カトリーヌ・エスラン : ウィキペディア(Wikipedia)

カトリーヌ・ヘスリングCatherine Hessling、発音 : [katʁin (h)ɛsliŋ]、本名 : Andrée Madeleine Heuschling、1900年6月22日 - 1979年9月28日)は、フランス・マルヌ県出身の女優(かつて日本語では誤って「カトリーヌ・エスラン」と表記されていた時期もあったが、後述のように片仮名表記では「カトリーヌ・ヘスリング(又は、エスリング)」が正確な発音に最も近い)。一般的な知名度は後期印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール晩年のモデル(愛称:「デデ」)、かつピエール=オーギュストの息子で映画監督ジャン・ルノワールの最初の妻としてのものが大きい。

1920年にジャン・ルノワールと結婚。1921年には長男アランも生まれた。夫のジャン・ルノワールと共にかねてよりアメリカ映画狂だった彼女は、自ら憧れのアメリカ女優風にキャサリーン・ヘスリング([kǽθərin hɛsliŋ]、のちにカトリーヌ・ヘスリング [katʁin hɛsliŋ])と名乗り、1924年にジャン・ルノワール脚本・監督の『カトリーヌ』(共同監督にがクレジットされている)にて銀幕デビューを果たす。つまり、ジャン・ルノワールが映画監督となったきっかけは女優になりたかったカトリーヌの希望を叶えるためであった。

1931年にジャンが初のトーキー映画となった『牝犬』(La chienne)の主演女優にジャニー・マレーズ(Janie Marèse)を抜擢したことでジャンとの夫婦生活に亀裂が入り、1943年にジャンと離婚した。

離婚後も複数の作品に出演したものの、大きな印象を残すには至らなかった。1979年9月にパリ郊外で没した。

主な出演映画

  • 『カトリーヌ』-Catherine ou Une vie sans Joie(1924年)
  • 『水の娘』-La Fille de l'eau(1925年)、監督:ジャン・ルノワール
  • 『女優ナナ』-Nana (1926年)、監督:ジャン・ルノワール
  • 『マッチ売りの少女』-La Petite marchande d'allumettes (1928年)、監督:ジャン・ルノワール
  • 『港町にて』-En Rade (1928年)、監督:アルベルト・カヴェルキャンティ
  • 『上から下まで』-Du Haut en Bas (1933年)、監督:ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト
  • 『罪と罰』-Crime et Chatiment (1935年)、監督:ピエール・シュナール

カトリーヌ・ヘスリングを描いた作品

  • ルノワール 陽だまりの裸婦 - 2012年のフランス映画。ピエール=オーギュスト・ルノワールの伝記映画。

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/12/29 15:30 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「カトリーヌ・エスラン」の人物情報へ