ジェニファー・イーリー : ウィキペディア(Wikipedia)
ジェニファー・イーリー(Jennifer Ehle, 1969年12月29日 - )は、アメリカ出身の英国女優。父親は作家のジョン・イーリー()、母親はイギリスの女優ローズマリー・ハリス。
来歴
ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムに生まれる。舞台女優としてのキャリアは古く、1973年にブロードウェイで上演された『欲望という名の電車』に幼児役として出演している。1991年、ピーター・ホール演出によるモリエール作『タルチュフ』で評判となり、有望新人に贈られるイアン・チャールソン賞を受賞。
1994年、映画『バック・ビート』にシンシア・パウエル(ジョン・レノンの最初の妻)役で出演。これが映画デビュー作となった。
1995年、高視聴率を記録したBBCのテレビ・ミニシリーズ『高慢と偏見』に主人公エリザベス・ベネットを演じて、世界的にも知られるようになった。その後、映画界でも活躍を始め、『オスカー・ワイルド』では妻役を演じて英国アカデミー賞の助演女優賞にノミネート。『太陽の雫』ではカナダのジニー賞の助演賞候補となり、ゴールデン・サテライト賞を母と共に受賞した。
一方、舞台での活躍も続け、1999年にはロンドンのドンマー・ウェアハウスのトム・ストッパード作『リアル・シング』 The Real Thing で絶賛され、翌年ブロードウェイでも上演されてトニー賞を受賞(このとき同じ部門に母もノミネート)。2001年NYランダバウト・シアターで限定公演したノエル・カワード作『生活の設計』でアラン・カミング、ドミニク・ウェストと共演。2005年にはオールド・ヴィクの舞台『フィラデルフィア物語』でケヴィン・スペイシーと共演。2006年には上演時間6時間に及ぶトム・ストッパード作による3部構成の歴史大作『コースト・オブ・ユートピア』 The Coast of Utopia で再びトニー賞演劇部門助演女優賞を受賞した。
彼女の姓"Ehle"は、日本では誤って「エール」と表記されたが、発音は"EE-lee"(イーリー)である。
私生活
『高慢と偏見』撮影時にコリン・ファースと交際していたことがある。2001年に結婚し現在は子供が二人いる。
主な出演作品
映画
公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1994 | バック・ビートBackbeat | シンシア・パウエル | |
1997 | Paradise Road | ローズマリー | オーストラリア映画 |
オスカー・ワイルドWilde | コンスタンス・ロイド・ワイルド | ||
1998 | ''Bedrooms and Hallways | サリー | 日本未公開 |
1999 | 太陽の雫Sunshine | ヴァレリー | |
This Year's Love | ソフィー | ||
2002 | 抱擁Possession | クリスタベル | |
2005 | The River King | ベッツィー・チェイス | |
2008 | プライド&グローリーPride and Glory | アビー | |
Before the Rains | ローラ | 日本未公開 | |
2009 | The Greatest | ジョーン | |
2010 | 英国王のスピーチThe King's Speech | マートル・ローグ | |
2011 | スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜The Ides of March | シンディ・モリス | |
コンテイジョンContagion | アリー・ヘックストール医師 | ||
アジャストメントThe Adjustment Bureau | バーテンダー | カメオ出演 | |
2012 | ゼロ・ダーク・サーティZero Dark Thirty | ジェシカ | |
2014 | ロボコップRoboCop | リズ・クライン | |
ヴェルサイユの宮廷庭師A Little Chaos | モンテスパン侯爵夫人 | ||
Black or White | キャロル | ||
THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッションThe Forger | キム・カッター | ||
2015 | Advantageous | ||
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイFifty Shades of Grey | カーラ・ウィルクス | ||
SPOOKS スプークス/MI-5Spooks: The Greater Good | ジェラルディン・モルトビー | ||
2016 | 思いやりのススメThe Fundamentals of Caring | エルサ | |
静かなる情熱 エミリ・ディキンスンA Quiet Passion | ラヴィニア・ノルクロス・ディキンソン | ||
2017 | フィフティ・シェイズ・ダーカーFifty Shades Darker | カーラ・メイ・ウィルクス | |
デトロイトDetroit | Morgue Doctor | ||
バーバラと心の巨人I Kill Giants | ミセス・ソーソン | ||
2018 | Monster | モーリーン・オブライエン | |
ポップスターVox Lux | ジョシー | ||
ミスエデュケーションMiseducation of Cameron Post | リディア・マーシュ医師 | ||
2019 | ウルフ・アワーThe Wolf Hour | マーゴット | |
スキャンダル 〜人生のターニングポイント〜Run This Town | ジュディス | ||
セイント・モード/狂信Saint Maud | アマンダ | ||
博士と狂人The Professor and the Madman | エイダ・マレー | ||
2022 | SHE SAID/シー・セッド その名を暴けShe Said | ||
テレビシリーズ
放映年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1995 | 高慢と偏見Pride and Prejudice | エリザベス・ベネット | ミニシリーズ、計6話出演 |
2011-2012 | A Gifted Man | アンア・ポール | 計16話出演 |
2013 | 偽りの太陽 〜Low Winter SunLow Winter Sun | スーザン | 第1シーズン第9話「Ann Arbor」 |
2014, 2015 | THE BLACKLIST/ブラックリストThe Blaklist | マデリーン・プラット | 第1シーズン第14話「マデリーン・プラット」第2シーズン第14話「T・アール・キング6世」 |
2018 | 倒壊する巨塔 - アルカイダと「9.11」への道The Looming Tower | バーバラ・ボーディン | 計3話出演 |
2020 | ザ・コミー・ルール 元FBI長官の告白The Comey Rule | パトリス・コミー | ミニシリーズ、計2話出演 |
2022 | 19231923 | シスター・メアリー | リカーリングキャスト |
2023 | 戦慄の絆Dead Ringer | レベッカ・パーカー | ミニシリーズ |
舞台
制作年 | 題名 | 役 | 劇団 | 会場 |
---|---|---|---|---|
1959 Pink Thunderbird | エディンバラ・フェスティバル | |||
Laundry and Bourbon | エディンバラ・フェスティバル | |||
1991 | タルチュフTartuffe | Elmire | ピーター・ホール・カンパニー | |
1992 | ブレイキング・ザ・コードBreaking the Code | パット・グリーン | Triumph Productions Tour | |
1995-96 | リチャード三世Richard III | レディ・アン | ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー | |
Painter of Dishonour | Serafina | ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー | ||
The Relapse | アマンダ | ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー | ||
1999 | リアル・シングThe Real Thing | アニー | ドンマー・ウェアハウス | |
Summerfolk | Varvara Mikhailovna | ロイヤル・ナショナル・シアター | ||
2000 | リアル・シングThe Real Thing | アニー | Albery Theatre and Barrymore Theater | |
2001 | 生活の設計Design for Livin | ギルダ | Roundabout Theatre Company | American Airlines Theater |
2005 | フィラデルフィア物語The Philadelphia Story | トレイシー・ロード | オールド・ヴィック・シアター | |
2006 | マクベスMacbeth | マクベス夫人 | Shakespeare in the Park | デラコルテ・シアター |
2006 | コースト・オブ・ユートピアVoyage | Liubov Bakunin | ヴィヴィアン・バーモント劇場 | |
コースト・オブ・ユートピアShipwrecked | Natalie Herzen | ヴィヴィアン・バーモント劇場 | ||
2007 | コースト・オブ・ユートピアSalvage | Malwida von Meysenbug | ヴィヴィアン・バーモント劇場 | |
2010 | Mr. and Mrs. Fitch | セカンド・ステージ・シアター |
参照
外部リンク
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