 新生人 Mr.アンドロイドMaking Mr. Right ジェフ・ピーターズ / ユリシーズ 堀内賢雄
ガラスの動物園The Glass Menagerie トム・ウィングフィールド
太陽の帝国Empire of the Sun ベイシー
1988 マイルズ・フロム・ホームMiles from Home バリー・マクスウェル
危険な関係Dangerous Liaisons ヴァルモン子爵 津嘉山正種
1990 シェルタリング・スカイThe Sheltering Sky ポート・モレスビー
1991 クイーンズ・ロジック/女の言い分・男の言い訳Queens Logic エリオット 大滝進矢
幸福の選択The Object of Beauty ジェイク
1992 ウディ・アレンの影と霧Shadows and Fog 道化師
二十日鼠と人間Of Mice and Men レニー・スモール
ジェニファー8Jennifer Eight セント・アン捜査官 大塚芳忠
1993 生きてこそAlive 年老いたカルロス・"カルリトス"・パエス(ナレーター) クレジットなし 中田和宏
ザ・シークレット・サービスIn the Line of Fire ミッチ・リアリー 金尾哲夫(ソフト版)樋浦勉(テレビ朝日版)
真・地獄の黙示録Heart of Darkness クルツ テレビ映画
1995 メフィストの誘いO Convento マイケル  
愛のめぐりあいBeyond the Clouds/Al di là delle nuvole ディレクター 池田勝
1996 狼たちの街Mulholland Falls トーマス・ティムズ 山野史人(ソフト版)千田光男(テレビ東京版)
ジキル&ハイドMary Reilly ヘンリー・ジキル博士 / エドワード・ハイド氏 津嘉山正種
ある貴婦人の肖像The Portrait of a Lady ギルバート・オズモンド 松橋登
魔王The Ogre/Der Unhold アベル 金尾哲夫
1997 コン・エアーCon Air サイラス・グリッソム 壌晴彦(ソフト版)樋浦勉(テレビ朝日版)
1999 仮面の男The Man in the Iron Mask アトス 大塚芳忠
ラウンダーズRounders テディ-KGB 佐々木梅治
見出された時 -「失われた時を求めて」より- Le Temps retrouvé シャルリュス男爵 内田直哉
マルコヴィッチの穴Being John Malkovich ジョン・ホレイショ・マルコヴィッチ ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞 受賞 屋良有作
ジャンヌ・ダルクThe Messenger: The Story of Joan of Arc シャルル7世 土師孝也(ソフト版)山寺宏一(日本テレビ版)
ザ・ディレクター [市民ケーン]の真実RKO 281 ハーマン・J・マンキーウィッツ テレビ映画 千田光男
ジョン・マルコヴィッチのレディース・ルームLadies Roomロベルト 大川透(旧ソフト)宮健一(新ソフト版)
2000 シャドウ・オブ・ヴァンパイアShadow of the Vampire ムルナウ 田中秀幸
2001 家路Je rentre à la maison ジョン・クロフォード(映画監督)
ノックアラウンド・ガイズKnockaround Guys テディ・デザーブ 土師孝也
HOTEL ホテルHotel オマー・ジョンソン
2002 ダンス オブ テロリストThe Dancer Upstairs アビマエル・グスマン 兼監督・製作
リプリーズ・ゲームRipley's Game/Il gioco di Ripley トム・リプリー 池田勝
アダプテーションAdaptation. 本人 クレジットなし 屋良有作
2003 ジョニー・イングリッシュJohnny English パスカル・ソヴァージュ 水野龍司(ソフト版)山路和弘(劇場公開版)
永遠の語らいUm Filme Falado ジョン・ワレサ船長
2004 リバティーンThe Libertine チャールズ2世 兼製作 土師孝也
2005 銀河ヒッチハイク・ガイドThe Hitchhiker's Guide to the Galaxy ハーマ・カヴーラ 内田直哉
アイ・アム・キューブリック!Colour Me Kubrick アラン・コンウェイ
2006 アートスクール・コンフィデンシャルArt School Confidential サンディフォード 兼製作
クリムトKlimt グスタフ・クリムト
エラゴン/遺志を継ぐ者Eragon ガルバトリックス王 大塚芳忠
2007 ベオウルフ/呪われし勇者Beowulf アンファース 中尾隆聖
2008 ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生The Great Buck Howard バック・ハワード 永田博丈
チェンジリングChangeling グスタヴ・ブリーグレブ牧師 壌晴彦
ミュータント・クロニクルズMutant Chronicles コンスタンティン 浦山迅
バーン・アフター・リーディングBurn After Reading オズボーン・コックス 樋浦勉
2009 メッセージ そして、愛が残るAfterwards ケイ 池田勝
2010 ジョナ・ヘックスJonah Hex クエンティン・ターンブル 佐々木勝彦
RED/レッドRED マーヴィン・ボッグス 樋浦勉
セクレタリアト/奇跡のサラブレッドSecretariat ルシアン・ローリン
2011 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーンTransformers: Dark of the Moon ブルース・ブラゾス 金尾哲夫
2012 皇帝と公爵Linhas de Wellington
2013 ウォーム・ボディーズWarm Bodies グリジオ大佐 樋浦勉
ゴッド・オブ・バイオレンス/シベリアの狼たちDeadly Code クジア
REDリターンズRED 2 マーヴィン・ボッグス 樋浦勉
2014 カットバンクCut Bank ローランド・ボーゲル保安官 西垣俊作
ペンギンズ FROM マダガスカル ザ・ムービーPenguins of Madagascar デーブ 声の出演 楠見尚己
2016 ズーランダー NO.2Zoolander 2 Chazz Spencer
バーニング・オーシャンDeepwater Horizon ドナルド・ヴィドリン 樋浦勉
2017 アンロック/陰謀のコードUnlocked ボブ・ハンター
ワンダフル!ウエディング 〜結婚できる人できない人〜The Wilde Wedding ローレンス・ダーリング 兼製作総指揮
2018 キラー・ドッグBullet Head ウォーカー 別題『バレット・ヘッド』 樋浦勉(Netflix版)佐東充(ソフト版)
マイル22Mile 22 ジェームズ・ビショップ 金尾哲夫
バード・ボックスBird Box ダグラス
2019 Velvet Buzzsaw ピアース
テッド・バンディExtremely Wicked, Shockingly Evil and Vile
2020 THE VILLAINS ザ・ヴィランズ 悪党伝Arkansas ブライト
AVA/エヴァAva デューク
2021レッド・ブレイクRogue Hostageサム・サフティ
サバイバー2024The Survivalistアーロン
2022ShatteredRonald
ChariotDr. Karn
White Elephantグレン・フォレット小磯一斉
Savage SalvationPeter
MindcageThe Artist
2023Seneca: On the Creation of EarthquakesSeneca
One RangerGeddes
Fool's ParadiseEd Cote
The LineBeach Miller
2025ファンタスティック・フォーThe Fantastic FourTBA
2115 100イヤーズ100 Years ヒーロー 兼脚本完成フィルムは2115年11月18日まで保管

テレビシリーズ

題名役名備考日本語吹替
1989, 1993, 2008 サタデー・ナイト・ライブSaturday Night Live 本人(ホスト) 計3話出演
2000 レ・ミゼラブルLes Misérables ジャベール 計4話出演 津嘉山正種
2002 キング・オブ・キングスNapoléon Charles Talleyrand てらそままさき
2014 クロスボーンズ/黒ひげの野望Crossbones エドワード・ティーチ 計9話出演 池田勝
2018 ABC殺人事件The ABC Murders エルキュール・ポワロ 計3話出演 石田圭祐
2018-2019 ビリオンズBillions グリゴール・アンドロフ 計6話出演
2019-2020 ニュー・ポープ 悩める新教皇The New Pope ヨハネ・パウロ3世 / ジョン・ブラノックス 計9話出演 樋浦勉
2020-2022 スペース・フォースSpace Force エイドリアン・マロリー博士 計17話出演 金尾哲夫
2021-2023Ten Year Old TomMr. B声の出演計20話出演
2024 ニュールックThe New Look ルシアン・カミーユ・ルロン 計7話出演 根本泰彦
2024 リプリーRipley マイノー 佐々木薫

製作

出演せずに製作・製作総指揮に携わった作品。

  • 偶然の旅行者 The Accidental Tourist (1988)
  • ゴーストワールド Ghost World (2001)
  • JUNO/ジュノ Juno (2007)
  • ヤング≒アダルト Young Adult (2011)
  • ウォールフラワー The Perks of Being a Wallflower (2012)
  • 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う Demolition (2015)

日本語吹き替え

主に担当しているのは、以下の二人である。

樋浦勉
『ザ・シークレット・サービス』(テレビ朝日版)で初担当。代表作の多くを吹き替え、マルコヴィッチの声優として知られている。
樋浦自身、吹き替えをやりやすい俳優としてマルコヴィッチを挙げており、演じる上では「『ワー』とか『ギャー』とかいろんな声を使っていい役だと思うから、自分でもやってて楽しいですね。百面相みたいな顔してやるんだよ」と語り、マルコヴィッチ自身の容姿については「ひょっとこみたいな顔」と評した吹替王国#7 声優:樋浦勉(archive.todayによるアーカイブ)。特に『コン・エアー』での役を面白かった役として挙げている吹替の帝王-日本語吹替版専門映画サイト #51:樋浦勉(Wayback Machineによるアーカイブ)。2010年の映画『RED/レッド』では樋浦の持ち役であるブルース・ウィリスリチャード・ドレイファスがマルコヴィッチと共演したものの、最終的に樋浦はマルコヴィッチの声を担当した。本作のマルコヴィッチの役(マーヴィン・ボッグス)については「やってて楽しい。だけどね、ハチャメチャな役を演じるっていうのは、結構難しい。そこは、外れない範疇で自分がうんと羽ばたくみたいな感じで思いっきりやらせてもらっています」と述べている(『『ダイ・ハード/ラスト・デイ〈日本語吹替完全版〉コレクターズ・ブルーレイBOX〔初回生産限定〕』インタビュー集より)。
金尾哲夫
『ザ・シークレット・サービス』(ソフト版)で初担当。樋浦と並んで多く吹き替えている。
2018年の『バード・ボックス』および『マイル22』を吹き替えてからは、専属に近い形で担当している。

このほかにも、池田勝、津嘉山正種千田光男大塚芳忠土師孝也壤晴彦屋良有作内田直哉なども複数回、声を当てている。

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/08/18 07:26 UTC (変更履歴
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