カルラ・フラッチ : ウィキペディア(Wikipedia)
カルラ・フラッチ(Carla Fracci、1936年8月20日 - 2021年5月27日)は、イタリアのバレエダンサー。
経歴
ミラノに生まれる。ミラノ・スカラ座バレエ学校で、ワガノワバレエ学校出身のヴェラ・ヴォルコワなどにバレエを学び、1954年に卒業してスカラ座バレエ団に入団する。1956年にソリスト、1958年にプリマバレリーナに昇進した『バレエ・ピープル101』146頁。『バレエ音楽百科』318頁。『オックスフォード バレエダンス事典』455頁。。
1959年、ロンドン・フェスティバル・バレエ団(現在のイングリッシュ・ナショナル・バレエ団)の招きを受けて初めて『ジゼル』を踊った。フラッチはアリシア・マルコワの踊った『ジゼル』に憧れを持っていたが、この時にマルコワのパートナーを務めていたアントン・ドーリンから指導を受けて、その後、『ジゼル』を最も得意な役柄とした。ロマンチック・バレエ期の作品を得意とし、『ジゼル』以外でも『ラ・シルフィード』などのタイトルロールは絶品と評された。
イタリアを代表する国際的なバレリーナとして、20世紀に名声を確立した初めてのイタリア人ダンサーと評価され、ロイヤル・バレエ団、アメリカン・バレエ・シアター、シュトゥットガルト・バレエ団など、世界中のバレエ団にゲストとして招かれ、高い人気があった。日本にも世界バレエ・フェスティバルへの出演などで数回来日している。
1996年に、ローラン・プティはフラッチのバレエ生活50年の記念として、コレットの小説をもとにした『シェリ』(プーランク音楽)を彼女とマッシモ・ムッルに振り付けた『バレエ音楽百科』131頁。。
なお、彼女の名を冠した『カルラ・フラッチ』ブランドのフレグランスが発売されている。また、2004年10月16日には、国際連合食糧農業機関(FAO)のアンバサダーに任命されたFAO Goodwill Ambassador website 2011年7月10日閲覧。。
2021年5月27日までに、ミラノで死去。
出演
映画
- 『ニジンスキー』(1980年):タマーラ・カルサヴィナ役
DVD
- 『ジゼル』(1969年収録の映像、エリック・ブルーンと共演)
参考文献
- 小倉重夫編『バレエ音楽百科』 音楽之友社、1997年、ISBN 4-276-25031-5
- ダンスマガジン編『バレエ・ピープル101』 新書館、1993年、ISBN 4-403-23028-8
- デブラ・クレイン、ジュディス・マックレル 『オックスフォード バレエダンス事典』 鈴木晶監訳、赤尾雄人・海野敏・長野由紀訳、平凡社、2010年。ISBN 978-4-582-12522-1
外部リンク
- Internet Movie Database 2011年7月10日閲覧。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/25 19:45 UTC (変更履歴)
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