デビッド・ロバートソン : ウィキペディア(Wikipedia)

デビッド・アラン・ロバートソンDavid Alan Robertson, 1985年4月9日 - )は、アメリカ合衆国アラバマ州バーミングハム出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。MLBのテキサス・レンジャーズ所属。愛称はディーロブD-RobYanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧。

兄のもMLBでプレー経験がある。

経歴

プロ入りとヤンキース時代

のMLBドラフト17巡目(全体524位)でニューヨーク・ヤンキースから指名を受け、8月21日に契約した。

は、マイナーの3チーム合計で84.1イニングを投げ、8勝3敗4セーブ、防御率0.96。114三振に対し45安打しか許さなかった。

は、マイナーの2チームで投げ、合計53.2イニングで4勝0敗3セーブ、防御率1.68。ここでも77三振に対し28安打しか許さなかった。6月28日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースからメジャー昇格を果たしたが、防御率は6.31と結果を残せず、8月28日に再びAAA級スクラントン・ウィルクスバリへ降格した。9月13日に再びメジャーに昇格した。

は、開幕をAAA級スクラントン・ウィルクスバリで迎えたが、ゼイビア・ネイディの15日間の故障者リスト入りに伴い、4月16日にメジャーに昇格した。翌日、ホアン・ミランダのロースター枠を空けるために再びAAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格し、5月29日に再びメジャーに昇格した。最終的な成績は43.2イニングで奪三振63(奪三振率12.97)という数字を記録し、飛躍を遂げた。

は、前年を上回る64試合に登板した。防御率はやや悪化したが、61.1イニングで71奪三振を奪った。奪三振率は10.42という数値を記録し、メジャーデビューから3年連続で10.00以上の奪三振率を記録し続けた。

は、マリアノ・リベラに繋ぐセットアッパーとして防御率1.08、奪三振率13.50という驚異的な成績を記録。サイ・ヤング賞とアメリカンリーグMVPの投票でも救援投手として唯一得票を得た。

は、シーズン当初にリベラが故障したため一時期クローザーを務めたが、左脇腹痛で故障者リスト入り。抑えの座はラファエル・ソリアーノに譲ったが、復帰後は右のセットアッパーとして、安定した成績を残した。特に12.02という奪三振率に加え、与四球が大幅に減少したため、K/BB(奪三振/与四球)では4.38とキャリア最高の数字を残した。

1月17日にヤンキースと521万5000ドルの1年契約に合意した。スプリングトレーニング中のプレシーズン・ゲームでは7試合に登板し、6回を投げ無失点と好投した。開幕ロースター入りし、リベラの引退で空いたクローザーの座を勝ち取った。開幕後は3試合に登板し、2セーブを記録したが、4月7日に左足の付け根を痛め、15日間の故障者リスト入りした。4月22日に故障者リストから外れた。本拠地最終戦となった9月25日のボルチモア・オリオールズ戦では、5-2とリードした局面で黒田博樹の後を受けて9回表のマウンドに登った。しかし、一死一塁からアダム・ジョーンズから2点本塁打を浴びると、続くネルソン・クルーズは打ち取り二死とするものの、その次のスティーブ・ピアースに再び本塁打を浴び、追いつかれる。シーズン5度目のセーブ失敗となったが、続く9回裏にこのシーズン限りで引退を表明しているデレク・ジーターの現役最後のサヨナラ適時打が飛び出し、ロバートソンは勝利投手となった。結果として最高の幕切れを導いたセーブ失敗について、地元紙ニューヨーク・ポストの記事では「史上最高のブラウンセーブ」という見出しで書かれ、ESPNでは「良いブラウンセーブというものがあるなら、これがそれだった」と評された。この年は最終的にリーグ3位の39セーブを記録し、セーブ成功率は10セーブ以上記録した投手の中ではリーグ4位の88.6%を記録。防御率こそ3.08と前年より大幅に悪化したものの、被打率.191、WHIP1.06、奪三振率13.43はすべてキャリア2番目の記録であり、クローザー転向初年度としては充分な働きを見せた。オフの10月30日にFAとなった。

ホワイトソックス時代

2014年12月10日にシカゴ・ホワイトソックスと総額4600万ドルの4年契約を結んだ。12月16日に同時期に入団したジェフ・サマージャ、メルキー・カブレラと共に入団会見を行った。背番号は、「30」に決まった。

はクローザーとして60試合に投げ、ア・リーグ6位タイとなる34セーブを記録したが、防御率は3.41まで悪化した。

もクローザーとして起用され、前年を上回る62試合登板、リーグ4位タイとなる37セーブを記録した。しかし、防御率こそ前年とほぼ同じであったが、BB/9が1.85から4.62、WHIPが0.97から1.36と投球内容が悪化した。

はシーズン開幕前の2月9日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ合衆国代表に選出されたUSA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧。同大会では計4試合に登板し3.2イニングを1失点。3月22日の決勝プエルトリコ戦では最後の1イニングを投げ、初優勝の胴上げ投手となった。シーズンでは7月までに31試合に登板し、4勝2敗13セーブ、防御率2.70と好調を維持していた。

ヤンキース復帰

2017年7月19日にタイラー・クリッパード、、、ティト・ポロとのトレードで、トッド・フレイジャー、トミー・ケインリーと共にヤンキースへ移籍した。移籍後は主にセットアッパーとして30試合に投げ、5勝負けなし、防御率1.03、WHIP0.74とさらに圧倒的な投球を見せた。両チーム合計では61試合登板で自身最多である9勝を記録、防御率1.84、WHIP0.85と投球内容も前年から改善された。

は前年から引き続きセットアッパーとして起用され、チームトップの69試合に登板して8勝3敗5セーブ、防御率3.23、91奪三振を記録した。オフの10月29日にFAとなった。

フィリーズ時代

1月3日にフィラデルフィア・フィリーズと2年契約を結んだフィリーズ加入ロバートソン「勝つ力になりたい」日刊スポーツ 2018年1月4日掲載。シーズンでは7試合の登板にとどまり、8月に右肘のトミー・ジョン手術を受けることを発表し、のシーズンは全休となる見込みになった。

2020年オフの10月30日にFAとなった。

フィリーズ退団後

5月23日に東京オリンピック野球アメリカ大陸予選のアメリカ合衆国代表に選出された。7月2日には東京オリンピック本大会のアメリカ合衆国代表に選出された。またオリンピックに向けた調整として、独立リーグであるアトランティックリーグのと契約を結んだ。オリンピック本大会では3試合に登板した。

レイズ時代

2021年8月16日にタンパベイ・レイズとメジャー契約を結んだ。9月1日にメジャー昇格し、昇格した当日のボストン・レッドソックス戦で2年ぶりとなるメジャー登板を果たした。オフの11月3日にFAとなった。

カブス時代

3月16日にシカゴ・カブスと350万ドルの単年契約を結んだ。オプションとして最大150万ドルの出来高が含まれる。6月22日のピッツバーグ・パイレーツ戦ではメジャーで初めて打席に立ったが、ディエゴ・カスティーヨの前に空振り三振に倒れた。

フィリーズ復帰

2022年8月2日にベン・ブラウンとのトレードで、かつて所属したフィリーズへ移籍した。オフの11月6日にFAとなった。このシーズンは2チームで58試合に登板し4勝3敗20セーブ、防御率2.40という成績を収めた。ヒューストン・アストロズと対戦したワールドシリーズにも出場し、第1戦ではセーブを記録した。

メッツ時代

2022年12月9日にニューヨーク・メッツと1000万ドルの1年契約を結んだ。

マーリンズ時代

2023年7月28日にマルコ・バルガス、ロナルド・ヘルナンデスとのトレードでマイアミ・マーリンズへ移籍した。オフの11月3日にFAとなった。

レンジャーズ時代

1月26日にテキサス・レンジャーズとの契約延長オプション付きの1年契約を結んだ。

選手としての特徴

オーバースローから、最速球速96.3mph(155km/h)2011年シーズン計測。・平均92mph(148km/h)のカッターを中心に、決め球である平均82mph(132km/h)のナックルカーブ、その他に平均93mph(150km/h)のフォーシーム、平均89mph(143km/h)のチェンジアップなども使用する(2016年シーズンによる)PITCHf/x - FanGraphs.com

詳細情報

年度別投手成績

NYY25000040001.00013130.12931520366018185.341.45
4500002115.66719143.23642311636019163.301.35
64000045114.44427361.15953363717226263.821.50
700000401341.00027266.2401356110061981.081.13
65000027230.22224860.25251901811119182.671.17
70000051333.83326266.15151812771015152.041.04
63000045390.44425964.14572321960023223.081.06
CWS60000065340.54525063.14671321864027243.410.93
62000053370.62526762.15363241751024243.471.36
31000042130.66713233.12141132473010102.700.96
NYY30000050181.00013235.014212215140441.030.74
'17計61000092148.81826468.13562353987014141.840.85
69000083521.72728369.24672610911030253.231.03
PHI700000102.000336.281600600445.402.10
TB1210000002----5012.01124001600764.501.25
CHC360000301401.00016540.12341903512010102.231.04
PHI2200001363.2509923.116216103020872.701.37
'22計58000043203.57126463.23963513814018172.401.16
NYM40000042147.66717244.03151312484013102.051.00
MIA2200002443.3339721.12221211301015125.061.59
'23計620000661810.50026965.15372523785028223.031.19
MLB:15年79310006342175162.6003316804.260372330332010554942812592.901.16
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

年度球団投手(P)
試合刺殺補殺失策併殺守備率
2008NYY2513001.000
20094503001.000
20106405001.000
2011703310.857
20126541001.000
20137044001.000
20146354001.000
2015CWS6041001.000
20166246011.000
20173132001.000
NYY303110.800
'17計616310.900
2018696510.917
2019PHI710001.000
2021TB1211001.000
2022CHC3601001.000
PHI2233001.000
'22計5834001.000
2023NYM4057001.000
MIA2230001.000
'23計6287001.000
MLB793505031.971
  • 2023年度シーズン終了時

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:1回(2011年)

背番号

  • 30(2008年 - 2019年、2021年、2023年 - 同年途中)
  • 37(2022年、2024年 - )
  • 19(2023年)

代表歴

  • 2017 ワールド・ベースボール・クラシック・アメリカ合衆国代表
  • 2020年オリンピックアメリカ大陸予選野球アメリカ合衆国代表
  • 2020年オリンピック野球アメリカ合衆国代表

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 R
  • 兄弟スポーツ選手一覧
  • ワールドシリーズとワールド・ベースボール・クラシックの両方で優勝を経験した選手一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/05 17:07 UTC (変更履歴
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