門田泰明 : ウィキペディア(Wikipedia)
門田 泰明(かどた やすあき、1940年 - )は、日本の小説家。大阪府生まれ。
代表作は「特命武装検事・黒木豹介」シリーズ(通称「黒豹シリーズ」)。
来歴
幼くして父を戦争でなくし、祖父母に育てられた。堀辰雄に心酔して純文学を目指し、芥川賞作家の多田裕計に師事して修行する。大学卒業後、企業に就職。大学の同人誌には吉村昭論などを書いた。のち多田から大衆小説への転向を示唆され、1979年『小説宝石』に「闇の総理を撃て」を発表し、大衆作家としてデビューする『黒豹作家のフットワーク』。
ダイナミックで迫力のある文章を書き(宇宙空間での射撃など、故意に科学的常識を無視してしまっているところもある)、大人から学生まで、幅広い人気を得ているベストセラー作家。現代小説には珍しく、日本刀を用いた剣劇シーンが多く、その迫力あふれる文章表現から、本人も剣術・剣道の経験者であると言われている。近年では得意の剣劇描写を生かして、時代小説も多数執筆している。
また肉親を次々と癌で失った経験から、医療関係に題材を取った小説も多い。
中条省平が「小説家になる!2」(2001)の中で門田の「文学的表現」を批判し、反面教師的作家として取り上げた。
作品
「特命武装検事・黒木豹介」以外
- 『100周年をめざす朝日生命の栄光と挑戦 社史插話』日本工業新聞社 1979
- 『裏切りの条件 企業小説』青樹社 1980 のち角川文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『ガン新薬戦争 企業推理』双葉ノベルス 1981 のち角川文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『癌病棟のメス 医師告発小説』光文社カッパ・ノベルス 1981 のち文庫
- 『白い野望 脳外科医の遺産 医学小説』青樹社 1981 のち徳間文庫、光文社文庫
- 『大病院が震える日 サスペンス小説』光文社 カッパ・ノベルス 1981 のち文庫、徳間文庫
- 『謀殺企業 企業サスペンス&アクション』双葉ノベルス 1981 のち文庫、徳間文庫
- 『謀殺病棟』広済堂出版 ブルーブックス、1981 『白い謀殺』徳間文庫
- 『闇の総理を撃て 警視庁SP・島津俊介』グリーンアロー出版社 1981 のち角川文庫、光文社文庫
- 『巨塔崩壊』角川文庫 1982 のち光文社文庫
- 『白い復讐 社会派サスペンス』青樹社 1982 『黒の乱調』徳間文庫、『白い復讐』集英社文庫
- 『特命企業戦士 ハード・アクション小説』グリーンアロー出版社 1982 『黒の経営参謀 特命企業戦士』徳間文庫
- 暗殺者村雨龍シリーズ
- 『村雨龍・企業暗殺 1 (東西流通戦争篇)』カドカワノベルズ 1982「魔竜戦鬼」文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『村雨龍企業暗殺 2 戦闘機J2処刑軍団』カドカワノベルズ、1983 「空撃死弾」文庫、光文社文庫
- 『殺神操作 村雨龍企業暗殺3』カドカワノベルズ 1984 のち文庫、光文社文庫
- 「外科医・津山慶子」シリーズ
- 『愛憎のメス 医学ロマン』講談社ノベルス 1983 のち文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『美貌のメス 医学ロマン』講談社ノベルス 1983 のち文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『狂瀾のメス 医学ロマン』講談社ノベルス 1985 のち文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『狂殺病棟』日本文華社 文華新書・小説選集 1983 『黒の病棟』双葉文庫
- 『擬装重役 企業情報小説』青樹社 1983 のち徳間文庫、光文社文庫
- 『諜報者たちの夜』角川文庫 1983 のち光文社文庫
- 『真夜中の豺狼』グリーンアロー出版社 1983
- 『野望の狂宴』角川文庫 1983
- 『闇を裂く牙』光風社出版 1983 のち徳間文庫
- 『極秘命令「撃墜」 企業アクション』徳間ノベルス 1984 のち文庫、光文社文庫
- 『白い密室 サスペンス小説』光文社文庫 1984 のち徳間文庫
- 『白の乱舞』徳間文庫 1984 のち光文社文庫
- 『特命医療捜査官』日本文華社 文華新書・小説選集 1984 のち徳間文庫
- 『ミッドナイト・ベビー メディカル&サスペンス』青樹社 1984 のち徳間文庫
- 『夜光虫』光風社 1984 のち徳間文庫
- 『蒼の病層 医学サスペンス』徳間ノベルス 1985 のち文庫、光文社文庫
- 『艶舞の終焉 社会派ニュー・ロマン』徳間ノベルス 1985 のち文庫
- 『影の軍団 超時空バイオレンス小説』光文社 カッパ・ノベルス 1985 のち文庫、徳間文庫
- 『華麗なる曝葬』角川文庫 1985 「官僚たちの勲章」光文社文庫
- 『空白の診断書 医学サスペンス』徳間ノベルス 1985 のち文庫
- 『白の断層 医学サスペンス』徳間ノベルス 1985 のち文庫、光文社文庫
- 『白の迷走』集英社 1985 のち文庫、光文社文庫、徳間文庫
- 『首領たちの欲望 傑作ハード・ロマン』光風社出版 1985 のち光文社文庫、徳間文庫
- 『背徳の舞台 官能企業アクション』徳間ノベルス 1985 のち文庫
- 『魔空戦弾 超時空バイオレンス』徳間ノベルス 1985
- 「修羅王ドラゴン」(暗殺者弘瀬龍)シリーズ 徳間ノベルス
- 『修羅王ドラゴン 特命破壊捜査官』1986 のち文庫、光文社文庫
- 『兇襲 スーパーアクション』1986 のち文庫、光文社文庫
- 「黄金の女」シリーズ 祥伝社ノンノベル
- 『超獣閃戦 超時空バイオレンス小説』1986 のち光文社文庫
- 『魔空戦弾 超時空バイオレンス 2』1986 のち徳間文庫、光文社文庫
- 『妖撃閃弾 スーパー・ヒロイン・アクション』サンケイ出版 1986 のち徳間文庫、光文社文庫
- 『人妻鬼』講談社 1986 のち文庫、光文社文庫
- 『病層列島 医学サスペンス』徳間ノベルス 1986 のち文庫、「白の重役室」光文社文庫
- 『捜獣戦士』徳間ノベルス 1987 のち文庫
- 『春の乱 恋愛小説』徳間書店 1987 のち文庫、光文社文庫
- 『吼える銀狼』光文社 カッパ・ノベルス 1987 のち文庫
- 『天竺川 恋愛小説』扶桑社 1988 のち徳間文庫、光文社文庫
- 『授戒 恐怖サスペンス小説』光文社文庫 1991 のち徳間文庫
- 『残華』光文社文庫 門田泰明作品全集 1992 のち徳間文庫
- 『刺胳』徳間文庫 1992 のち光文社文庫
- 『雀羅』角川文庫 1992 のち光文社文庫
- 『紅恋 「恐怖サスペンス」シリーズ』光文社文庫 門田泰明作品全集 1994 のち徳間文庫
- 『黒の経営参謀』光文社文庫 門田泰明作品全集 1995
- 『殺人開眼』光文社文庫 門田泰明作品全集 1995 のち徳間文庫
- 『妖恋』加賀田省平シリーズ 祥伝社ノンノベル 1995 のち光文社文庫
- 『火線列島』光文社文庫 門田泰明作品全集 1996
- 『鬼面坂 サスペンス・スリラー傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1996
- 『暗闇館』講談社文庫 1996 のち光文社文庫
- 『神泣島 サスペンス・スリラー傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『成り上がりの勲章 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『負け犬の勲章 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『無明灯』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『妖婦鏡 サスペンス・スリラー傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『重役たちの勲章 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1997
- 『頭取たちの勲章 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1998
- 『粉飾者たちの勲章 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 1998
- 『タスクフォース』光文社 1999 のち文庫、徳間文庫
- 『DC8を撃墜せよ 企業小説傑作集』光文社文庫 門田泰明作品全集 2000
- 『孤狼、兇天に屍す』光文社文庫 門田泰明作品全集 2000
- 『必殺弾道 警視庁特命狙撃手』徳間書店 2000 のち文庫、光文社文庫
- 『死飾殿 傑作ハード・サスペンス』光文社文庫 門田泰明作品全集 2001
- 『ダブルミッション』祥伝社 2003 のち文庫、徳間文庫
- ひぐらし武士道
- 『大江戸剣花帳 ひぐらし武士道』徳間文庫 2004 のち光文社文庫
- ぜえろく武士道
- 『斬りて候 ぜえろく武士道覚書』光文社文庫 2005
- 『一閃なり ぜえろく武士道覚書』光文社文庫 2007
- 『討ちて候 ぜえろく武士道覚書』祥伝社文庫 2010
- 『存亡』光文社 2006 のち文庫
- 浮世絵宗次シリーズ
- 『命賭け候 浮世絵宗次日月抄』徳間書店 2008 のち文庫
- 『冗談じゃねえや 浮世絵宗次日月抄』徳間文庫 2010
- 『任せなせえ 浮世絵宗次日月抄』光文社文庫 2011
- 『奥傳夢千鳥』光文社文庫 2012
- 『秘剣双ツ竜 浮世絵宗次日月抄』祥伝社文庫 2012
- 『半斬ノ蝶』祥伝社文庫 2013
- 『夢剣霞ざくら』光文社文庫 2013
- 『汝(きみ)薫るが如し』光文社文庫 2014
- 『皇帝の剣』祥伝社文庫 2015
- 『無外流雷(いなずま)がえし 拵屋銀次郎半畳記』徳間文庫 2013‐14
随筆・初期小説
- 『黒豹作家のフットワーク』光文社文庫 1991
関連項目
- 日本の小説家一覧
- 時代小説・歴史小説作家一覧
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/08/24 04:34 UTC (変更履歴)
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