ジョン・バリー : ウィキペディア(Wikipedia)

ジョン・バリー(John Barry、ジョン・バリー・プレンダーガスト OBE、John Barry Prendergast OBE、1933年11月3日 - 2011年1月30日ジョン・バリー氏死去 英の映画音楽作曲家 - 47NEWS(よんななニュース))は、イギリス・ヨーク出身の作曲家。多くの映画音楽の作曲を手がけた。中でも「007/ジェームズ・ボンド」シリーズの曲は広く知られている。ゴールデングローブ賞とアカデミー賞を5回受賞している。

プロフィール

1933年イギリス生まれ。父親のジャック・バリーは映画館や劇場を経営していたため、ジョンも幼い頃から映画に親しむ。一方、ピアニストの母親の影響で1941年9歳からピアノを弾き始め、後にトランペットも習い始めた。10歳でヨーク寺院のフランシス・ジャクソン博士に音楽教育を受け、ロンドンの音楽学校で作曲と楽器法を学んだが、1年経たずして中途退学となった。その後3年程、地方のジャズ・バンドで演奏していたが、兵役に応じ軍隊のバンドで演奏活動を続け、その間も和声、作曲、編曲をスタン・ケントンに通信教育で学ぶ。除隊後は軍の友人達とR&Bのバンド「ジョン・バリー・セブン」を結成。

1957年にEMIレコードと契約を結ぶ。その後、クリフ・リチャードや多くのアーティストのプロデュースやアレンジを手がけ、テレビの音楽を担当した後、アダム・フェイス、ピーター・セラーズの映画のスコアを書き、1959年に『狂っちゃいねえぜ(Beat Girl)』で本格的に映画音楽に進出し、007ジェームズ・ボンドのテーマの編曲で名声を博した(このテーマの作曲者はモンティ・ノーマンである)。マット・モンローで有名になった「ロシアより愛をこめて」はライオネル・バート作曲、ジョン・バリーが映画音楽担当、「野生のエルザ」はジョン・バリー作曲である。また1972年の「フォロー・ミー」は、作曲ジョン・バリー、評価された歌はテルマ・キーティングで、日本でもスマッシュ・ヒットしている。

1970年代途中まで英国で過ごす。その後少しの間スペインで過ごし(税金問題のため)、その後、映画の仕事のため渡米、ニューヨーク近郊のオイスターベイで暮らす。

1988年、肺炎による食道破裂を患う。

2011年1月30日、心臓発作のためニューヨークで死去。77歳没ジョン・バリー氏=英作曲家 : おくやみ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

私生活

1953年、バーバラ・ピカードと結婚、一児をもうけたが1963年離婚。1965年女優のジェーン・バーキンと結婚。一女ケイト・バリー(写真家)が生まれたが、1968年に離婚。1969年ジェーン・シドニーと結婚、1971年離婚。1978年1月、現在の妻ローリー・バリーと結婚。

映画作品

  • 1959年
    • 『狂っちゃいねえぜ』(Beat Girl)
  • 1960年
    • 『喰いついたら放すな』(Never Let Go)
  • 1962年
    • 『桃色株式会社』(The Amorous Prawn)
  • 1962年
    • 『007 ドクター・ノオ』
    • 『007は殺しの番号』(Dr. No、この時はモンティ・ノーマンが音楽担当であったが、映画製作者が気に入らなかったため、急遽バリーがノーマンの作品に基づき主題曲の編曲を担当した。)
  • 1963年
    • 『007 ロシアより愛をこめて』
    • 『007/危機一発』(From Russia with Love、主題歌はライオネル・バート作曲https://www.independent.co.uk/arts.../obituary-lionel-bart-1085282.h、歌はマット・モンロー。ジョン・バリーはスコアと編曲、指揮)
  • 1964年
    • 『雨の午後の除霊祭』(Seance on a Wet Afternoon)
    • 『007/ゴールドフィンガー』(Goldfinger)
    • 『ズール戦争』(Zulu)
    • 『国際諜報局』(The Ipcress File)
  • 1965年
    • 『キング・ラット』(King Rat)
    • 『007/サンダーボール作戦』(Thunderbal)
    • ナック』(The Knack)
    • 『ジャングル・モーゼ』(Mister Moses)
  • 1966年
    • 『さらばベルリンの灯』(The Quiller Memorandum)
    • 『逃亡地帯』(The Chase)
    • 『野生のエルザ』(Born Free)=アカデミー作曲賞・歌曲賞2部門受賞。歌はマット・モンロー。
  • 1967年
    • 『007は二度死ぬ』(You Only Live Twice)
  • 1968年
    • 『冬のライオン』(The Lion in Winter)=アカデミー作曲賞受賞、ゴールデングローブ賞ノミネート
    • 『華やかな情事』(Petulia)
    • 『夕なぎ』(Boom)
  • 1969年
    • 『女王陛下の007』(On Her Majesty's Secret Service = O.H.M.S.S.)
    • 『約束』(The Appointment)
  • 1970年
    • 『真夜中のカーボーイ』(Midnight Cowboy)=グラミー賞受賞
    • 『最後の谷』(The Last Valley)
    • 『モンテ・ウォルシュ』(Monte Walsh)
  • 1971年
    • 『クイン・メリー/愛と悲しみの生涯』(Mary, Queen of Scots)=アカデミー賞ノミネート、ゴールデングローブ賞ノミネート
    • 『007/ダイヤモンドは永遠に』(Diamonds Are Forever)
    • 『美しき冒険旅行』(Walkabout)
    • 『マーフィの戦い』(Murphy's War)
  • 1972年
    • 『フォロー・ミー』(Follow Me)、歌:テルマ・キーティング
    • 『不思議の国のアリス』(Alice's Adventures in Wonderland)
  • 1974年
    • 『ダブ』(The Dove)=ゴールデングローブ賞ノミネート
    • 『007/黄金銃を持つ男』(The Man with the Golden Gun)
    • 『夕映え』(The Tamarind Seed)
  • 1975年
    • 『イナゴの日』(The Day of the Locust)
  • 1976年
    • 『ロビンとマリアン』(Robin and Marian)
    • 『キングコング』(King Kong)
  • 1977年
    • 『ザ・ディープ』(The Deep)=ゴールデングローブ賞ノミネート
    • 『ホワイト・バッファロー』(The White Buffalo)
  • 1978年
    • 『ベッツィー』(The Betsy)
    • 『死亡遊戯』(Game of Death)
    • 『スタークラッシュ 宇宙大戦争』(Starcrash)
  • 1979年
    • 『ブラックホール』(The Black Hole)
    • 『ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど』(Hanover Street)
    • 『007/ムーンレイカー』(Moonraker)
    • 『ナイト・ゲーム』(Night Games)
  • 1980年
    • 『サンフランシスコ物語』(Inside Moves)
    • 『ヤング・マスター/師弟出馬』(Shi di chu ma)
    • 『ある日どこかで』(Somewhere in Time)=ゴールデングローブ賞ノミネート
    • 『ラスト・レター』(Touched by Love)
    • 『レイズ・ザ・タイタニック』(Raise the Titanic)
  • 1981年
    • 『白いドレスの女』(Body Heat)
    • 『ローン・レンジャー』(Legend of the Lone Ranger)=ゴールデンラズベリー賞作曲賞受賞
  • 1982年
    • 『女優フランシス』(Frances)
    • 『ハメット』(Hammett)
  • 1983年
    • 『ゴールデンシール』(The Golden Seal)
    • 『ハイ・ロード』(High Road to China)』
    • 『007 オクトパシー』(Octopussy)
  • 1984年
    • 『コットンクラブ』(The Cotton Club)
  • 1985年
    • 『愛と哀しみの果て』(Out of Africa)=アカデミー作曲賞受賞
    • 『白と黒のナイフ』(Jagged Edge)
    • 『007/美しき獲物たち』(A View To A Kill)
  • 1986年
    • 『ペギー・スーの結婚』(Peggy Sue Got Married)
    • 『ゴールデン・チャイルド』(The Golden Child)
    • 『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』(Howard the Duck)
  • 1987年
    • 『007/リビング・デイライツ』(The Living Daylights)=(指揮者として出演)
  • 1988年
    • 『マスカレード/甘い罠』(Masquerade)
  • 1990年
    • 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(Dances with Wolves)=アカデミー作曲賞受賞、ゴールデングローブ賞ノミネート
  • 1992年
    • 『チャーリー』(Chaplin)=アカデミー作曲賞ノミネート、ゴールデングローブ賞ノミネート
  • 1993年
    • 『マイ・ライフ』(My Life)
    • 『ルビー・カイロ』(Ruby Cairo)
    • 『幸福の条件』(Indecent Proposal)
  • 1994年
    • 『スペシャリスト』(The Specialist)
  • 1995年
    • 『遥かなる夢・ニューヨーク物語』(Across the Sea of Time)(もとは『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』(1991)のためのものだったが、ジェームズ・ニュートン・ハワードの曲が採用されたため、3D IMAX映画用にリライトした)
    • 『スカーレット・レター』(The Scarlet Letter)
    • 『輝きの大地』(Cry, the Beloved Country)
  • 1997年
    • 『輝きの海』(Swept from the Sea)
  • 1998年
    • 『マイ・ハート、マイ・ラブ』(Playing by Heart)
    • 『マーキュリー・ライジング』(Mercury Rising)
  • 1999年
    • (『グッバイ・ラバー』(Goodbye Lover)曲は書いたが不採用となった)
  • 2001年
    • 『エニグマ』(Enigma)

その他の活動

  • The Americans
  • The Beyondness of Things
  • Eternal Echoes

John Barry was inducted into the Songwriters Hall of Fame in 1998

受賞歴

アカデミー賞

  • 1966年『野生のエルザ』(Born Free)
  • 1968年『冬のライオン』(The Lion in Winter)
  • 1985年『愛と哀しみの果て』(Out of Africa)
  • 1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(Dances with Wolves)

グラミー賞

  • 1970年『真夜中のカーボーイ』(Midnight Cowboy)

ゴールデングローブ賞

  • 1985年『愛と哀しみの果て』(Out of Africa)

関連項目

外部リンク

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