トニー・マクナマラ : ウィキペディア(Wikipedia)
トニー・マクナマラ(Tony McNamara, 1967年 - )は、オーストラリアの劇作家、脚本家、テレビプロデューサーである。
人物
ヨルゴス・ランティモス監督の映画『女王陛下のお気に入り』(2018年)と『哀れなるものたち』(2023年)の脚本を書いたことで知られ、前者によりと共にアカデミー脚本賞にノミネートされた。またテレビではコメディドラマシリーズ『THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜』(2020年-2023年)を企画した。
生い立ちと教育
トニー・マクナマラは1967年にビクトリア州で生まれ、で教育を受けた。マクナマラはケータリング業と金融業を経て、ローマを訪れたことをきっかけに作家を志した。彼はRMIT大学で著述、で脚本を学んだ。
キャリア
様々なテレビ番組のエピソードや舞台劇の脚本を手がけた後、2003年にマクナマラは自らの舞台作品『The Café Latte Kid』を翻案した映画『The Rage in Placid Lake』で映画監督デビューした。その後もオーストラリアで『The Secret Life of Us』、『Love My Way』、『Tangle』、『Puberty Blues』といったテレビ作品の脚本を手がけた。
2015年、マクナマラはミッキー・ローク、サラ・シルバーマン、エマ・ロバーツが出演するコメディドラマ『Ashby』で2本目の長編映画監督を務めた。その1年後、彼は医療ドラマ『Doctor Doctor』でテレビに復帰した。
2018年にはエマ・ストーン出演の歴史コメディドラマ映画『女王陛下のお気に入り』を監督のヨルゴス・ランティモスと共同執筆し、批評的に成功した。これはもともとは公開の20年前にによって書かれた脚本であったが、ランティモスとマクナマラが協力して最終稿を完成させた。
マクナマラはエル・ファニングとニコラス・ホルトが出演するエカチェリーナ大帝の生涯を描いたテレビシリーズ『THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜』を企画し、2020年5月15日よりHuluで配信開始された。この作品は2008年にで初演されたエカチェリーナ大帝についての戯曲を基にしている。マクナマラはこの戯曲の映画脚本にも取り組んでいる。
マクナマラはランティモスと再び組んで2023年の映画『哀れなるものたち』の脚本を執筆し、エマ・ストーンも再び主演を務めた。
私生活
マクナマラは初婚の相手とのあいだに子供がいる。2009年にオーストラリアの女優のと再婚した。夫婦は子供を2人もうけている。
フィルモグラフィ
Film
年 | 作品 | クレジット | 備考 |
---|---|---|---|
1995 | The Beat Manifesto | 脚本 | 短編映画 |
2003 | The Rage in Placid Lake | 監督・脚本 | |
2015 | Ashby | 監督・脚本 | |
2018 | 女王陛下のお気に入りThe Favourite | 脚本・製作総指揮 | と共同脚本 |
2021 | クルエラCruella | 脚本 | と共同脚本 |
2023 | 哀れなるものたちPoor Things | 脚本 |
テレビ
年 | 作品 | 備考 |
---|---|---|
1993 | All Together Now | 脚本: 第4シーズン第30話「Your Cheatin' Heart」 |
1997 | Big Sky | 計3話脚本 |
2001-2005 | The Secret Life of Us | 計12話脚本 |
2004-2007 | Love My Way | 計7話脚本 |
2008 | Echo Beach | 計2話脚本 |
Moving Wallpaper | 脚本: 第1シーズン第9話 | |
Rush | 脚本: 第1シーズン第8話 | |
2009-2012 | Tangle | 計7話脚本 |
2010-2011 | Spirited | 計3話脚本 |
2011 | Offspring | 脚本: 第2シーズン第11話「Complications」 |
2012-2014 | Puberty Blues | 計7話脚本 |
2016-2021 | Doctor Doctor | 企画計15話脚本計30話製作 |
2020-2023 | THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜The Great | 企画・製作総指揮計27話脚本 |
受賞とノミネート
年 | 賞 | 部門 | 候補作品 | 結果 |
---|---|---|---|---|
1995 | 短編映画脚本賞 | The Beat Manifesto | ||
2003 | オーストラリア・コメディ賞 | コミック脚本賞 | The Rage in Placid Lake | |
脚色賞 | ||||
オーストラリア映画批評家協会賞 | 脚色賞 | |||
メルボルン国際映画祭 | 人気長編映画賞 | |||
2007 | テレビシリーズ脚本賞 | Love My Way | ||
2013 | Puberty Blues | |||
2014 | テレビシリーズ脚本賞 | |||
2015 | オリジナル映画脚本賞 | Ashby | ||
2018 | アカデミー賞 | 脚本賞 | 女王陛下のお気に入り | |
アトランタ映画批評家協会賞 | 脚本賞 | |||
英国アカデミー賞 | オリジナル脚本賞 | |||
脚本賞 | ||||
ゴールデングローブ賞 | 脚本賞 | |||
インディアナ映画ジャーナリスト協会 | オリジナル脚本賞 | |||
ロサンゼルス・オンライン映画批評家協会 | オリジナル脚本賞 | |||
デトロイト映画批評家協会 | オリジナル脚本賞 | |||
ゴッサム・インディペンデント映画賞 | ||||
2020 | プライムタイム・エミー賞 | THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜 |
参考文献
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/02/07 12:33 UTC (変更履歴)
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