アンデウソン・シウバ : ウィキペディア(Wikipedia)

アンデウソン・シウバ日本では誤った発音の「アンデウソン」が通名となっているが、ポルトガル語での正しい発音は「アンデルソン」に近い。なお、UFC等では英語読みで「アンダーソン」と発音される。(Anderson Silva, 1975年4月14日 - )は、ブラジルとアメリカ合衆国の男性総合格闘家、プロボクサー。パラナ州クリチバ出身。アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス在住。チーム・ノゲイラ所属。キラービーズ・ムエタイ・カレッジ主宰。元UFC世界ミドル級王者。UFC殿堂入り。

概要

細長い腕と脚から、ザ・スパイダー(蜘蛛)の異名を持ち、長い四肢とバックボーンのムエタイで培った強烈かつスピーディーな打撃、また、優れた動体視力と反応速度を駆使したスウェーやダッキングなどの卓越したディフェンステクニックを武器に長期に渡ってUFC世界ミドル級王者として君臨し、総合格闘技におけるパウンド・フォー・パウンド最強の1人と目されていた。また、全盛期での圧倒的な強さとカリスマ性から「The Greatest Of All Time」(史上最高の意)と称されたThe Real-Life Diet of Anderson Silva, the Greatest UFC Fighter of All Time yahoo!sports 2019年2月12日。

UFCにおいて、全階級を通じて王座の在位期間がUFC史上最長(2457日間)であり、全階級を通じた最多連勝記録(16連勝)も保持する。王座最多連続防衛記録でも初代UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン(11回)に次ぐ歴代2位の記録(10回)を有する。

来歴

サンパウロに生まれ、経済的な理由から4歳の時にクリチバの叔母の下へ預けられた。クリチバでは、まず柔術を学び、テコンドーを8年間学んだ。その後ムエタイを3年間学んだ後、シュートボクセ・アカデミーに所属していたファビオ・ノグシの下で7年間トレーニングを積んだ『kamipro』No.147記事紹介・第五弾! アンデウソン・シウバの知られざる闇と優しき素顔 kamipro.com 2010年5月26日。

その後、才能がフジマール・フェデリコ会長の目に留まり、シュートボクセの本部へ移籍した。

2001年3月2日、初参戦となった修斗で加藤鉄史と対戦し、3-0の判定勝ちを収めた。

2001年8月26日、修斗ミドル級 (76 kg) タイトルマッチで王者の桜井"マッハ"速人に挑戦し、3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

2001年11月26日、PRIDE参戦と階級転向を理由に修斗ミドル級王座を返上した。

PRIDE・Cage Rage

2002年6月23日、PRIDE初参戦となったPRIDE.21でアレックス・スティーブリングと対戦し、ドクターストップでTKO勝ちを収めた。

2003年3月16日、PRIDE.25で元UFC世界ウェルター級王者のカーロス・ニュートンと対戦し、タックルに合わせたカウンターの飛び膝蹴りでKO勝ち。同年6月8日、PRIDE.26で高瀬大樹と対戦し、三角絞めで一本負けを喫した。

2003年11月にアスエリオ・シウバらとシュートボクセ・アカデミーを離れ、ムエタイ・ドリームチーム(MTDT)を結成するもすぐに離脱。

2004年9月11日、Cage Rage世界ミドル級王座決定戦でリー・マーレイと対戦し、3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

2004年12月31日、PRIDE 男祭り 2004で長南亮と対戦。打撃で優勢に試合を進めていたが、3Rに蟹挟みからのヒールホールドで逆転の一本負け。その後、シュートボクセ・アカデミーのフジマール会長の政治的圧力によってPRIDE離脱を余儀なくされ、主戦場をCage Rageに移す。

この頃から親交の深いアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラらと共に練習をするようになり、シウバも柔術茶帯で寝技のスキルはもともと低くなかったが、総合格闘技で高いグラップリング技術を持つノゲイラ兄弟の手ほどきを受け、さらにグラップリングのスキルを磨くことで後の活躍への基盤を作った。2005年には2人から黒帯を授与されているTatame has Anderson Silva Interview LOCKFLOW.com 2006年8月9日。

2005年8月5日、ミノタウロことアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが地元で主催した大会「ミノタウロ・ファイト」でボクシング戦を行い、KO勝ちを収めている。

2006年

2006年1月20日、Rumble on the Rock 8のウェルター級(79 kg)トーナメント1回戦で岡見勇信と対戦。優勢に試合を進めておきながらグラウンド状態の岡見に対して、ペダラーダ(グラウンドでの下からの顔面蹴り上げ)を放ってしまい反則で失格負けとなった。

UFC

2006年6月28日、UFC初参戦となったUltimate Fight Night 5でクリス・リーベンと対戦。パンチのコンビネーションでダウンを奪うと、立ち上がったリーベンに首相撲からの右膝蹴りで再びダウンを奪い開始49秒のKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞したMMA Knockout of the Day: Anderson Silva KO's Iron Chin Chris Leben Bleacher Report 2011年8月3日Anderson Silva vs. Chris Leben TAPOLOGY 2006年6月28日。

UFC世界王座獲得

2006年10月14日、UFC 64のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者リッチ・フランクリンに挑戦。首相撲で終始コントーロールし膝蹴りの連打で1RKO勝ち。UFC参戦2戦目にして王座獲得に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞したUFC 64 :: Rich Franklin vs. Anderson Silva CHRON 2006年10月14日5 fighters who had a quick path to a UFC title shot Sportskeeda 2021年5月3日。

2007年

2007年2月3日、UFC 67でトラヴィス・ルターと対戦。三角絞めを極めながらの肘打ち連打で2R一本勝ち。なお、この試合はUFC世界ミドル級タイトルマッチとなるはずだったが、ルターの体重超過でノンタイトルマッチに変更されたUFC 67: SILVA, “RAMPAGE” AND “CRO COP” TRIUMPHANT - SILVA, “RAMPAGE” AND “CRO COP” Sherdog 2007年2月4日。

2007年7月7日、UFC 73のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ネイサン・マーコートと対戦。シングルレッグのテイクダウンを狙うマーコートにスイッチから逆に左脚を取ってテイクダウンを奪い、すかさずパウンドで1RTKO勝ち。王座の初防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞したAnderson Silva vs. Nate Marquardt TAPOLOGY 2007年7月7日。

2007年10月20日、UFC 77のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者リッチ・フランクリンと再戦。1R終盤に右フックでダウンで奪うと、2Rにダメージの残るフランクリンからクリンチからの右フックで再びダウンを奪い、最後は打撃のコンビネーションからの膝蹴りでTKO勝ち。2度目の王座防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞したAnderson Silva vs. Rich Franklin II TAPOLOGY 2007年10月20日。

2008年

2008年3月1日、UFC 82のUFC世界ミドル級タイトルマッチでPRIDEウェルター級(83 kg)王者ダン・ヘンダーソンと対戦。1Rはテイクダウンを奪われグラウンドのポジショニングで劣勢に立たされるも、2Rにテイクダウンを防ぐと打撃で形勢を逆転し、下になったヘンダーソンからバックを奪いそのままリアネイキドチョークを極めて一本勝ち。3度目の王座防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトおよびサブミッション・オブ・ザ・ナイトを同時受賞したSilva, Henderson and Leben Earn "Fight Night" Bonuses MMA Junkie 2008年3月2日。なお、この試合によってPRIDEウェルター級王座はUFC世界ミドル級王座に併合された。

2008年7月19日、でジェームス・アーヴィンとライトヘビー級契約で対戦。アーヴィンの右ミドルキックをキャッチした状態から右ストレートでダウンを奪い、パウンドで開始61秒のKO勝ちUFC Fight Night 14 play-by-play and official results MMA Junkie 2008年7月19日。

2008年10月25日、UFC 90のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者パトリック・コーテと対戦。優勢に試合を進める中、3Rに突如コーテが右膝を脱臼し続行不能となりTKO勝ち。4度目の王座防衛に成功したSilva's apology for UFC 90 anitcs was appropriate Chicago Sun Times 2008年10月27日。

2009年

2009年4月18日、UFC 97のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ターレス・レイチと対戦し、3-0の5R判定勝ち。5度目の防衛に成功するとともに、UFC9連勝を達成し、それまでホイス・グレイシーの保持していたUFC最多連勝記録を更新した。しかし積極性に欠ける試合運びとなったため、会場からはブーイングが沸き起こり、UFC代表のダナ・ホワイトからも、「今も彼がパウンド・フォー・パウンド最強の男だと信じている」としつつ、試合のパフォーマンスを「恥ずかしい」と批判されたAnderson Silva's Inconvienient Victory MMA Blitz Corner 2010年6月29日。

2009年8月8日、UFC 101で1階級上の元UFC世界ライトヘビー級王者フォレスト・グリフィンとライトヘビー級契約で対戦。階級差をものともせずノーガードで挑発しながら、グリフィンの攻撃を見切りスウェーとダッキングで避けつつ、パンチで2度のダウンを奪い、最後はバックステップでパンチをかわしながらカウンターの右ストレート一撃でグリフィンを大の字にし1RKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトおよびノックアウト・オブ・ザ・ナイトを同時受賞したUFC 101 bonuses: B.J. Penn and Forrest Griffin take $60K, Anderson Silva earns $120K MMAjunkie 2009年8月9日。

2010年

2010年4月10日、UFC 112のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者デミアン・マイアと対戦し、終始優勢に試合を進めて、3-0の5R判定勝ち。この勝利により、ティト・オーティズとマット・ヒューズが保持していたUFC最多防衛記録を更新する6度目の王座防衛に成功したが、試合中のマイアに対する度重なる挑発行為と、後半の消極的な試合運びに対して、試合終了後まで会場からブーイングが沸き起こった【UFC112】アンデウソンに不満爆発、ブーイング鳴りやまず MMAPLANET 2010年4月11日。UFC代表のダナ・ホワイトは、試合中にベルトをシウバのマネージャーに渡してケージサイドから去り、試合後の記者会見でシウバのパフォーマンスを痛烈に批判したUFC President Dana White Embarrassed by Anderson Silva Sports Gather 2010年4月11日。

2010年8月7日、UFC 117のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者チェール・ソネンと対戦。腰を負傷していたためか、試合では終始多くの場面で有利なポジションを許し、またダウンを喫するなど苦戦を強いられ、4Rまでのジャッジの採点で大差(34-40、36-40、35-40)をつけられ負けていたが、5Rに下から腕ひしぎ三角固めを極めて大逆転の一本勝ち【UFC117】残り110秒の大逆転劇、アンデウソン防衛成功 MMAPLANET 2010年8月8日。7度目の防衛に成功するとともに、ファイト・オブ・ザ・ナイトとサブミッション・オブ・ザ・ナイトを同時受賞したUFC 117 bonuses: Struve, Silva, Sonnen and Hughes earn $60,000 fighter awards MMAjunkie 2010年8月8日。

2011年

2011年2月5日、UFC 126のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ビクトー・ベウフォートと対戦。1R中盤に左前蹴りでダウンを奪い追撃のパウンドでKO勝ち。8度目の王座防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した【UFC126】アンデウソンが前蹴りで一撃、ヴィトー退ける MMAPLANET 2011年2月6日。

2011年8月27日、ブラジルで開催されたUFC 134のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者岡見勇信と再戦。2Rに岡見のパンチをノーガードでかわすとカウンターの右ジャブでダウンを奪い、さらに右フックで再びダウンを奪って追撃のパウンドでTKO勝ち。9度目の王座防衛に成功した。

2012年

2012年7月7日、UFC 148のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者チェール・ソネンと再戦。1Rは前回と同じく開始早々テイクダウンを奪われ、マウントポジションまで許すも、2Rにスピニングバックエルボーを外し尻餅をついたソネンにボディーへの右膝蹴りを浴びせ、パウンドで攻め立てると、立ち上がったソネンに右ストレートでダウンを奪いパウンドでTKO勝ちシウバ、TKOで10度目防衛成功/UFC nikkansports.com 2012年7月8日。UFC最多防衛記録を更新する10度目の防衛を果たし、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。試合後には、トラッシュトークを浴びせられた因縁の相手であるソネンと握手を交わし、肩を組みながらマイクアピールを行った。

2012年10月13日、ブラジルで開催されたUFC 153でステファン・ボナーとライトヘビー級契約で対戦。自らケージ際に下がりノーガードでボナーのパンチをかわす余裕を見せつけた後、足払いで下がったボナーにすかさずボディーへの膝蹴りでダウンを奪い、パウンドを浴びせ1RTKO勝ちアンデウソンが貫録の1RTKO勝利 ノゲイラは一本勝ちで復活アピール sportsnavi.com 2012年10月13日。この勝利で、UFC最多連勝記録を更新する16連勝を達成した。

2013年

世界王座陥落

2013年7月6日、UFC 162のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング1位の挑戦者クリス・ワイドマンと対戦。激しく挑発を繰り返すも、2Rに左フックをスウェーでかわしきれずダウンを奪われ、追撃のパウンドでキャリア初のKO負け。約7年間、防衛回数10度に渡って守り続けてきたUFC世界ミドル級王座から陥落した。ブラジルではこの試合を大手地上派テレビ局のヘジ・グローボが録画で放送して約2400万人が視聴した ブラジルのMMA記者のツイッター 2013年7月9日。

2013年12月28日、UFC 168で王者クリス・ワイドマンにダイレクトリマッチで挑戦。2Rに放った左ローキックがワイドマンの膝に直撃し、シウバの脛骨と腓骨を完全に骨折。レフェリーに試合続行不可能とみなされTKO負けを喫し、王座奪還に失敗した。後日骨折の手術を受けるが、シウバが執刀医に最初に尋ねた質問は「いつトレーニングに復帰できるんだ?」であった ダナ・ホワイトのツイッター 2013年12月30日。別の日には「タイトルを再び手にするまで、引退するつもりはない」と復帰の強い意志を語ったAnderson Silva: I won’t stop fighting until I get my title back MMA Fighting 2014年9月27日。

2015年

2015年1月31日、1年1か月ぶりの復帰戦となったUFC 183でニック・ディアスと対戦し、3-0の5R判定勝ちを収めた。試合後、試合前に行われていた薬物検査から禁止薬物のステロイドの一種であるドロスタノロンとアンドロスタンの陽性反応が検出されたことが発表されUFC confirms Anderson Silva tests positive for steroids, Nick Diaz pops for marijuanaMMA Junkie 2015年2月3日Anderson Silva, Nick Diaz both fail UFC 183 drug screensYahoo.Spors 2015年2月4日、さらに後日、試合当日に行われた薬物検査でもドロスタノロンと不安障害や不眠の治療に使われる禁止薬物のオキサゼパムとテマゼパムの陽性反応が検出されたことが発表されたSilva also failed UFC 183 pre- and post-fight drug tests MMAjunkie 2015年2月28日Anderson Silva fails 2nd drug testESPN 2015年2月18日。これを受けてシウバは決まっていたTUFブラジル・シーズン4のコーチ役を降板しているBR04】アンデウソン・シウバ、TUFブラジル・シーズン04を降板。ミノタウロがコーチに就任 MMAPLANET 2015年2月10日。2015年8月の公聴会でシウバは、ドロスタノロンについて「性機能増進目的で服用したサプリメントに本来含まれているはずのないステロイドが混入していた」と潔白を主張し、オキサゼパムとテマゼパムについては、試合前夜に抗不安薬と睡眠薬としてベンゾジアゼピンを服用したことを認めたがSilva suspended one year for failed UFC 183 drug tests MMAFighting 2015年8月13日、ネバダ州アスレチック・コミッションはシウバの答弁を却下して1年間の出場停止と38万ドルの罰金処分を科し、試合結果もノーコンテストに変更したSTATEMENT ON ANDERSON SILVA UFC 2015年2月4日。

2015年4月、テコンドーでリオデジャネイロオリンピック出場を表明。しかし、6月10日、ドーピング違反の処分取り下げを求める訴訟の準備に専念するために五輪出場を断念する事を発表した 日刊スポーツ 2015年5月8日元UFC王者シウバ、テコンドーでの五輪挑戦を断念 日刊スポーツ 2015年6月10日。

2016年

2016年2月27日、1年1か月ぶりの復帰戦となったでミドル級ランキング7位のマイケル・ビスピンと対戦。3R終盤に飛び膝蹴りでダウンを奪ったものの、0-3の5R判定負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2016年7月9日、UFC 200でジョン・ジョーンズの代役として大会2日前のオファーを受けてUFC世界ライトヘビー級王者ダニエル・コーミエとライトヘビー級契約で対戦Anderson Silva replaces Jon Jones for UFC 200 bout against Daniel Cormier The Guardian 2016年7月8日【UFC】大会まであと2日、元王者アンデウソン・シウバが緊急参戦決意 efight 2016年7月8日。左ミドルキックを効かせプレッシャーをかける場面があったものの、テイクダウンを切れずグラウンドで劣勢となり0-3の判定負けDaniel Cormier defeats Anderson Silva by unanimous decision ESPN 2016年7月10日。

2017年

2017年2月11日、UFC 208でミドル級ランキング8位のデレク・ブランソンと対戦し、約4年半ぶりの勝利となる3-0の判定勝ちを収めたAnderson Silva outpoints Derek Brunson at UFC 208 ABC News 2017年2月12日。

2017年11月10日、米アンチ・ドーピング機構(USADA)が10月26日に実施した競技外の抜き打ち検査でシウバにアンチ・ドーピング規則違反(禁止薬物のメチルテストステロン代謝物とヒドロクロロチアジドの陽性反応)があったと発表【UFC】元絶対王者アンデウソンがまたも禁止薬物違反eFight 2017年11月11日。2018年7月18日、USADAは、シウバに陽性反応が検出された時に摂取していたサプリメントを提出させ、その中から禁止薬物が入っていた栄養サプリメントを特定して、シウバがその栄養サプリメントを購入していたブラジルの調剤薬局から独自に複数のサプリメントを入手し分析した結果、アナボリックステロイドや利尿薬が混入したいくつかの汚染サプリメントを確認したことを発表した。これによりアンチ・ドーピング規則違反が汚染サプリメントによるものと認められたシウバは出場停止期間が短縮され1年間の出場停止処分を受けたAnderson Silva receives one-year suspension by USADA for contaminated supplement, eligible to return in NovemberMMA Fighting 2018年7月18日Anderson Silva Accepts Sanction for Violation of UFC Anti-Doping PolicyUSADA 2018年7月18日Anderson Silva Receives 1-Year USADA Suspension for Contaminated Supplement 2018年7月18日。

2019年

2019年2月10日、2年ぶりの復帰戦となったUFC 234でミドル級ランキング6位のイスラエル・アデサンヤと対戦。スウェーやダッキングで打撃をかわすなど全盛期さながらの動きを見せ、時折パンチをヒットさせるなど健闘するも、0-3の判定負けUFC 234 Results: Israel Adesanya Beats Anderson Silva by Unanimous Decision Bleacher Report 2019年2月10日。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。当初、同大会のメインイベントはロバート・ウィテカーとケルヴィン・ガステラムのUFC世界ミドル級タイトルマッチが予定されていたが、ウィテカーが腹壁ヘルニアで大会当日に欠場したため、アデサンヤとシウバの試合が同大会のメインイベントにスライドされる形となったUFC 234 loses headline fight hours before show as Robert Whittaker pulls out with hernia USA Today 2019年2月9日。

2019年5月12日、UFC 237でミドル級ランキング10位のジャレッド・キャノニアと対戦。1R終盤に右インローキックを受けた際に「破壊されたと言われるほどの威力」で右膝を負傷してダウンし、そのまま起き上がれずTKO負けUFC 237 results: Jared Cannonier buckles Anderson Silva's knee with kick, wins by TKO MMA Junkie 2019年5月12日。

2020年

2020年10月31日、でミドル級ランキング10位のユライア・ホールと対戦し、4Rに右フックでダウンを奪われ、パウンドでTKO負けAnderson Silva stopped by Uriah Hall at UFC Fight Night, won't say MMA career over ESPN 2020年10月31日。

2020年11月19日、UFCからリリースされたUFC parts ways with former middleweight champion Anderson Silva, Dana White confirms releaseMMAFighting 2020年12月19日。

2021年

ボクシング復帰

2021年6月19日、約16年ぶりのボクシング復帰戦で元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニアと対戦し、8回2-1(77-75、75-77、77-75)の判定勝ちを収めたAnderson Silva pulls off upset to beat Julio Cesar Chavez Jr. by split decision in return to boxing MMA Fighting 2021年6月20日UFC legend Anderson Silva stuns Julio Cesar Chavez Jr. to take split decision victory CBS Boxing 2021年6月20日。この試合は182ポンド契約であったが、チャベスが前日の計量で2.4ポンドの体重超過をしたため、ファイトマネーから10万ドルをシウバに譲渡する条件で行われた。なお、ジャッジ3人のうち1人が77-75でチャベス勝利に付けたが、合計打撃数ではシウバ392発、チャベス153発とシウバが倍以上の差を付けたAnderson Silva Shocks Julio Cesar Chavez Jr, Boxes To Split Decision Win Boxing Scene 2021年6月20日。

2021年9月11日、フロリダ州マイアミのセミノール・ハード・ロック・ホテル & カジノで元UFC世界ライトヘビー級王者ティト・オーティズと対戦し、プレッシャーをかけるオーティズにカウンターの右フックをヒットさせ追撃の左フックで1回KO勝ちAnderson Silva stuns Tito Ortiz with wild first round KO yahoo!sports 2021年9月12日。この試合は195ポンド契約であったが、オーティズが前日の計量で5ポンドの体重超過をしたため、ファイトマネーの20%をシウバに譲渡する条件で行われたHolyfield vs. Belfort weigh-in results: Tito Ortiz misses 195-pound mark MMA Fighting 2021年9月10日。

2022年

2022年10月29日、アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナでYouTuberのジェイク・ポールと187ポンド契約で対戦。互角の展開を繰り広げるも、8回に右ストレートでダウンを奪われ8回0-3(74-77、73-78×2)の判定負け。

2023年

2023年3月18日、UFC 286でシウバのUFC殿堂入りが発表された。

人物・エピソード

戦績

総合格闘技

プロボクシング

エキシビションボクシング

キックボクシング

獲得タイトル

  • 第5代修斗ミドル級王座(2001年)
  • 第2代Cage Rage世界ミドル級王座(2004年)
  • 第5代UFC世界ミドル級王座(2006年)

表彰

  • UFC
    • ファイト・オブ・ザ・ナイト(5回)
    • ノックアウト・オブ・ザ・ナイト(7回)
    • サブミッション・オブ・ザ・ナイト(2回)
    • UFC殿堂入り(2023年)
  • Sports Illustrated
    • ファイター・オブ・ザ・イヤー(2008年)
  • ESPN
    • ノックアウト・オブ・ザ・イヤー(2011年/ビクトー・ベウフォート戦)
  • SHERDOG
    • ビートダウン・オブ・ザ・イヤー(2009年)
    • SHERDOG 殿堂入り(2014年)

ペイ・パー・ビュー販売件数

開催年月日 イベント 販売件数 備考
2015年1月31日65万件
2013年12月28日102万5千件
2013年7月6日55万件
2012年10月13日41万件
2012年7月7日92万5千件
2011年8月27日33万5千件
2011年2月5日72万5千件
2010年8月7日60万件
2010年4月10日50万件
2009年8月8日85万件セミファイナルに出場
2009年4月18日65万件
2008年10月25日30万件
2008年3月1日32万5千件
2007年10月20日32万5千件
2007年7月7日42万5千件
2007年2月3日35万件
2006年10月14日30万件

出演

CM

  • NIKE
  • バーガーキング
  • ヴィーヴォ
  • バドワイザー
  • フォード・モーター
  • ホンダ
  • フィリップス
  • ルノー

映画

  • Like Water(2011年)
  • Tapped Out(2014年)
  • 無敵のドラゴン(2019年)

関連項目

  • 男子総合格闘家一覧
  • プロ修斗選手一覧
  • 修斗世界王者一覧
  • Cage Rage王者一覧
  • PRIDE選手一覧
  • UFC王者一覧
  • UFC選手一覧

外部リンク

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