ジェフ・リン : ウィキペディア(Wikipedia)

ジェフリー・リン(、1947年12月30日 - )は、イングランド出身のミュージシャン、シンガーソングライター。

同国のロックバンド「エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)」のリーダー。50年以上のキャリアを誇るマルチプレイヤーで、音楽プロデューサーとしても有名アーティストの作品プロデュースを手がけている。

来歴

1960年代に活動したロックバンド、「アイドル・レース」「ザ・ムーヴ」を経て、1970年からエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)としての活動を開始した。

その後、ELOのリーダーとして、1970年代から1980年代にかけて「テレフォン・ライン」「シャイン・ラヴ」「ザナドゥ」などにより、ELOは、1972~86年の間はギネスブックに「最も多くの全米トップ40ヒットを飛ばしたグループ」として紹介されていた。ヴァージン・グループ初の映画 『エレクトリック・ドリーム』のサウンドトラックへ2曲参加している (映画の音楽担当はジョルジオ・モロダーだが、2曲はジェフ・リン自身のプロデュース)。

熱狂的なビートルズファンであり、「ジェフ・リンの自宅のレコード棚にはビートルズとバルトークのレコードしかない」と英国の音楽誌に書かれたことがある。

また、プロデューサーとして数多くのアーティストを手掛けており、1980年代後半以降、デイヴ・エドモンズ、ジョージ・ハリスンリンゴ・スターポール・マッカートニートム・ペティ、ロイ・オービソン、デル・シャノンなどのプロデュースを手掛けている。1995年から1996年にかけてのビートルズ・アンソロジー・プロジェクトでは、ジョージの紹介で新曲のプロデュースを担当し、敬愛するビートルズとの「共演」を果たした。

1988年にジョージ・ハリスントム・ペティボブ・ディラン、ロイ・オービソンとともに覆面バンド、トラヴェリング・ウィルベリーズを結成した。ソロ名義のアルバム『アームチェア・シアター』も発売している。また、2001年発表ELOのアルバム『ズーム』は、リチャード・タンディなど一部オリジナル・メンバーの客演はあるものの、事実上、彼のソロ作品である。

その後も、プロデュース業を行いながら、自身のELO作品のリマスター、セルフカバー・アルバム、2012年にはソロ名義で、全曲カバー曲の『ロング・ウェイヴ』などを発表し、定期的に活動を行う。

2015年、リチャード・タンディ参加の、ジェフ・リンズELOの『アローン・イン・ザ・ユニバース』を発表。

2015年、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームを授与。

2015年、グラミー賞にて、エド・シーランとともに「Evil woman 」、「Mr. blue sky 」を演奏。

2017年、ELOがロックの殿堂入りを果たす。

2019年、リチャード・タンディ参加の、ジェフ・リンズELOの『フロム・アウト・オブ・ノーウェア』を発表。

2020年、エリザベス女王の生誕日にてOBE(大英帝国勲章第4等)を授与。

ディスコグラフィ

シングル

1977年

『Doin' That Crazy Thing/Goin' Down To Rio』

  • Doin' That Crazy Thing
  • Goin' Down To Rio
ソロ名義によるファースト・シングル。(E.L.O.サウンドとは違った、当時流行していたディスコ・サウンド。)
1984年

『Video!/Sooner Or Later』

  • Sooner Or Later
サントラ『エレクトリック・ドリーム』よりのシングルカット「Video!」B面。ソロ名義によるセカンド・シングル。
1990年

『Every Little Thing/I'm Gone』

  • I'm Gone
  • Every Little Thing (12" Remix)
アルバムよりのシングルカット「Every Little Thing」のB面。ソロ名義によるサード・シングル。

『Lift Me Up/Sirens/Borderline』

  • Sirens
  • Borderline (2013年、デジタル・リマスター盤ボーナス・トラック)
アルバム『アームチェア・シアター』よりのシングルカット「Lift Me Up」のB面。ソロ名義によるフォース・シングル。

アルバム

1990年

『アームチェア・シアター』 - "Armchair Theatre"(The Billboard 200/最高位83位)

2012年

『ロング・ウェイヴ』 - "Long Wave"(The Billboard 200/最高位133位)

ソロ名義では12年ぶりとなる、全曲カバー曲によるセカンド・アルバム。
  • She (Charles Aznavour)
  • If I Loved You (Rodgers-Hammerstein)
  • So Sad (to Watch Good Love Go Bad) (Everly Brothers)
  • Mercy Mercy (Don Covay)
  • Running Scared (Roy Orbison)
  • Bewitched, Bothered And Bewildered (Rodgers-Hart)
  • Smile (Charlie Chaplin)
  • At Last (Gordon-Warren)
  • Love Is A Many Splendored Thing (Fein-Webster)
  • Let It Rock (Chuck Berry)
  • Beyond The Sea (Charles Trenet)
  • Jody(Del Shannon):日本盤限定ボーナス・トラック。

その他

1976年

『All This And World War II』 - "Original Soundtrack"

  • With A Little Help From My Friends/Nowhere Man
映画『All This And World War II』オリジナルサウンドトラック。様々なアーティストによる、全編ビートルズの楽曲をカバーした内容で構成されたアルバム。ジェフは2曲をメドレーでカバー。初のソロ名義。
1984年

『Electric Dreams』 - "Original Soundtrack"

  • Video! (The Billboard Hot 100/最高位85位)
  • Let It Run
映画『エレクトリック・ドリーム』オリジナルサウンドトラック。
1991年

『Robin Hood-Prince Of Thieves』 - "Original Soundtrack"

  • Wild Times
ケビン・コスナー主演『ロビン・フッド』オリジナルサウンドトラック。
2011年

『Listen To Me: Buddy Holly』

  • Words Of Love
バディ・ホリーのトリビュート・アルバム。
2013年

『American Hustle』 - "Original Soundtrack"

  • Stream of Stars
映画『アメリカン・ハッスル』オリジナルサウンドトラック。
2014年

『The Art of McCartney』

  • Junk
ポール・マッカートニーのトリビュート・アルバム。

参加したバンド

1967-1969

アイドル・レース

1970~1972

ザ・ムーヴ

1971-1986,2001-

エレクトリック・ライト・オーケストラ

1988-1990

トラヴェリング・ウィルベリーズ

  • 『Vol.1』 - "Volume One"(1988年発表。1988年、The Billboard 200/最高位3位。グラミー賞ノミネート作品)
  • 『Vol.3』 - "Volume 3"(1990年発表。1990年、The Billboard 200/最高位11位)
2014-

ジェフ・リンズELO

主なプロデュース作品

  • ジョージ・ハリスン
    • 『クラウド・ナイン』 - Cloud Nine(1987年発表)
    • 『ブレインウォッシュド』 - Brainwashed(2002年発表)
    • 「セット・オン・ユー」 - Got My Mind Set On You(1987年発売)
    • 「エニイ・ロード」 - Any Road(2003年発売、グラミー賞ノミネート作品)
  • ポール・マッカートニー
    • 『フレイミング・パイ』 -Flaming Pie(1997年発表、グラミー賞ノミネート作品)
  • ビートルズ
    • 「フリー・アズ・ア・バード」 -Free As A Bird(1995年発表)
    • 「リアル・ラヴ」-Real Love(1996年発表)
    • 「ナウ・アンド・ゼン」 -Now and Then(2023年発表、Additional Productionと表記)
  • トム・ペティ
    • 『フル・ムーン・フィーヴァー』 -Full Moon Fever(1989年発表)
    • 『ハイウェイ・コンパニオン』 -Highway Companion(2006年発表)
  • トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
    • 『イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン』 -Into The Great Wide Open(1991年発表)
  • リンゴ・スター
    • 『タイム・テイクス・タイム』 -Time Takes Time(1992年発表)
  • オリヴィア・ニュートン・ジョン
    • 「ザナドゥ」 -Xanado(1980年発表。シングル)
  • ロイ・オービソン
    • 『ミステリー・ガール』 -Mystery Girl (1989年発表、「ユー・ゴット・イット」など3曲を担当)
  • デル・シャノン
    • 「ウォーク・アウェイ」 -Walkaway(1990年発表)
  • デイブ・エドモンズ
    • 『インフォメーション』 -Information(1983年発表)
    • 『リフ・ラフ』 -Riff Raff(1984年発表)
  • ブライアン・ウィルソン
    • 『ブライアン・ウィルソン』 - Brian Wilson (1988年発表、「レット・イット・シャイン」を共同プロデュース)
  • ジョー・ウォルシュ
    • 『アナログ・マン』 -Analog Man(2012年発表)
  • ブライアン・アダムス
    • 『ゲット・アップ』 -Get Up(2015年発表)

※「」内は曲名、『』名はアルバム名

関連項目

  • エレクトリック・ライト・オーケストラ
  • ザ・ムーブ
  • トラヴェリング・ウィルベリーズ
  • ザナドゥ (映画):アイヴァ・ノヴェロ賞 音楽賞受賞
  • 5人目のビートルズ

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/08/29 18:24 UTC (変更履歴
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