菊池こころ : ウィキペディア(Wikipedia)

菊池 こころ(きくち こころ、1982年〈昭和57年〉11月9日 - )は、日本の女性声優。東京都出身。ケンユウオフィス所属。旧芸名は菊池 心(読みは同じ)。

経歴

幼稚園の頃から職業としての声優があることは無知であったが、小さい時に観ていたアニメの世界の向こう側、作り手に「なってみたいな」という漠然とした気持ちはあったという。当時好きだったアニメは『ちびまる子ちゃん』、『魔法の天使クリィミーマミ』、『ひみつのアッコちゃん』、『姫ちゃんのリボン』。

卒業文集などには、「幼稚園の先生になりたい」と書いていた。「声優になりたい」という夢は自分のなかだけに留めており、家族にも言っておらず、進路を決める際に両親に初めて伝えていた。その後、声優を目指して専門学校に入学。

通っていた専門学校は、卒業前に事務所の人物が卒業公演を観に来て舞台とアニメのアフレコの様子を見てもらい、「あの子いいな」と思ったところ声をかけてくれていた。菊池もそこで声をかけてくれたことで声優の道が開けたという。

2003年、テレビアニメ『金色のガッシュベル!!』で声優デビュー。

デビュー後、全く順調ではなくオーディションに立て続けに落ちてしまったことがあり、仕事がない時は、「自分には需要がないんだな」と思っていた。決して存在を否定されたわけではないが、「いなくても大丈夫なのかな」と思い自信をなくしていたこともあった。こればかりはどうしようもなく、ただ気持ちが上がるのを待つだけであった。「仕事で、他に何ができるか」と言われたところ「何もできないな」と思い、「とにかく受けるしかない」という気持ちであった。

声優と掛け持ちしながら飲食店、コンビニ、販売などアルバイトで接客業をしていたことがあった。しかし「向いていない」と語り、ちょっとしたことでイライラして、態度にも出てしまったという。客に対して、「レシートくらい持って帰ってよ」、「こんな小さいの、袋に入れなくてもいいでしょ」など思ったが、お金を稼がなくてはならないため、続けていた。このことは、「あまりいい店員ではなかった」と語る。

アルバイト中に、初めてレギュラーの作品を2〜3本出演。アルバイト先に、「シフトに入るのを少しの間お休みさせてください」と言っていたが、しばらくして行ってみたところ、「そんなに入れないなら来なくていいです」と言われ、クビになってしまったという。2024年時点でも「声優だけでやっていける」とは思っていないが、「あのときアルバイトを辞めていなかったらどうなっていたんだろう」と思うことはあったという。

東映アニメーション研究所を経て2011年3月のプロダクション閉鎖まで東映アカデミーに所属、同年10月よりケンユウオフィス所属。

2代目まる子役声優として

テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』にて、2024年3月4日に死去したTARAKOの後任として、同年4月21日放送回より主人公・さくらももこ(まる子)役を担当。複数回の緊急オーディションを経て、制作スタッフの満場一致で菊池が抜擢された。

『ちびまる子ちゃん』は好きなアニメだったため、オーディションがあると聞いて事務所の人物に、「候補出しがあるならば、私も候補に出していただけませんか」と伝えた。オーディションでは「観ている方が違和感のない声と演技で」ということだったため、「TARAKOさんの声に近い方がいいのかな」と思い挑んでいた。

菊池はマネージャーからの合格の知らせを受け、「うれしい…緊張、安堵、不安、何だかよく分からない複雑な感情で頭がいっぱいになりました」と率直な心境を語っている。また、菊池は6年前の2018年にも別の役で『ちびまる子ちゃん』の収録に参加しており、「皆さんが明るく楽しく収録に臨んでいて、その中心にTARAKOさんがいた。放送開始から毎週見ている大好きなアニメでしたが、その日からもっと大好きになりました」と振り返りながら語っている。おばあちゃん(さくらこたけ)役の佐々木優子は菊池が初収録の際、「TARAKOさんのまるちゃんが大好きだったのに…」と菊池が吐露して一緒に号泣したことがあり、その時から「もうファミリーの一員」であることを認めるコメントをしている。

フジテレビは「TARAKOさんが育てたイメージを大切にしながら菊池さんらしさも加わった新鮮なまる子になっています」と太鼓判を押しており、2代目ナレーターを務めるきむらきょうやは「わーっしなんか全然キートンさんに追い付けてないのに菊池さんって本当に天才」と自身との差を交えつつ、菊池のまる子の演技を絶賛している。

2024年7月13日放送にフジテレビ系列で放送された『国民的アニメの祭典』で初めてテレビ取材に応じ国民的アニメの祭典!サザエまる子ワンピ鬼滅ちいかわ55年分の名シーン4時間SP、フジテレビ - 2024年7月14日閲覧。、合格から最初のアフレコまで2日までしかなく、周囲の反応も知らなかったことや、「モノマネをすればいいことではない」、「私らしさは考えていない」ことを話した。

人物

趣味は植物を育てること、友達と遊ぶこと。特技はピアノ、犬に好かれること、人ごみをサクサク歩けること。

声種はメゾソプラノ。ややハイトーンのボイスが特徴で、少年や少女の役を演じることが多い。

役柄を切り替えていることは特に意識はしておらず、現場に行ったらその役になるという感じだが、役に自分がうまく熱中できなく、何度も録り直しになってしまうこともあった。その間、ほかの皆を待たせしてしまうため、「申し訳ないな」と思うという。表現できない自分の力不足を感じることもあり、「これまでの方の努力を台無しにしないように」と思っているという。

難しいと感じるのは女の子らしく、優しくあまり声を張らないようなキャラクターは難しいという。あとはナチュラルなもので、自分では自然にしているつもりだが、声を出しすぎてしまっているようで実写の吹き替えなども大変だという。知っている人物からは「毒がある」と言われ、顔に出てしまうため、周囲からは「ほら、黒いのが出た!」と言われているという。

出演

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

劇場アニメ

OVA

  • おジャ魔女どれみナ・イ・ショ(2004年、飯塚けんじ)
  • ごめんね、ミーちゃん(2005年、大樹)
  • 最終試験くじらProgressive(2008年、睦の友達)
  • クイーンズブレイド 美しき闘士たち(2010年、ハチエル
  • 侵略!イカ娘(2014年、紗倉清美)※コミックス第17巻OVA付き限定版

Webアニメ

  • ベイブレードバースト スパーキング(2020年 - 2021年、チャック)

ゲーム

ドラマCD

  • 龍と竜(乙部颯太)
  • 龍と竜〜白露〜(乙部颯太)
  • 500年の営み (D4QP)
  • 忍たま乱太郎 ドラマCD シリーズ(時友四郎兵衛)
    • 忍たま乱太郎 ドラマCD 二年生の段
    • 忍たま乱太郎 ドラマCD は組の段〜上巻〜

パチスロ

  • ロックマン アビリティ 史上最大の試練(2018年、リバーシマン)

吹き替え

映画

ドラマ

アニメ

ラジオ

※はインターネット配信。

  • 沖佳苗と菊池こころのきらきらステーション!(2009年9月2日 - 2010年10月7日、DNEメディアステーション※)

CM

  • ラジオCM 日本動画協会(ナレーション)
  • TVCM ニンテンドーDS「たまごっちのプチプチおみせっち ごひーきに」(ナレーション)
  • ケーズデンキ(2024年7月 - 、ちびまる子ちゃん

舞台

  • ハートキャッチプリキュア! ミュージカルショー(2010年)ポプリ役
  • 劇団大富豪第7回公演「流星」(2011年8月3日 - 7日、笹塚ファクトリー)
  • 蜂寅企画 第十四回公演「最果て忠敬」(2018年4月11日 - 15日、中野ザ・ポケット)子日(ねのひ)役
  • 蜂寅企画 第十六回公演「幕末ほとがらひい」(2019年4月17日 - 21日、中野ザ・ポケット)まる役
  • 蜂寅企画×花柳鶴乃羽コラボ「かくのわタイガース わっしょい夏場所むすびのいちばん」(2019年8月11日、さいたま市伝統文化施設 氷川の杜文化館)茶々(ちゃちゃ)役、ト書
  • 蜂寅企画番外公演「蜂寅朗読 其の弐」(2019年11月16日、寛永寺輪王殿)ト書、老婆役、女3役

ディスコグラフィ

キャラクターソング

発売日 商品名 楽曲 備考
銀河へキックオフ キャラクターソングアルバム アイドル編 青砥ゴンザレス琢馬(菊池こころ 「地球儀リフティング」 テレビアニメ『銀河へキックオフ』関連曲
2017年7月26日 デジモンユニバース アプリモンスターズ キャラクターソング&オリジナル・サウンドトラック 新海ハル(内山夕実)&ガッチモン(菊池こころ 「ハレルヤ」 テレビアニメ『デジモンユニバース アプリモンスターズ』関連曲

出典

外部リンク

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