渋谷昶子 : ウィキペディア(Wikipedia)
渋谷 昶子(しぶや のぶこ、1932年3月8日 - 2016年2月1日)は、日本の映画監督、記録映画作家、ルポルタージュ作家。
経歴・人物
1932年3月8日、関東州大連市に生まれる。本名、前畠昶子。両親は3月生まれにちなみ「春の陽のように日永にのんびりと成長するように」と日が永いという昶子と命名した。
大連弥生女学校1年在学のとき敗戦。2年間の棄民生活で人間形成の原点が形成される。
1947年に「最後の引き揚げ船」で帰国し、父親の出身地だった鹿児島県に移る。1951年、鹿児島県立鶴丸高等学校を卒業。
弁護士たらんと大志をいだいて中央大学法学部に入学。しかし、スクリプターに関心をもち、大学は3年で中退し、2年後にスクリプターになる。
独立プロ製作の劇映画スクリプターとして、五所平之助、山本薩夫、新藤兼人、今井正などの諸監督につきの薫陶を受ける。 とりわけ、今井監督からは演出手法における影響を色濃く受けた。
1963年製作の『挑戦』(「東洋の魔女」と言われた日紡貝塚バレーチームが大松博文監督のもと、東京オリンピックを目指した死闘の練習が主題)、1964年のカンヌ映画祭に出品。短編部門で日本映画としては初のグランプリを受賞、カンヌにてトロフィーを受ける。
スクリプターの時から一貫してフリーランスであることを信条とし、監督となってからも未だその姿勢は変わらない。
その後、テレビ(NHK、民放)のドキュメンタリー番組や自主映画などの仕事を中心に仕事を続け今日に至る。
その制作姿勢は、「対象とするのは常に「人間」である」と紹介されている。
日本映画監督協会所属
フィルモグラフィー
- 1963年 『挑戦』
- 『東京オリンピック』(バレー部分)
- 『すばらしい世界旅行』(日本テレビ)
- 『1200万人の交響曲』(九州電力)
- 『はばたけ夏の朝に』(全国農協中央会)
- 『みなと みらい 21』(横浜市)
- 『地獄の特訓-女子管理者養成学校』(日本テレビ)
- 『愛は地球を救う-特集・老人問題』(日本テレビ)
- 『ひろしまは いま 1987』(広島市広報室)
- 『かもめが見た日 港が輝く』(横浜市)
- 『燃えよ やさしさの中で』(奈良市)
- 『少年とにんじん』(全農広報)
- 『八十二才 北林谷栄 凛々と舞台に生きる』(NHK)
- 『百才の恋心-新内・岡本文弥の艶』(テレビ東京)
- 『いま、男たちが変わりはじめる』(東京女性財団)
- 『鏡のない家に光あふれ』(自主制作)
- 『元気老人アワー』(テレビ東京)
- CM作品 「レナウン」「フジフイルム」「セイコー」「ペプシコーラ」「コーセー化粧品」「日本生命」
最近の主な作品
- 2004年2月完成 『Kaneko』ー兼子ー(「Kaneko」ー兼子ー制作委員会)
- 2006年9月完成 『サッちゃん 作曲家・大中恩の世界』(紀伊國屋書店)
- 2009年2月放送 ーNHKー『課外授業、ようこそ先輩 岡村喬夫』
- 2011年11月放送『蝶々夫人は悲劇ではない—オペラ歌手岡村喬生80歳 イタリアへの挑戦』 NHKBSプレミアム
- 2012年9月完成 『おっぱい謝謝』自主作品
受賞歴
- 挑戦(Le Prix de la Victoire、1963年) - カンヌ映画祭 短編部門グランプリ
- 鏡のない家に光あふれ(1996年) - 短編教育映画祭優秀作品賞・文部省選定
関連項目
- 柳兼子
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/09/25 16:43 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.