ルー・ドナルドソン : ウィキペディア(Wikipedia)

ルー・ドナルドソンLou Donaldson、1926年11月1日 - 2024年11月9日)は、アメリカ合衆国のジャズ・サクソフォーン奏者。ビバップやハード・バップ、ソウル・ジャズのジャンルで演奏している。

ソウルやブルース寄りの演奏で知られるが、形成期には、多くのミュージシャンと同じくチャーリー・パーカーから大きな影響を受け、バップ寄りの演奏様式を採っていたAllmusic Biography

経歴

1926年11月1日、ノースカロライナ州のバディンに生まれる。

1940年代初めにノースカロライナ州立農工大学(North Carolina Agricultural and Technical State University)に入学。第2次世界大戦で海軍に従軍しシカゴで訓練を受けた際に、クラブでビバップを知る。戦後ノースカロライナ州グリーンズボロに戻り、海軍従軍経験のある州立農工大学の学生と「Rhythm Vets」というグループを組み音楽活動を開始。「Pitch a Boogie Woogie」と言う劇映画の音楽録音を担当。

ドナルドソン自身の最初の録音は、1950年のチャーリー・シングルトン・オーケストラと行ない、その後1952年にミルト・ジャクソンやセロニアス・モンクといったバップの使者とともに録音The Hard Bop Homepage、1953年には、トランペットのヴィルトゥオーソのクリフォード・ブラウンやドラマーのフィリー・ジョー・ジョーンズとも録音を行なっている。トランペッターのブルー・ミッチェルやピアニストのホレス・シルヴァー、ドラマーの アート・ブレイキーといった錚々たる顔触れのジャズ・ミュージシャンを率いて、いくつかの小編成のグループを組んだ。アート・ブレイキー・クィンテットのメンバーとして、同グループの最も名高いアルバム『バードランドの夜 Vol.1』の録音にも加わっている。

ドナルドソンはビバップやハード・バップ、ソウル・ジャズのジャンルで録音を行なった。長年にわたってパートナーのピアニストはハーマン・フォスターが務めた。

2012年10月にノースカロライナ音楽の殿堂入りし、2012年にはNEA(National Endowment for the Arts)からアメリカ合衆国におけるジャズ界の最高栄誉とされる、2013年NEAジャズ・マスターズを受賞。

2016年、90歳で現役を引退。

2024年11月9日に死去。98歳没。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム

  • New Faces New Sounds (Lou Donaldson Quintet/Quartet) (1952年、Blue Note) ※10インチLP
  • New Faces New Sounds (Lou Donaldson/Clifford Brown Quintet) (1953年、Blue Note) ※10インチLP
  • Lou Donaldson Sextet, Vol. 2 (1954年、Blue Note) ※10インチLP
  • 『ルー・ドナルドソン・カルテット・クインテット・セクステット』 - Quartet/Quintet/Sextet (1957年、Blue Note) ※1954年録音。旧邦題『ハードバップ・セッションズ』
  • 『ウェイリング・ウィズ・ルー』 - Wailing With Lou (1957年、Blue Note)
  • 『スイング・アンド・ソウル』 - Swing and Soul (1957年、Blue Note)
  • 『ルー・テイクス・オフ』 - Lou Takes Off (1957年、Blue Note)
  • 『ブルース・ウォーク』 - Blues Walk (1958年、Blue Note)
  • 『LD+3』 - LD + 3 (Lou Donaldson with The Three Sounds) (1959年、Blue Note) ※with ザ・スリー・サウンズ
  • 『ザ・タイム・イズ・ライト』 - The Time Is Right (1959年、Blue Note)
  • 『ライト・フット』 - Light-Foot (1960年、Blue Note) ※1958年録音
  • 『サニー・サイド・アップ』 - Sunny Side Up (1960年、Blue Note)
  • 『ヒア・ティス』 - Here 'Tis (1961年、Blue Note)
  • 『グレイヴィー・トレイン』 - Gravy Train (1961年、Blue Note)
  • 『ザ・ナチュラル・ソウル』 - The Natural Soul (1962年、Blue Note)
  • 『グッド・グレイシャス』 - Good Gracious! (1963年、Blue Note)
  • 『シグニファイン』 - Signifyin' (1963年、Argo)
  • 『ポッサム・ヘッド』 - Possum Head (1964年、Argo)
  • Cole Slaw (1964年、Argo)
  • 『ラフ・ハウス・ブルース』 - Rough House Blues (1964年、Cadet)
  • Musty Rusty (1965年、Argo)
  • 『風に吹かれて』 - Blowing in the Wind (1966年、Cadet)
  • Lou Donaldson at His Best (1966年、Cadet)
  • 『スウィート・スランバー』 - Sweet Slumber (1967年、Blue Note) ※日本以外では『Lush Life』として発売
  • 『アリゲイター・ブーガルー』 - Alligator Bogaloo (1967年、Blue Note)
  • 『Mr.シンガリン』 - Mr. Shing-A-Ling (1967年、Blue Note)
  • 『ミッドナイト・クリーパー』 - Midnight Creeper (1968年、Blue Note)
  • 『セイ・イット・ラウド!』 - Say It Loud! (1968年、Blue Note)
  • 『ホット・ドッグ』 - Hot Dog (1969年、Blue Note)
  • 『フライド・バザード』 - Fried Buzzard (1970年、Cadet) ※1965年ライブ録音
  • 『エヴリシング・アイ・プレイ・イズ・ファンキー』 - Everything I Play Is Funky (1970年、Blue Note)
  • 『プリティ・シングス』 - Pretty Things (1970年、Blue Note)
  • 『コスモス』 - Cosmos (1971年、Blue Note)
  • 『ソフィスティケイテッド・ルー』 - Sophisticated Lou (1972年、Blue Note/UA)
  • 『サッシー・ソウル・ストラット』 - Sassy Soul Strut (1973年、Blue Note/UA)
  • 『スイート・ルー』 - Sweet Lou (1974年、Blue Note/UA)
  • A Different Scene (1976年、Cotillion)
  • Color as a Way of Life (1977年、Cotillion)
  • 『ミッドナイト・サン』 - Midnight Sun (1980年、Blue Note/UA) ※1960年録音
  • 『ファイン・アンド・ダンディ』 - Fine And Dandy Live In Digital Recording (1980年、LDR Digital Recording) ※with レッド・ガーランド
  • 『スウィート・パパ・ルー』 - Sweet Poppa Lou (1981年、Muse)
  • 『フォーゴトン・マン』 - Forgotten Man (1982年、Timeless) ※旧邦題『Mr.ファンキー・マン』
  • Back Street (1982年、Muse)
  • 『ライヴ・イン・ボローニャ』 - Live in Bologna (1986年、Timeless) ※1984年ライブ録音。旧邦題『ファンキー・マン・ライヴ』
  • 『プレイ・ザ・ライト・シング』 - Play the Right Thing (1990年、Milestone)
  • 『バードシード』 - Birdseed (1992年、Milestone)
  • Caracas (1993年、Milestone)
  • The Scorpion: Live At The Cadillac Club (1995年、Blue Note/EMI) ※1970年録音
  • Sentimental Journey (1995年、Columbia)
  • 『ア・マン・ウィズ・ア・ホーン』 - A Man With a Horn (1999年、Blue Note/EMI) ※1961年録音
  • 『ライヴ・オン・ザ・QE2〜リラクシング・アット・シー』 - Relaxing at Sea: Live on the QE2 (1999年、Chiaroscuro)

コンピレーション・アルバム

  • Ha' Mercy (1971年、Cadet)
  • The Best of Lou Donaldson: Signifyin' (1991年、Affinity/Charly)
  • The Best of Lou Donaldson, Volume 1: (1957-1967) (1993年、Blue Note/EMI)
  • The Righteous Reed! The Best of Poppa Lou (1994年、Blue Note/EMI)
  • The Best of Lou Donaldson, Vol. II: The Blue Note Years (1996年、Blue Note/EMI)
  • Blue Breakbeats (1998年、Blue Note/EMI)
  • The Artist Selects (2005年、Blue Note/EMI)
  • 『ベスト・オブ・ルー・ドナルドソン ブルーノート・イヤーズ』 - The Blue Note Years (2009年、Blue Note)

参加アルバム

ジーン・アモンズ

  • 『ウーフィン&トゥイーティン』 - All Star Sessions (1956年、Prestige) ※1950年-1955年録音

アート・ブレイキー

  • 『バードランドの夜 Vol.1』 - A Night at Birdland Vol. 1 (1954年、Blue Note)
  • 『バードランドの夜 Vol.2』 - A Night at Birdland Vol. 2 (1954年、Blue Note)
  • 『バードランドの夜 Vol.3』 - A Night at Birdland Vol. 3 (1954年、Blue Note)

クリフォード・ブラウン

  • 『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』 - Memorial Album (1953年、Blue Note)

ミルト・ジャクソン

  • All Star Bags (1953年、Prestige)

セロニアス・モンク

  • 『ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック』 - Genius of Modern Music (1952年、Blue Note)

ジミー・スミス

  • 『ア・デイト・ウィズ・ジミー・スミスVol.1』 - A Date with Jimmy Smith Volume One (1957年、Blue Note)
  • 『ア・デイト・ウィズ・ジミー・スミスVol.2』 - A Date with Jimmy Smith Volume Two (1957年、Blue Note)
  • 『ジミー・スミス・トリオ+L.D.』 - Jimmy Smith Trio + LD (1957年、Blue Note)
  • 『ハウス・パーティ』 - House Party (1958年、Blue Note)
  • 『ザ・サーモン!』 - The Sermon! (1958年、Blue Note)
  • 『クール・ブルース』 - Cool Blues (1958年、Blue Note)
  • 『ロッキン・ザ・ボート』 - Rockin' the Boat (1963年、Blue Note)
  • 『コンファメーション』 - Confirmation (1979年、Blue Note) ※1957年-1958年録音

出典

外部リンク

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