ジャン・マリア・ボロンテ : ウィキペディア(Wikipedia)
ジャン・マリア・ヴォロンテ(Gian Maria Volonté、1933年4月9日 - 1994年12月6日)は、イタリア、ミラノ出身の俳優。イタリアを代表する世界的な名優として知られた。
経歴
1933年4月9日にイタリアはミラノで生まれた。1957年にローマの俳優養成所を卒業、当初は主に舞台やテレビドラマで活躍した。1960年に映画初出演。
1964年にセルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウェスタン『荒野の用心棒』で悪役であるラモン・ロホを演じた(本名ではなくアメリカ人風の偽名ジョニー・ウェルズとしてクレジット)。翌1965年の『夕陽のガンマン』では麻薬中毒のギャングの頭目エル・インディオを演じ、この二作の成功でヴォロンテは一躍スター俳優にのし上がる。これ以降国内外の多くの映画に出演、イタリアを代表する俳優として世界的な知名度を得る。
映画でしばしば狂気を感じさせる悪役を演じており、『殺人捜査』で演じた、殺人を犯したエリート刑事がその最もたる例である。彼はバルトロメオ・バンゼッティやラッキー・ルチアーノなど、実在の人物を演じる事もあった。
ヴォロンテの演技力は批評家から高く評価され、イタリアのアカデミー賞とも呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演男優賞(1970年、1990年)、カンヌ国際映画祭男優賞(1983年)、ベルリン国際映画祭銀熊賞(1987年)など多くの映画賞を受賞した。1991年にはその生涯における業績を表彰して、ヴェネツィア国際映画祭栄誉金獅子賞が贈られた。
優れた映画俳優としてのみならず、熱心な政治運動家としても有名であった。彼は進歩主義的な思想で知られ、イタリア共産党と深い関わりを持った。
1994年12月6日に映画『ユリシーズの瞳』撮影のため滞在していたギリシアのフロリナで、映画の撮影中に心筋梗塞で死亡した。彼の代役はエルランド・ヨセフソンがつとめた。
主な出演作品
公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1961 | 鞄を持った女La Ragazza con La Valigia | ピエロ・ベノッティ | |
アトランタイドAntinea, l'amante della città sepolta | タラス | ||
1962 | 祖国は誰のものぞLe quattro giornate di Napoli | スティモロ | |
1964 | 荒野の用心棒Per un Pugno di Dollari | ラモン | |
1965 | 夕陽のガンマンPer Qualche Dollaro In Piu | エル・インディオ | |
1966 | 群盗荒野を裂くQuien Sabe? | エル・チュンチョ | |
1967 | 悪い奴ほど手が白いA ciascuno il suo | パオロ教授 | |
血斗のジャンゴFaccia a faccia | ブレット・フレッチャー教授 | ||
1968 | ミラノの銀行強盗Banditi a Milano | ピエロ・キャバレロ | |
1969 | 山いぬL'amante di Gramigna | グラミニア | |
蠍座の星の下でSotto il segno dello scorpione | レノ | ||
1970 | 殺人捜査Indagine su un cittadino al di sopra di ogni sospetto | 警察官 | |
東風Le vent d'est | Le ranger nordiste | ||
総進撃Uomini contro | Ottolenghi | ||
仁義Le Cercle rouge | ヴォーゲル | ||
1971 | 死刑台のメロディSacco e Vanzetti | バルトロメオ・バンゼッティ | |
労働者階級は天国に入るLa classe operaia va in paradiso | ルル・マッサ | 第25回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール 受賞 | |
1972 | 黒い砂漠Il caso Mattei | エンリコ・マッテイ | 同上 |
影の暗殺者/フランスの陰謀L'attentat | Sadie | ||
1973 | コーザ・ノストラLucky Luciano | ラッキー・ルチアーノ | |
1979 | エボリCristo si è fermato a Eboli | カルロ・レヴィ | 原作はカルロの『キリストはエボリで止まった』 |
1983 | La morte di Mario Ricci | ベルナルド・フォンタナ | 第36回カンヌ国際映画祭 男優賞 受賞 |
1986 | 首相暗殺Il caso Moro | アルド・モーロ | 第37回ベルリン国際映画祭 男優賞 受賞 |
1987 | 予告された殺人の記録Cronaca di una morte annunciata | クリスト | 原作はG・ガルシア=マルケス |
1988 | 黒の過程L'oeuvre au noir | ゼノン | 原作はM・ユルスナール |
1990 | 宣告Porte aperte | Pestalozzi | ヨーロッパ映画賞 審査員特別賞 受賞 |
1991 | Una storia semplice | カルメロ | 第48回ヴェネツィア国際映画祭 特別金獅子賞 受賞 |
外部リンク
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