岡譲司 : ウィキペディア(Wikipedia)

岡 譲司(おか じょうじ、1902年5月25日 - 1970年12月17日)は、日本の俳優であるキネマ旬報社[1979], p.113-114.岡譲司jlogos.com, エア、2013年1月28日閲覧。岡譲司、日本映画データベース、2013年1月28日閲覧。岡譲司岡譲二美濃部進、日本映画情報システム、文化庁、2013年1月28日閲覧。岡譲司岡譲二、映連データベース、日本映画製作者連盟、2013年1月28日閲覧。岡譲司岡譲二美濃部進、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年1月28日閲覧。岡譲司、KINENOTE, 2013年1月28日閲覧。岡譲司、allcinema, 2013年1月28日閲覧。岡譲司岡譲二美濃部進、日活データベース、日活、2013年1月28日閲覧。岡譲司、テレビドラマデータベース、2013年1月28日閲覧。。本名は中溝 勝三(なかみぞ かつぞう)。旧芸名は美濃部 進(みのべ すすむ)、岡 譲二(読み同じ)。

人物・来歴

1902年(明治35年)5月25日(日曜日)、東京府東京市京橋区越前堀(現在の東京都中央区新川)に生まれる。祖父は佐賀藩の勘定方を務め、父は三十五銀行(現在の静岡銀行)の頭取であったというが、氏名などは不明である。父は三十銀行の頭取兼支配人、中溝秀周である。

画家志望であったが、立教大学商科に進学、同学を卒業し、日本蓄音器商会(現在の日本コロムビア)広告宣伝部に入社する。同社で同部長に昇進したが、日活宣伝部員の友人の誘いを受けて退社、満26歳である1929年(昭和4年)初頭に日活太秦撮影所現代劇技芸部に入社、同年2月8日に公開された『栄冠』で映画界にデビューとされるが、前年の1928年(昭和3年)9月27日に公開された池田富保監督による大作『維新の京洛 竜の巻 虎の巻』に、島津久光役で出演しており「美濃部 進」の名ですでにクレジットされている。同社では、おもに現代劇に出演、1929年7月6日に公開された徳永フランク監督の『赤い灯青い灯』で主演に抜擢される。

1931年(昭和6年)、宝塚少女歌劇団出身の女優、澤蘭子と恋愛および失踪事件を起こし、同年10月1日に公開された池田富保監督の『殉教血史 日本二十六聖人』に出演したのを最後に、2人とも退社を余儀なくされた。澤蘭子はすでに同年4月に東京の松竹蒲田撮影所に移籍していたが、同社では、同年10月、鈴木傳明、岡田時彦高田稔らが退社して独立、不二映画社設立の事態となっており、宝塚の経営者・小林一三の尽力もあって、岡も同社に入社する。蒲田入社と同時に「岡 譲二」と改名した。当時の所長、城戸四郎が好きな洋酒の「ジョニー・ウォーカー」をもじって命名したとのことである。同社では、田中絹代初代水谷八重子らと次々に共演、サイレント映画からトーキーの時代に突入し、岡の美声が評判となり、数年のうちに蒲田のスターとなる。とりわけ野村芳亭監督には重用されたが、1934年(昭和9年)8月15日に公開された『街の暴風』を最後に、同月23日、野村が急逝してしまう。同年、同社を退社、協同映画を設立する。

協同映画を解散した1935年(昭和10年)、日活多摩川撮影所に入社する。1936年(昭和11年)1月30日に公開された、入江プロダクション製作、阿部豊監督の『白衣の佳人』に出演した後、同月、初めての徴兵を受け、大日本帝国陸軍少尉として3週間入隊した。原職に復帰して、同年4月8日公開、千葉泰樹監督の『恋は雨に濡れて』に出演、その後1937年(昭和12年)1月14日に公開された『検事とその妹』に主演したのを最後に、同作の監督の渡辺邦男とともに同社を退社、京都のゼーオー・スタヂオ、さらにはP.C.L.映画製作所へと同時に移籍して行く。同年9月10日の両社の合併による東宝映画の設立に際しては、継続的に入社し、P.C.L.のスタジオの後身である東宝映画東京撮影所(現在の東宝スタジオ)に所属した。このころ、澤蘭子との内縁関係を解消し、翌1938年(昭和13年)、新橋の名妓と呼ばれた秀菊(本名・田中都美子)と結婚した。1939年(昭和14年)には、2度目の徴兵を受けて、1年間、大日本帝国陸軍少尉として働き、同年12月29日公開、滝沢英輔監督の『御存知東男』で映画界に復帰した。当時の岡の言によれば「私淑する俳優」は、コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス、ポール・ムニであるという。

1944年(昭和19年)8月、3度目の徴兵を受けて大日本帝国陸軍中尉として、台湾の基隆に駐屯、台北で終戦を迎えた。第二次世界大戦終結後は、1946年(昭和21年)3月10日に復員して東宝に復帰、同年8月1日に公開された渡辺邦男監督の『命ある限り』で映画界に復帰した。東宝争議の勃発を受けて、1947年(昭和22年)、大映と契約を結ぶ。1954年(昭和29年)7月6日に公開された、安田公義監督の『関八州勢揃い』への出演を機に「岡 譲司」と改名した。晩年は妻とは離婚し、子は妻の姓を名乗っており、画廊を経営していたという。

1970年(昭和45年)12月17日、高血圧による心臓病を病み、東京都渋谷区代々木の病院で死去した。墓所は青山霊園にある。長女は第12期大映研修生、長男は真山譲次の芸名で、青年期の一時期、俳優として活動した。

明智小五郎と金田一耕助両者を演じた数少ない役者である(ほかに演じたのは小野寺昭稲垣吾郎)。

フィルモグラフィ

特筆以外すべてクレジットは「出演」である。公開日の右側には役名、および東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)、マツダ映画社所蔵等の上映用プリントの現存状況についても記す主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇、マツダ映画社、2013年1月28日閲覧。。同センター等に所蔵されていないものは、とくに1940年代以前の作品についてはほぼ現存しないフィルムである。

日活太秦撮影所

すべて製作は「日活太秦撮影所」、すべて配給は「日活」、すべてサイレント映画である。すべて「美濃部進」名義。

  • 『維新の京洛 竜の巻 虎の巻』 : 監督池田富保、1928年9月27日公開 - 島津久光
  • 『栄冠』 : 監督亀原嘉明・長倉祐孝、1929年2月8日公開
  • 『朝日は輝く』 : 監督溝口健二・伊奈精一、1929年4月12日公開 - 悪漢団長 辛崎広夫
  • 『紅屋の娘』 : 監督三枝源次郎、1929年6月14日公開 - 旦那
  • 『赤い灯青い灯』(『赤い火青い火』) : 監督徳永フランク、1929年7月6日公開 - 奥村信夫(主演
  • 『妖怪無電』 : 監督木村次郎、1929年8月15日公開 - 秋山達之助・黄龍伯(主演
  • 『まごころ』 : 監督東坊城恭長、1929年8月23日公開 - 圭一の友
  • 『雲の王座』 : 監督田坂具隆、1929年10月25日公開 - 都の男
  • 『娘尖端エロ感時代 第一篇 私の命は指先よ』 : 監督木村次郎、1930年10月31日公開 - 会社員 岡田(主演
  • 『暁の唄』 : 監督木村次郎、1931年2月13日公開 - 春男(主演
  • 『殉教血史 日本二十六聖人』 : 監督池田富保、1931年10月1日公開 - アギラマルチン神父、96分尺で現存(NFC所蔵)

松竹蒲田撮影所

特筆以外すべて製作は「松竹蒲田撮影所」、すべて配給は「松竹キネマ」、特筆以外すべてサイレント映画である。すべて「岡譲二」名義。

  • 『七つの海 前篇 処女篇』 : 監督清水宏、1931年12月23日公開 - 兄・八木橋武彦、71分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『七つの海 後篇 貞操篇』 : 監督清水宏、1932年2月11日公開 - 兄武彦、81分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『相思樹』 : 監督池田義信、1932年2月19日公開
  • 『勝敗』 : 監督島津保次郎、部分発声版(パートトーキー)、1932年3月18日公開
  • 『上陸第一歩』 : 監督島津保次郎、トーキー、1932年4月14日公開 - 火夫坂田(主演)、82分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『乳姉妹』 : 監督野村芳亭、1932年5月13日公開 - 高浜勇、136分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『陽気なお嬢さん』 : 監督重宗務、サウンド版、1932年6月3日公開 - 氷川男爵
  • 『新四ツ谷怪談』 : 監督野村芳亭、サウンド・部分発声版、1932年7月29日公開
  • 『涙の瞳』 : 監督野村芳亭、1932年9月1日公開
  • 『歓喜の一夜』 : 監督島津保次郎、1932年10月27日公開 - 主演
  • 『聖なる乳房』 : 監督池田義信、1932年11月17日公開
  • 『また逢ふ日まで』 : 監督小津安二郎、サウンド版、1932年11月24日公開 - 男(主演
  • 『忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻』 : 監督衣笠貞之助、製作松竹下加茂撮影所、1932年12月1日公開 - 柳沢出羽守、前後篇合計132分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『忠臣蔵 後篇 江戸の巻』 : 監督衣笠貞之助、製作松竹下加茂撮影所、1932年12月1日公開 - 柳沢出羽守、同上
  • 『生さぬ仲』 : 監督成瀬巳喜男、1932年12月16日公開 - 日下部正也、94分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『琵琶歌』 : 監督野村芳亭、1933年1月7日公開 - 三蔵(主演)、91分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『涙の渡り鳥』 : 監督野村芳亭、1933年2月15日公開
  • 『応援団長の恋』 : 監督野村浩将、1933年3月1日公開 - 應援團長 塚本、78分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『非常線の女』 : 監督小津安二郎、1933年4月27日公開 - 襄二(主演)、120分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『晴曇』 : 監督野村芳亭、1933年5月4日公開 - 江村伊助(主演)、125分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『頬を寄すれば』 : 監督島津保次郎、トーキー、1933年8月3日公開
  • 『いろはにほへど』 : 監督池田義信、サウンド版、1933年8月31日公開
  • 『東京音頭』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1933年9月28日公開 - 斉藤進(主演)、82分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『沈丁花』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1933年11月16日公開 - 門弟野村白風
  • 『双眸』 : 監督成瀬巳喜男、1933年12月7日公開 - 須永一雄
  • 『初恋の春』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1933年12月31日公開
  • 『東洋の母』 : 総監督清水宏、監督石川和雄・佐々木康佐藤武・沼波功雄・荻原耐・恒吉忠康、トーキー、1934年2月1日公開 - 息子・健
  • 『婦系図』 : 監督野村芳亭、トーキー、1934年2月22日公開 - 早瀬主税(主演)、134分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『地上の星座 前篇 地上篇』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1934年5月17日公開
  • 『地上の星座 後篇 星座篇』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1934年5月31日公開
  • 『利根の朝霧』 : 監督野村芳亭、トーキー、1934年8月1日公開 - 主演
  • 『街の暴風』 : 監督野村芳亭、サウンド版、1934年8月15日公開 - 主演

協同映画

製作は特筆の通り、すべて配給は「日活」、すべてトーキーである。

  • 『多情仏心』 : 監督阿部豊、製作日活・協同映画、1934年11月22日公開 - 藤代信代
  • 『日像月像』 : 監督阿部豊、製作協同映画・日活多摩川撮影所、1935年1月15日公開 - 海軍大尉 外村謙之助
  • 『青春音頭』 : 監督熊谷久虎、製作日活多摩川撮影所、1935年4月3日公開 - 応援団長 重さん(主演
  • 『海国大日本』 : 監督阿部豊、製作日活・協同映画・太秦発声映画・ゼーオースタヂオ・日本ビクター、1935年5月27日公開 - 白石誠

日活多摩川撮影所

特筆以外すべて製作は「日活多摩川撮影所」、すべて配給は「日活」、以降すべてトーキーである。

  • 『緑の地平線 前篇』 : 監督阿部豊、1935年10月1日公開 - 瀬尾雄三(主演
  • 『緑の地平線 後篇』 : 監督阿部豊、1935年10月9日公開 - 瀬尾雄三(主演
  • 『のぞかれた花嫁』 : 監督大谷俊夫、1935年10月14日公開 - 特別出演
  • 『大菩薩峠 第一篇 甲源一刀流の巻』 : 監督稲垣浩、製作日活京都撮影所、1935年11月15日公開 - 島田虎之助、77分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『ジャズの街かど』 : 監督渡辺邦男、1935年12月31日公開 - 彫刻家 大岡(主演
  • 『白衣の佳人』 : 監督阿部豊、製作入江プロダクション、1936年1月30日公開 - 島津宏一郎(主演
  • 『恋は雨に濡れて』 : 監督千葉泰樹、1936年4月8日公開 - 会社員 羽田(主演
  • 『大菩薩峠 鈴鹿山の巻 壬生島原の巻』 : 監督稲垣浩、製作日活京都撮影所、1936年4月15日公開 - 島田虎之助、1分の断片のみが現存(NFC所蔵)
  • 『生命の冠』 : 監督内田吐夢、1936年6月4日公開 - 有村恒太郎(主演)、51分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『慈悲心鳥』 : 監督渡辺邦男、1936年7月1日公開 - 篠原俊輔
  • 『魂』 : 監督渡辺邦男、1936年8月14日公開 - 城木幹也(主演
  • 『女の階級』 : 監督千葉泰樹、1936年10月15日公開 - 美濃部譲(主演
  • 『高橋是清自伝 前後篇』 : 監督渡辺邦男、1936年11月19日公開 - 高橋是清(青年壮年時代・主演
  • 『浴槽の花嫁』 : 監督清瀬英次郎、1936年12月31日公開 - 岡田進
  • 『検事とその妹』 : 監督渡辺邦男、1937年1月14日公開 - 矢島健作(主演

東宝映画東京撮影所

特筆以外すべて製作は「東宝映画東京撮影所」、すべて配給は「東宝映画」である。

配給 東宝映画
  • 『男は度胸』 : 監督渡辺邦男、製作ゼーオースタヂオ、1937年5月11日公開 - 主演
  • 『北支の空を衝く』 : 監督渡辺邦男、製作P.C.L.映画製作所、1937年9月1日公開 - 杉浦健而(主演)、41分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『維新秘話 戦ひの曲』 : 監督渡辺邦男、製作P.C.L.映画製作所、1937年9月21日公開 - 関口鉄之助・関口幾之助(二役・主演
  • 『母の曲 前篇』 : 監督山本薩夫、1937年12月11日公開 - 主演、前後篇合計94分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『母の曲 後篇』 : 監督山本薩夫、1937年12月21日公開 - 主演、同上
  • 『鉄腕都市』 : 監督渡辺邦男、1938年1月20日公開 - 主演
  • 『人生競馬』 : 監督荻原耐、1938年1月21日公開 - 主演
  • 『愛情一路』 : 監督渡辺邦男、1938年7月1日公開 - 主演
  • 『御存知東男』 : 監督滝沢英輔、1939年12月29日公開
  • 『新妻鏡 前篇』 : 監督渡辺邦男、1940年5月1日公開 - 醍醐博(主演
  • 『新妻鏡 後篇』 : 監督渡辺邦男、1940年5月8日公開 - 醍醐博(主演
  • 『太陽の都』 : 監督滝沢英輔、1940年9月17日公開 - 主演
  • 『闘ふ男』 : 監督石田民三、1940年10月23日公開 - 中島安吉(主演
  • 『蔦』 : 監督萩原遼、1940年12月4日公開 - 主演
  • 『新編 坊っちゃん』 : 監督渡辺邦男、1941年2月18日公開 - 主演
  • 『維新前夜』 : 監督渡辺邦男、製作大宝映画、1941年7月23日公開
  • 『男子友情』 : 監督石田民三、製作大宝映画、1941年8月21日公開 - 主演
  • 『武蔵坊弁慶』 : 監督渡辺邦男、1942年1月7日公開 - 武蔵坊弁慶(主演
配給 映画配給社
  • 『翼の凱歌』 : 監督山本薩夫、1942年10月15日公開 - 主演
  • 『音楽大進軍』 : 監督渡辺邦男、1943年3月18日公開 - 岡倉龍作(主演)、76分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『男』 : 監督渡辺邦男、1943年6月10日公開 - 日下志郎(主演)、67分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『命ある限り』 : 監督渡辺邦男、製作・配給東宝、1946年8月1日公開 - 主演

大映京都撮影所

特筆以外すべて製作は「大映京都撮影所」、すべて配給は「大映」である。

  • 『裁かれる愛情』 : 監督木村恵吾、1947年9月2日公開 - 主演
  • 『素浪人罷通る』 : 監督伊藤大輔、1947年10月28日公開 - 大岡越前守
  • 『蝶々失踪事件』 : 監督久松静児、製作大映東京撮影所、1947年12月23日公開 - 主演
  • 『美しき豹』(『女の家』) : 監督千葉泰樹、製作大映東京撮影所、1948年3月16日公開 - 吉田隆三(主演)、85分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『武装警官隊』 : 監督大曾根辰夫、製作松竹京都撮影所、配給松竹、1948年8月4日公開 - 主演
  • 『千姫御殿』 : 監督野淵昶、1948年9月20日公開
  • 『母紅梅』 : 監督小石栄一、製作大映東京撮影所、1949年1月24日公開 - 笹井晋吾、83分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『恋狼火』 : 監督洲多競(楠田清)、製作新演伎座、配給東宝、1949年8月2日公開
  • 『甲賀屋敷』 : 監督衣笠貞之助、製作新演伎座、配給大映、1949年11月27日公開
  • 『氷柱の美女』 : 監督久松静児、製作大映東京撮影所、1950年3月12日公開 - 明智小五郎(主演
  • 『海のGメン 玄海灘の狼』 : 監督志村敏夫、製作新東宝、配給東宝、1950年4月29日公開 - 勝田耕平
  • 『禿鷹』(コンドル) : 監督安田公義、1950年5月13日公開 - 主演
  • 『海賊島』 : 監督安田公義、1950年7月8日公開 - 主演
  • 『海峡の鮫』 : 監督安達伸生、1950年10月14日公開 - 主演
  • 『エノケンの豪傑一代男』 : 監督荒井良平、製作エノケンプロダクション、配給新東宝、1950年10月15日公開
  • 『鉄路の弾痕』 : 監督安田公義、1950年12月23日公開 - 矢部正人(主演
  • 『鉄の爪』 : 監督安達伸生、製作大映東京撮影所、1951年2月24日公開 - 田代恭助(主演)本名の中溝勝三名義で原案も担当している。
  • 『逢魔が辻の決闘』 : 監督森一生、1951年9月14日公開 - 大泉夕雲斎
  • 『愛染橋』 : 監督野淵昶、1951年10月12日公開 - 主演
  • 『浅草紅団』 : 監督久松静児、製作大映東京撮影所、1952年1月3日公開
  • 『毒蛇島綺談 女王蜂』 : 監督田中重雄、製作大映東京撮影所、1952年2月1日公開 - 金田一耕助・東作 贋千木良兼吉(二役・主演
  • 『猛獣使いの少女』 : 監督佐伯幸三、製作大映東京撮影所、1952年6月5日公開
  • 『振袖狂女』 : 監督安田公義、1952年7月10日公開 - 内海陣十郎、95分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『大佛開眼』 : 監督衣笠貞之助、1952年11月13日公開 - 橘ノ奈良麻呂、128分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『旗本退屈男 八百八町罷り通る』 : 監督佐々木康、製作東映京都撮影所、配給東映、1953年1月22日公開 - 大岡越前守
  • 『次男坊』 : 監督野村芳太郎、製作松竹大船撮影所、配給松竹、1953年3月19日公開 - 93分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『姫君と浪人』 : 監督志村敏夫、製作・配給新東宝、1953年4月1日公開 - 風間五郎助
  • 『チャタレー夫人は日本にもいた』 : 監督島耕二、製作大映東京撮影所、1953年4月15日公開

新東宝

すべて製作・配給は「新東宝」である。

  • 『晴れ姿 伊豆の佐太郎』 : 監督中川信夫、1953年5月19日公開 - 武井半蔵、短縮版『唄祭り 佐太郎三度笠』として68分尺で現存(日本名画遺産DVD)
  • 『鞍馬天狗と勝海舟』 : 監督池田富保、1953年8月5日公開 - 西郷隆盛

東映京都撮影所

特筆以外すべて製作は「東映京都撮影所」、すべて配給は「東映」である。

  • 『神変あばれ笠 後篇』 : 監督渡辺邦男、1953年8月31日公開
  • 『新書太閤記 急襲桶狭間』 : 監督松田定次、1953年9月30日公開
  • 『近世名勝負物語 血闘』 : 監督仲木繁夫、製作大映京都撮影所、配給大映、1953年10月14日公開 - 菊波忠正
  • 『危うし! 鞍馬天狗』 : 監督萩原遼、1953年10月20日公開
  • 『快傑黒頭巾』 : 監督河野寿一、1953年11月29日公開
  • 『逆襲! 鞍馬天狗』 : 監督萩原遼、1953年12月15日公開
  • 『やくざ狼』(『天保六花撰 やくざ狼』) : 監督萩原遼、製作綜芸プロダクション、配給新東宝、1953年12月27日公開 - 河内山宗俊、84分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『続続続魚河岸の石松 大阪罷り通る』 : 監督小石栄一、製作東映東京撮影所、1954年1月15日公開 - 大政
  • 『謎の黄金島 第一部 魔の蜜書』 : 監督河野寿一、1954年2月10日公開 - 水野越前守
  • 『謎の黄金島 第二部 魔の刃影』 : 監督河野寿一、1954年2月17日公開 - 水野越前守
  • 『近世名勝負物語 秩父水滸伝』 : 監督小石栄一、製作東映東京撮影所、1954年2月17日公開 - 山岡鉄太郎
  • 『謎の黄金島 第三部 魔の海神』 : 監督河野寿一、1954年2月24日公開 - 水野越前守
  • 『右門捕物帖 妖鬼屋敷』 : 監督毛利正樹、製作宝塚映画製作所、配給東宝、1954年3月24日公開 - 田島伊右衛門
  • 『巷説荒木又右衛門 暁の三十八人斬り』 : 監督渡辺邦男、1954年3月31日公開 - 阿部四郎五郎
  • 『悪魔が来りて笛を吹く』 : 監督松田定次、1954年4月27日公開 - 等々力警部
  • 『風立ちぬ』 : 監督島耕二、製作東京映画・大雅社、配給東宝、1954年5月19日公開 - 院長
  • 『野ざらし姫 追撃の三十騎』 : 監督小沢茂弘、1954年6月15日公開 - 土井大炊頭
  • 『関八州勢揃い』 : 監督安田公義、製作・配給新東宝、1954年7月6日公開 - 中山誠一郎
  • 『鞍馬天狗 疾風八百八町』 : 監督志村敏夫、製作宝塚映画製作所、配給東宝、1954年7月21日公開
  • 『蛇姫様 第一部 千太郎あで姿』 : 監督河野寿一、1954年9月7日公開 - 植原一刀斎
  • 『蛇姫様 第二部 緋牡丹地獄』 : 監督河野寿一、1954年9月21日公開 - 植原一刀斎
  • 『泥だらけの青春』 : 監督菅井一郎、演出監修吉村公三郎、製作・配給日活、1954年9月21日公開 - 往年の二枚目 坂上謙介(賛助出演)、92分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『蛇姫様 第三部 恋慕街道』 : 監督河野寿一、1954年9月28日公開 - 植原一刀斎
  • 『幽霊男』 : 監督小田基義、製作・配給東宝、1954年10月13日公開 - 加納三作
  • 『隠密若衆』 : 監督渡辺邦男、製作・配給新東宝、1955年2月20日公開 - 浜島庄兵衛
  • 『鬼斬り若様』 : 監督安田公義、製作大映京都撮影所、配給大映、1955年4月19日公開
  • 『緋牡丹記』 : 監督野村浩将、製作・配給新東宝、1955年5月10日公開 - 成富清之助
  • 『月を斬る影法師』 : 監督三隅研次、製作大映京都撮影所、配給大映、1955年6月8日公開 - 相坂豊前守
  • 『天兵童子 第一篇 波濤の若武者』 : 監督内出好吉、1955年6月21日公開 - 清水長左術門宗治
  • 『天兵童子 第二篇 高松城の密使』 : 監督内出好吉、1955年6月28日公開 - 清水長左術門宗治
  • 『森繁のやりくり社員』 : 監督渡辺邦男、製作・配給新東宝、1955年7月5日公開 - ピントカメラ重役
  • 『下郎の首』 : 監督伊藤大輔、製作・配給新東宝、1955年7月26日公開 - 門弟・溝呂木、98分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『柔道流転』 : 監督内川清一郎、製作・配給新東宝、1955年10月18日公開 - 佐野
  • 『柔道流転 黒帯無双』 : 監督内川清一郎、製作・配給新東宝、1955年11月15日公開 - 佐野
  • 『荒獅子判官』 : 監督佐々木康、1955年11月8日公開
  • 『ふり袖小天狗』 : 監督内出好吉、1955年11月22日公開
  • 『あばれ振袖』 : 監督萩原遼、1955年11月22日公開 - 水谷内蔵助、72分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『復讐浄瑠璃坂 第一部 鬼伏峠の襲撃』 : 監督二川文太郎並木鏡太郎、製作宝塚映画製作所、配給東宝、1955年12月11日公開 - 奥平隼人
  • 『雄呂血の秘宝』 : 監督萩原遼・深田金之助、1955年12月20日公開 - 鰐淵重兵衛
  • 『雄呂血の秘宝 完結後篇』 : 監督萩原遼・深田金之助、1955年12月20日公開 - 鰐淵重兵衛
  • 『復讐浄瑠璃坂 第二部 暁の血戦』 : 監督二川文太郎・並木鏡太郎、製作宝塚映画製作所、配給東宝、1955年12月21日公開 - 奥平隼人
  • 『あばれ行燈』 : 監督渡辺邦男、製作・配給新東宝、1956年1月3日公開 - 河合の吉蔵
  • 『忍術左源太』 : 監督深田金之助、1956年1月8日公開 - 真田幸村
  • 『森繁の新婚旅行』 : 監督渡辺邦男、製作・配給新東宝、1956年1月14日公開 - 太陽新聞社部長
  • 『剣豪二刀流』 : 監督松田定次、1956年3月1日公開 - 高田又兵衛
  • 『快剣士笑いの面』 : 監督佐々木康、1956年3月8日公開
  • 『剣法奥儀 二刀流雪柳』 : 監督深田金之助、1956年5月18日公開 - 石川長門守
  • 『若様侍捕物帳 魔の死美人屋敷』(『若さま侍捕物帳 魔の死美人屋敷』) : 監督深田金之助、1956年6月21日公開
  • 『怨霊佐倉大騒動』 : 監督渡辺邦男、製作・配給新東宝、1956年6月27日公開 - 教全和尚
  • 『折鶴七変化』 : 監督安田公義、製作大映京都撮影所、配給大映、1956年8月1日公開 - 太田黒右衛門(千賀の兄)
  • 『続折鶴七変化』 : 監督安田公義、製作大映京都撮影所、配給大映、1956年8月8日公開 - 太田黒右衛門(千賀の兄)
  • 『母孔雀』 : 監督伊賀山正徳、製作東映東京撮影所、1956年12月5日公開 - 矢野
  • 『若さま侍捕物帳 鮮血の人魚』 : 監督深田金之助、1957年9月29日公開 - 利倉屋金左衛門
  • 『佐々木小次郎 前篇』 : 監督佐伯清、1957年10月22日公開 - 有吉内膳
  • 『佐々木小次郎 後篇』 : 監督佐伯清、1957年11月5日公開 - 有吉内膳
  • 『はやぶさ奉行』 : 監督深田金之助、1957年11月17日公開 - 霧戸武兵衛
  • 『花吹雪 鉄火纏』 : 監督河野寿一、1957年12月28日公開 - 水野越前守
  • 『旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷』 : 監督佐々木康、1957年12月28日公開 - 和蘭陀商人
  • 『源氏九郎颯爽記 白狐二刀流』 : 監督加藤泰、1958年3月11日公開 - 新海一八郎、87分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『蜘蛛男』(『殺人鬼 蜘蛛男』) : 監督山本弘之、製作新映画、配給大映、1958年6月29日公開 - 89分尺で現存(NFC所蔵) - 畔柳博士
  • 『血汐笛』 : 監督小沢茂弘、1958年7月6日公開 - 鴻池
  • 『柳生旅ごよみ 女難一刀流』 : 監督松村昌治、1958年10月8日公開 - 松平伊豆守
  • 『金獅子紋ゆくところ 黄金蜘蛛』 : 監督伊賀山正光(伊賀山正徳)、1958年12月2日公開 - 小市将監
  • 『金獅子紋ゆくところ 魔境の秘密』 : 監督伊賀山正光(伊賀山正徳)、1958年12月15日公開 - 浪人者 隠密山内
  • 『大東亜戦争と国際裁判』 : 監督小森白、製作・配給新東宝、1959年1月3日公開 - 阿南陸相
  • 『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』 : 監督松田定次、1959年1月15日公開 - 小林平八郎
  • 『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』 : 監督沢島忠、1959年4月1日公開 - 丹沢大五郎
  • 『遊星王子』 : 監督若林栄二郎、製作東映東京撮影所、1959年5月19日公開 - まぼろし大使、57分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『遊星王子 恐怖の宇宙船』 : 監督若林栄二郎、製作東映東京撮影所、1959年5月25日公開 - まぼろし大使、64分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『月光仮面 幽霊党の逆襲』 : 監督島津昇一、製作東映東京撮影所、1959年7月28日公開
  • 『月光仮面 悪魔の最後』 : 監督島津昇一、製作東映東京撮影所、1959年8月4日公開
  • 『緑眼童子 神変からくり屋敷』 : 監督内出好吉、1959年9月18日公開 - 諸岡勘解由
  • 『緑眼童子 解決篇』 : 監督内出好吉、1959年9月26日公開 - 諸岡勘解由
  • 『拳銃を磨く男』: 監督伊賀山正光(伊賀山正徳)、製作東映東京撮影所、1959年11月3日公開 - 高尾
  • 『拳銃を磨く男 あの女を探せ』 : 監督伊賀山正光(伊賀山正徳)、製作東映東京撮影所、1959年11月29日公開 - 成瀬
  • 『あらくれ大名』 : 監督内出好吉、1960年2月14日公開 - 明石掃部頭、92分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『危うしGメン 暗黒街の野獣』 : 監督伊賀山正光(伊賀山正徳)、製作東映東京撮影所、配給第二東映、1960年3月1日公開
  • 『浪人市場 朝やけ天狗』 : 監督松村昌治、1960年3月22日公開 - 鳥居甲斐守
  • 『新吾十番勝負 第三部』 : 監督松田定次、1960年3月27日公開 - 宗田豊之進
  • 『草間の半次郎 霧の中の渡り鳥』 : 監督内出好吉、1960年5月29日公開 - 飯岡の助五郎
  • 『桃太郎侍 江戸の修羅王』 : 監督深田金之助、配給第二東映、1960年5月31日公開 - 鷲塚主膳
  • 『桃太郎侍 南海の鬼』 : 監督深田金之助、配給第二東映、1960年6月7日公開 - 鷲塚主膳
  • 『太平洋戦争と姫ゆり部隊』 : 監督小森白、製作・配給大蔵映画、1962年4月7日公開 - 133分尺で現存(NFC所蔵)
  • 『海道一の鬼紳士』(『東海一の鬼紳士』) : 監督渡辺祐介、製作東映東京撮影所、1963年4月6日公開 - 町長・大石
  • 『この道赤信号』 : 監督近江俊郎、製作ワールド・プロモーション、配給大映、1964年5月16日公開 - 紳士
  • 『明治大帝御一代記』 : 監督大蔵貢、製作・配給大蔵映画、1964年9月21日公開
  • 『五泊六日』 : 監督渡辺祐介、製作池部プロダクション、配給東映、1966年12月3日公開 - 久米庄造

参考文献

  • 『日本映画俳優全集・男優編』、キネマ旬報社、1979年10月23日
  • 『芸能人物事典 明治大正昭和』、日外アソシエーツ、1998年11月 ISBN 4816915133

関連項目

  • 日活太秦撮影所
  • 松竹蒲田撮影所
  • 協同映画
  • 日活多摩川撮影所
  • 東宝映画
  • 大映京都撮影所

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/09/16 03:36 UTC (変更履歴
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