西島大介 : ウィキペディア(Wikipedia)

西島 大介(にしじま だいすけ、1974年10月5日 - )は、日本の漫画家、イラストレーター、ライター、映像作家、音楽家。

東京都出身で広島県広島市育ち。既婚者で二児の父。2011年から第2の故郷である広島市に再転居中国新聞2012年7月27日中国新聞から取材をうけました|せかいまほうBLOG

概要

1990年代中盤から、「コミッカーズ」(美術出版社)などでイラストレーターとして活躍。2004年に『凹村戦争』で漫画家デビュー。以降、「SFマガジン」「ファウスト」など、サブカル系の文芸誌を仕事の舞台にしている。2015年3月に公開した映画『世界の終わりのいずこねこ』の共同脚本を手がけ、自らの手でコミカライズした同名作『世界の終わりのいずこねこ』がwebマガジン「ぽこぽこ」にて連載された世界の終わりのいずこねこ - ぽこぽこ作品紹介ページ。さらに、DJまほうつかい名義で、エレクトロニカの楽曲を発表、姫乃たまとの音楽ユニットひめとまほうとしても活動していた。

略歴

父親の仕事の関係で、各地を転々として育つ。幼稚園と中学・高校は広島育ち。広島市立井口中学校〜広島県立広島観音高校卒業後、上京。ライターの松谷創一郎は高校の同級生。

1993年 ソニー・ミュージック主催のDEPにマリオペイントで作った短編映像『SF旅行記』で入選。1997年 ウェブ上にてキョンシー・ビデオを扱った連載コラム『カムカム! キョンシーズ』を発表。1998年 MTVステーションIDコンテストに映像作品を応募し、入賞。

1999年8月 大塚ギチ、菊崎亮、コヤマシゲト、宮昌太朗とUNDERSELL ltd.設立。

2000年、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』のゲーム・ムービー『巨人以上』の、監督・シナリオ・絵コンテ・キャラクターデザインなどすべてを担当。ラップにはまる。

2003年7月31日 UNDERSELL ltd.を退社しフリーランスとしての活動を始める。

2004年、『凹村戦争』を描き下ろしで早川書房より刊行。第35回星雲賞アート部門受賞。

2009年 漫画『世界の終わりの魔法使い』シリーズの描き下ろし原稿が、出版社により紛失されたという事件の経緯を漫画化した『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』を刊行。夏に講談社BOX主催の漫画家養成企画「西島大介のひらめき☆マンガ学校」開始。

2013年、『すべてがちょっとずつ優しい世界』が第3回広島本大賞コミック部門で大賞を受賞。『すべてがちょっとずつ優しい世界』展を東京 AI KOKO GALLERYにて開催。

2018年、さやわか監修 マンガ家育成スクール「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」の“ひらめき☆プロデューサー”に就任。

2019年、西島大介プロデュース・原作によるアイドルプロジェクト「迷ゐゴ」が始動。2020年、個人電子出版レーベル「島島」を設立し、自作品の電子配信を開始。また、設立に至る経緯をエッセイ本「電子と暮らし」として刊行。

人物

  • 趣味はREPHLEXの音源収集。
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』に多大な影響を受けたことから、自身をエヴァ世代と称する。また、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』では、「無数の精子のように泳ぐ綾波」のシーンのCGモデリングを担当していた。
  • 『土曜日の実験室―詩と批評とあと何か』のインタビューでは、『凹村戦争』は岡崎京子の影響が強いと述べている。また、読売新聞の「マイヒーロー&ヒロイン」のコーナーでは、『ヘルタースケルター』のりりこについて書いたことがあった。
  • 実家は広島市にあり、2011年東日本大震災以降、同市西区へ家族で転居している。

作品リスト

単行本
  • 凹村戦争(早川書房、2004年/ハヤカワ文庫JA、2010年)
  • 世界の終わりの魔法使い(九龍COMICS、河出書房新社、2005年)
    • 恋におちた悪魔----世界の終わりの魔法使いII(河出書房新社、2006年)
    • 影の子どもたち----世界の終わりの魔法使いIII(河出書房新社、2009年)
    • 小さな王子さま----世界の終わりの魔法使いIV(KCピース、講談社、2012年)
    • 世界の終わりの魔法使い 完全版(駒草出版、2020年 - 2022年、全6巻)
  • ディエンビエンフー(ニュータイプ100%コミックス、角川書店、2005年)
    • ディエンビエンフー 0(単行本コミックス、角川書店、2014年) - 上記の再刊
    • ディエンビエンフー(IKKI COMIX、小学館、2007年 - 2017年、全12巻)
      • ディエンビエンフー(アクションコミックス、双葉社、2017年、全6巻) - 上記の再刊
    • ディエンビエンフー TRUE END(アクションコミックス、双葉社、2017年 - 2018年、全3巻)
  • 土曜日の実験室―詩と批評とあと何か(INFASパブリケーションズ、2005年)
  • アトモスフィア 上・下(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、早川書房、2006年)
  • All aboutマンガっち(INFASパブリケーションズ、2007年)
  • アトムちゃん(角川書店、2009年)
  • 魔法なんて信じない。でも君は信じる。(大谷能生の論考を付属、太田出版、2009年)
  • I Care Because You Do(KCピース、講談社、2012年)
  • すべてがちょっとずつ優しい世界(KCピース、講談社、2012年)
  • Young, Alive, in Love(ヤングジャンプコミックスDIGITAL、集英社、2013年 - 2014年、全3巻)
  • All those moments will be lost in time(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション、早川書房、2013年)
  • 夏の彗星 西島大介コミックス未収録作品集(単行本コミックス、角川書店、2014年) - 以下の作品を収録(掲載順)
    • 夏の彗星(『新現実』Vol.3、角川書店、2004年)
    • サーフィン・オン・サイン・ウェーブ(『新現実』Vol.1、角川書店、2002年)
    • ジョージ・アダムスキー連続体(早川書房『S-Fマガジン』2003年7月号)
    • 宇宙(そら)色のブーケ(早川書房『S-Fマガジン』2005年7月号)
    • きみが僕のこと好きになってほしい(幻冬舎『ポンツーン』2001年11月号 - 2006年1月号に連載、全3回)
    • おりんとこりん(『新現実』Vol.2、角川書店、2003年)
    • むさしのジョギング日記(『モーニング・ツー』12号、講談社、2008年)
    • ふらんすジョギング日記(『モーニング・ツー WEB』2009年8月22日公開、講談社)
  • 世界の終わりのいずこねこ(太田出版、2015年)
  • コムニスムス(rn press、2023年)
単行本未収録漫画
  • 空飛ぶリス(早川書房『S-Fマガジン』2001年1月号 - 12月号に連載、全12回)
  • くもはち。(講談社『メフィスト』2003年5月号 - 2005年1月号に連載、全6回、原案:大塚英志
  • 妖怪小戦争(角川書店『エース特濃』Vol.9に掲載、原作:大塚英志、2004年)
  • あたらしいうた(単行本未収録だが、画集『くらやみ村のこどもたち』に収録)
  • 美術は静かに無題さんに語りかける。(広島市現代美術館ニュースレター『Untitled』Vol.2 - Vol.9) - 広島市現代美術館のnoteでも公開
  • コロナくんの追憶(QJWeb、2022年、全6回)
  • Me,Myself and I(comipo・DLsite comipo、2023年11月10日 - )
画集
  • くらやみ村のこどもたち(宝島社、2014年)
  • The ART of Điện Biên Phủ(グラフィック社、2016年)
絵本
  • 試作品神話 全1巻(文:大塚英志、角川書店:2006年、角川文庫:2009年)
イラストコラム
  • 遊星からの物体SEX(『ファウスト』Vol.1 - Vol.6 SIDE-Bに連載、講談社、2003年 - 2005年)
  • X-JAPAN復活東京ドーム3DAYS「破壊の夜」完全レポート『破壊の夜は断じて勝ち組っ!?』(『ファウスト』Vol.7、講談社、2008年)
イラストカット
  • 化物語(アニメ第11話エンドカード)
  • ユリイカ 総特集†魔法少女まどか☆マギカ 魔法少女に花束を(2011年11月臨時増刊 口絵)
  • つぐもも(アニメ第3話エンドカード)

他多数

表紙イラスト
  • 定本 物語消費論(大塚英志 角川文庫:2001年)
  • くもはち(大塚英志 角川書店:2003年)
  • 龍太のとんでもない日々(2005年 - 2006年 学習研究社)
  • 小説 アトム大使(大塚英志 角川つばさ文庫:2009年)
  • アトムの命題――手塚治虫と戦後まんがの主題(大塚英志 角川文庫:2009年)
  • 「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む(大塚英志 ・川口創 角川グループパブリッシング:2009年)
  • インシテミル(米澤穂信、文藝春秋、2007年)
  • 科学と神秘のあいだ(菊池誠、筑摩書房、2010年)
  • 陽だまりの彼女(越谷オサム、新潮文庫、2011)
  • いとみち(越谷オサム、新潮文庫、2013)
  • オールスイリ(文藝春秋、各号表紙)
  • 全滅脳フューチャー! ! !(海猫沢めろん、幻冬舎文庫、2013)
  • かにみそ(倉狩聡、KADOKAWA、2013/角川ホラー文庫、2015)
  • セカイ系とは何か(前島賢、星海社文庫、2014)
  • ファンタズマゴーリア(岡崎祥久、講談社、2014)
  • なりすまし(Team-J、TO文庫、2014)
  • 絞首台の黙示録(神林長平、早川書房、2015)
  • 今日はいぬの日(倉狩聡、KADOKAWA、2015/角川ホラー文庫、2016)
  • 渦森今日子は宇宙に期待しない。(最果タヒ、新潮文庫nex、2016)
  • カロリーが足りません 終末食べあるきガイドブック 魔物グルメ編in池袋(大場鳩太郎、レジェンドノベルス 2020)
顔出しパネルのイラスト
  • レモン(2019年、瀬戸田町観光案内所)
ラジオ
  • 一隅の仕事びと(広島エフエム放送 2014年 インタビュアー)
  • 西島大介のすべてがちょっとずつ優しいラジオ(2013年12月30日17:47~19:00、RCCラジオ)
キャラクター
  • シノビー&ニン丸(読売テレビキャラクター)
  • ベネッセコーポレーション、進研ゼミ高2講座のキャラクター
  • ビュフェくん(ベルナール・ビュフェ美術館45周年キャラクター)
映画
  • トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ(2013)
  • 世界の終わりのいずこねこ(2015)
エッセイ
  • 電子と暮らし(双子のライオン堂、2020年)

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/06/17 01:42 UTC (変更履歴
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