コーリン・エドワーズ : ウィキペディア(Wikipedia)

コーリン・エドワーズColin Edwards junior, 1974年2月27日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州コンロー出身のオートバイレーサー。

・スーパーバイク世界選手権チャンピオン。1996年・2001年・2002年鈴鹿8時間耐久ロードレース総合優勝。よりまでロードレース世界選手権MotoGPクラスに参戦。愛称は「テキサス・トルネード」。

来歴

スーパーバイク時代

MotoGP(WGP)ライダーにはアメリカ人が多く、かつスーパーバイク出身である場合が多い。エドワーズも例に漏れずスーパーバイクからMotoGPに転向した一人である。

自国・アメリカのAMAスーパーバイクで頭角を現したエドワーズは1995年、SBK(スーパーバイク世界選手権)に挑戦。翌1996年に鈴鹿8時間耐久ロードレースにヤマハから参戦すると、芳賀紀行とのペアで優勝(大会史上最年少ペア、当時の最長記録を更新)を果たし飛躍のきっかけとする。

にホンダに移籍。着実に成績を伸ばしていったエドワーズは、ホンダの投入したニューマシンVTR1000SPWを駆り、古巣ヤマハの芳賀を下して初の世界チャンピオンに輝く。はドゥカティのトロイ・ベイリスにタイトルを奪われるも、バレンティーノ・ロッシとのペアで臨んだ鈴鹿8耐では優勝、2勝目を飾る。

はSBK史上に残る激しいシーズンとなった。シーズン前半戦はベイリスの連戦連勝、対するエドワーズはSUGO(第1レース優勝。スポット参戦の玉田誠にチームオーダーで譲られたとの噂も)など少ない勝利と多くの表彰台は獲得するものの、ベイリス絶対有利との声が強かった。それが一転したのはアメリカラウンド・ラグナ・セカ。第2レースに勝利したエドワーズはそれ以後の全レースで優勝、最終戦を残してついにポイントでベイリスを上回った。そして迎えた最終戦のイモラ、エドワーズはベイリスとの激しいバトルを制し2連勝、自身2度目のタイトルを獲得した。また、MotoGPイギリスグランプリで負傷した宇川徹の代役で参戦した鈴鹿8耐でも加藤大治郎と組んで6ピットで最長記録となる219ラップで優勝した。

MotoGP参戦

ホンダは諸般の事情からからSBKのワークス活動を休止。エドワーズはホンダにMotoGP参戦を打診したようだが、ライダー枠に空きが無くアプリリアへの移籍を決断する。この際アプリリアSBKライダーだった芳賀紀行もMotoGPに転向、2人は再びチームメイトとなる。しかしアプリリアのマシンはチャタリングが激しくエドワーズ・芳賀ともに大苦戦。散々なMotoGP1年目であった。

翌、1年ぶりにホンダ(サテライトのグレシーニ・チーム)に復帰。しかしサテライトのNo2ライダーの苦しさか、最新パーツが回ってこない型落ちマシンで思ったほどの成果が上げられない(入賞率の高さからランキングは上位だが)。そんなエドワーズに古巣ヤマハから2005年からワークスチーム移籍の話が舞い込んだ。これはヤマハのエース・ロッシが、鈴鹿8耐でペアを組んで相性のよかったエドワーズをチームメイトに指名したことによる。

、ヤマハに復帰・ワークスのシートを手に入れる。だがロッシの速さが突出しており、待望の初優勝はあげられなかった。

も同体制でMotoGP参戦。第8戦ダッチTTではニッキー・ヘイデンと激しいバトルを展開したが、あと一歩というところで初優勝を逃した。なお、鈴鹿8耐には10年ぶりに芳賀とのペアでヤマハから参戦したが、序盤でリタイアとなった。

からテック3チームに移籍。表彰台は何度も経験しているものの優勝だけは手が届かず惜しい成績を残し続けた。

からはヤマハから離れ、同シーズンからCRTマシンを使用してMotoGPクラスへと参戦するフォワード・レーシングへと移籍。スッターのCRTシャーシにBMW・S1000RRのエンジンを搭載したマシンで参戦したが、2012年シーズンは11位が最高で結果を残せなかった。もCRTシャーシで参戦するが、車体はFTR・エンジンはカワサキ・ニンジャZX-10Rの組み合わせで挑む。

2014年4月10日、今季限りでの現役引退を表明した。

その他

  • 新しいツナギを初めてサーキットで用いる際に、「コケないためのおまじない」として地面に転がる儀式をする。
  • MotoGPに移って、特にヤマハ移籍後のエドワーズの走りは非常に安定している事で有名である。2009年シーズンは優勝こそ出来ていないものの、1度のリタイヤは他のライダーの巻き添えを喰ったものであり自分が原因のリタイヤは0、17戦中16戦ポイント獲得という獲得率は全ライダー中2位であった。

主な戦績

  • 1993年
AMAスーパーバイク ランキング6位
  • 1994年
AMAスーパーバイク ランキング6位

スーパーバイク世界選手権

シーズンバイク出走優勝表彰台PPFLポイントシリーズ順位
ヤマハ・YZF750 20 0 2 0 1 141 11位
ヤマハ・YZF750 20 0 7 2 0 248 5位
ヤマハ・YZF750 8 0 1 0 1 79 12位
ホンダ・RVF/RC45 24 3 6 0 0 277.5 5位
ホンダ・RVF/RC45 26 5 10 2 3 361 2位
ホンダ・VTR1000SPW 26 8 12 6 6 400 1位
ホンダ・VTR1000SPW 25 4 12 0 4 333 2位
ホンダ・VTR1000SPW 26 11 25 5 8 552 1位
合計 175 31 75 15 23 2391.5

鈴鹿8時間耐久ロードレースhttp://replay.waybackmachine.org/20090501054933/http://www.suzukacircuit.jp/8tai/history/top.html

開催年バイクチームパートナー予選グリッド決勝総合順位
1995年ヤマハ・YZF750SPY.R.T.R永井康友10位5位
1996年ヤマハ・YZF750Y.R.T.芳賀紀行6位 1位
1998年ホンダ・RVF/RC45カストロール・ホンダ岡田忠之6位 3位
1999年ホンダ・RVF/RC45カストロール・ホンダアーロン・スライト10位 2位
2000年ホンダ・VTR1000SPWカストロール・ホンダバレンティーノ・ロッシ6位リタイヤ
2001年ホンダ・VTR1000SPWチーム・キャビン・ホンダバレンティーノ・ロッシ / 鎌田学2位 1位
2002年ホンダ・VTR1000SPWチーム・キャビン・ホンダ加藤大治郎2位 1位
2006年ヤマハ・YZF-R1SPヤマハ・ブルー・レーシング芳賀紀行7位リタイヤ

ロードレース世界選手権

  • ボールド体のレースはポールポジション、イタリック体のレースはファステストラップを記録。
シーズン クラス バイク 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 順位 ポイント
MotoGP アプリリア JPN6 RSARet SPA14 FRA10 ITA9 CATRet NED7 GBR10 GER14 CZE12 POR14 BRA13 PAC17 MAL13 AUS16 VAL8 13位 62
MotoGP ホンダ RSA7 SPA7 FRA5 ITA12 CAT5 NED6 BRA6 GER5 GBR2 CZE7 POR9 JPNRet QAT2 MAL11 AUS4 VAL8 5位 157
MotoGP ヤマハ SPA9 POR6 CHN8 FRA3 ITA9 CAT7 NED3 USA2 GBR4 GER8 CZE7 JPN6 MAL10 QAT4 AUS6 TUR7 VAL8 4位 179
MotoGP SPA11 QAT9 TUR9 CHN3 FRA6 ITA12 CAT5 NED13 GBR6 GER12 USA9 CZE10 MAL10 AUSRet JPN8 POR4 VAL9 7位 124
MotoGP QAT6 SPA3 TURRet CHN11 FRA12 ITA12 CAT10 GBR2 NED6 GER4 USA11 CZERet RSM9 POR10 JPN14 AUS9 MAL10 VAL13 9位 124
MotoGP QAT7 SPARet POR4 CHN7 FRA3 ITA5 CAT5 GBR4 NED3 GERRet USA14 CZE14 SMR10 IND15 JPN7 AUS8 MAL8 VAL6 7位 144
MotoGP QAT4 JPN12 SPA7 FRA7 ITA6 CAT7 NED4 USA7 GER9 GBR2 CZE7 IND5 SMRRet POR5 AUS5 MAL13 VAL4 5位 161
MotoGP QAT8 SPA12 FRA12 ITA13 GBR9 NED8 CAT11 GERRet USA7 CZE7 INDRet SMR7 ARA12 JPN5 MALNC AUS7 POR7 VAL12 11位 103
MotoGP QAT8 SPARet POR6 FRA13 CATDNS GBR3 NED7 ITA9 GER10 USA8 CZE8 IND7 RSM13 ARA13 JPN8 AUS5 MALC VALINJ 9位 109
MotoGP スッター QAT12 SPA16 PORDNS FRAINJ CATNC GBR16 NEDRet GER12 ITARet USA13 IND13 CZE13 RSM11 ARA18 JPN13 MALRet AUSRet VAL14 20位 27
MotoGP FTR Kawasaki QATRet AMERet SPA15 FRA16 ITA14 CAT9 NED17 GER13 USA12 IND13 CZE11 GBR14 RSM12 ARA16 MAL15 AUS12 JPN12 VAL15 14位 41
MotoGPフォワードヤマハ QAT9 AMERet ARG20 SPARet FRA17 ITA15 CAT18 NED22 GER20 IND13 CZE GBR RSM ARA JPN AUS MAL VAL 22位 11
    • は、シーズン中の順位とポイント。

関連項目

  • ライダー一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/10 10:12 UTC (変更履歴
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