ボブ・サップ : ウィキペディア（Wikipedia）

ボブ・サップ（Bob Sapp、1973年9月22日出生年には1973年生まれ説と1974年生まれ説があるが、これはサップの両親が離婚、両親の出生届けが父（1973年）、母（1974年）となったためである。 - ）は、アメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングス出身のキックボクサー、プロレスラー、総合格闘家、タレント、俳優、元アメリカンフットボール選手。K-1 WORLD GP 2005 IN HIROSHIMA JAPAN GP優勝。第37代IWGP ヘビー級王者。WWA世界ヘビー級王者。

本名はロバート・マルコム・サップ（Robert Malcolm Sapp）。2005年にはマーベル・コミックの『エレクトラ』に出演しハリウッドデビューを果たす。

来歴

教育熱心で厳格な家庭で育つ。特に両親の離婚後は母の教育熱がエスカレートし、テレビ番組は教育テレビのみ視聴を許されていたとインタビューで語った。

少年時代から様々なスポーツに取り組み、高校生で既に体重が115kgあったという。ワシントン州シアトルにあるワシントン大学にアメリカンフットボールの特待生として入学し、学業では社会学と薬学を専攻。カレッジフットボールではオフェンスラインとして活躍、1997年1月のシニアボウルのメンバーにも選ばれた。

一部報道によると、不仲の両親、育児放棄の母親のもとで育ったといい、14歳の時に年齢を偽り警備業に就いたとある「2002年に最もブレークした格闘家」ボブ・サップの意外な来歴(1/3ページ) 日刊ゲンダイDIGITAL 2022/03/01 17:00 (2023年4月19日閲覧)。

1997年、NFLのシカゴ・ベアーズにドラフト3巡（全体69位）指名され入団。しかし禁止薬物使用によりシーズン開幕前にベアーズから解雇された。その後は度重なる故障に見舞われ、ミネソタ・バイキングス、ボルチモア・レイブンズ、オークランド・レイダースに所属した。

2000年、両足のアキレス腱を痛め、負傷前の状態に戻せなかったことで現役続行を断念。プロレスラーに転向し、アメリカ合衆国のプロレス団体「WCW」へ入団。同団体の養成所である「パワープラント」に一時期所属ボブ・サップ『野獣の怒り』2013年、3頁。したがWCWの倒産により数試合の（前座）出場のみにとどまった。その後、病院での遺体搬出の仕事に従事した。NFL時代のパワーリフトMAXは、ベンチプレス266kg、インクラインベンチ363kg、パワークリーン191kgと公表している。

2002年、同じく元WCW所属選手で友人のサム・グレコの紹介でK-1にスカウトされ、格闘家としてPRIDE、K-1に参戦。K-1側とは実働内容が未定のまま契約したため、当初は石井和義のボディーガードを務める話もあったという。契約内容は、1年間で契約金にファイトマネー込みで10万ドル（約950万円）という、のちの活躍からは考えられない内容だった「2002年に最もブレークした格闘家」ボブ・サップの意外な来歴(2/3ページ) 日刊ゲンダイDIGITAL 2022/03/01 17:00 (2023年4月19日閲覧)。試合ではフットボールの経験を生かした肉弾的な戦いを得意とし、自らをビーストと呼ぶことから、「野獣」「ビースト」のキャッチコピー（PRIDEでのデビュー当初は「暗黒肉弾魔人」）を得た。格闘家として活躍時の体脂肪率は11から 13%程度で、筋力維持のため毎日400g程度のプロテインパウダーを摂取しトレーニングに励んだ。来日当初は異国の勝手がわからず、その巨体を小さくして萎縮していたが、活動初期には手にした生肉を貪り食うなど食人を意識したギミック（役付け）で登場。

4月28日、PRIDE.20にて日本デビュー。山本憲尚（現山本宜久）を1R2分44秒で下した。

6月2日、K-1 SURVIVAL 2002で中迫剛と対戦、K-1ルールを無視して中迫を投げ飛ばし上から殴るなどの暴走で反則負け。乱闘騒ぎになる大荒れの試合となった。試合後、石井和義は「このままでは収まらない。2人にはきっちり決着をつけさせる」と明言した。

6月23日、PRIDE.21にて田村潔司と対戦、開始11秒でTKO勝利。

8月28日、Dynamite!にてアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラに2ラウンド4分02秒で一本負けを喫する。しかし、ノゲイラのフィニッシュ・ホールドである三角絞めを持ち上げてリングに叩きつけ阻止するなど、その怪力ぶりを発揮。同試合がサップの本格的なブレイクとされる。

9月22日、K-1 ANDY SPIRITSにてシリル・アビディにKO勝ち。

10月5日、K-1 WORLD GP 2002 開幕戦にてアーネスト・ホーストと対戦、パンチと圧力で攻め1R終了時にドクターストップによりTKO勝ち。K-1を3度制したホーストに勝利したことで知名度が急上昇した日刊ゲンダイDIGITAL 2022/03/01 17:00 (2023年4月19日閲覧)。

10月14日、新日本プロレス東京ドーム大会に出場し、中西学と対戦。久々のプロレスルール、アメリカ時代に経験できなかったビッグマッチでのメジャーカードという不利を全て規格外のパワーで吹き飛ばした。同団体において屈指のパワーファイターだった中西をパワーボムやドロップキックで圧倒し、リングアウト勝ち。ファンに強烈な印象を残すとともに、プロレスへの適用力の高さも見せつけた。

11月17日、サップをエースとするK-1によるプロレスイベント『ファンタジーファイトWRESTLE-1』を旗揚げ。フジテレビは「ボブ・サップのバトル・エンターテイメント W-1」というサップの冠番組としてゴールデンタイムに録画中継した。グレート・ムタと対戦し、毒霧やシャイニング・ウィザードを受けながらも、最後はドロップキックからのダイビング・ヘッドバットでピンフォール勝ちを収めた。

12月7日、K-1 WORLD GP 2002 決勝戦のGP準々決勝にて、出場辞退者が出たことでアーネスト・ホーストと再戦し、2R2分53秒でKO勝ち。しかし右拳を骨折しGP準決勝を棄権した。大会規定により、敗者であるホーストが準決勝に進出。サップに2度負けたホーストが王者となったK-1 12.7 東京ドーム：「肉を切らせて骨を断つ」？ホースト、前人未到の4タイムス・チャンピオンに！バウトレビュー 2002年12月7日。

12月31日、INOKI BOM-BA-YE 2002にてプロレスラー・高山善廣相手に打撃で勝負せずタックルで倒し、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めた。このころから格闘技ファンに認められ、知性派であることがメディアでも紹介され始めた。また野太い声で「ハッハッハッハッハッ」と笑う姿や流暢な日本語を交えながらおどけるそのギャップから親しみやすいキャラクターとして話題を呼び、日本のテレビ番組やCMに数多く出演することとなる。

2003年3月5日、フジテレビのバラエティ番組『力あわせてゴーゴゴー!!』での企画にて、シングル「SAPP Time!」をリリース。オリコン週間チャートは最高28位。

3月30日、K-1 WORLD GP 2003 in さいたまにてミルコ・クロコップと対戦し、フットワークでいなされ左ストレートでKO負けミルコ・クロコップが完全引退。超ストイックな闘争本能の記憶。 NumberWeb 2019/03/13 16:30（2025年4月14日閲覧）。試合後、右眼窩内側壁骨折および右眼窩壁骨折と診断されたサップ骨折癒えず復活に黄信号も「再戦は避けられない」スポーツナビ 2003年4月2日。

8月15日、K-1 WORLD GP 2003 in ラスベガスにてキモと対戦、2R1分11秒右フックでKO勝ち。試合終了後、マイク・タイソンを挑発した。

10月11日、K-1 WORLD GP 2003 開幕戦にてレミー・ボンヤスキーと対戦、2Rに倒れたレミーを殴打してしまい反則負け。

12月31日、K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!にて曙太郎と対戦、1R2分58秒でKO勝ち。当該シーンは瞬間最高視聴率で民放がNHK紅白歌合戦を史上初めて上回り、大きな話題となった。

2004年3月28日、新日本プロレスにて佐々木健介と対戦、8分24秒体固めで勝利し、第37代IWGPヘビー級王座につく。

5月3日、新日本プロレスにて中邑真輔と対戦、12分31秒体固めで勝利し、IWGPヘビー級王座の初防衛に成功する。

5月22日、K-1 ROMANEXにて藤田和之と対戦、序盤にテイクダウンをとられ、藤田の打撃を一方的に浴びタップアウトで敗北。試合後、保持していたIWGPヘビー級王座を返上。

12月31日、K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!にて1R・3RはK-1ルール、2R・4Rは総合格闘技ルールで行うミックスルールでジェロム・レ・バンナと対戦し、時間切れ引き分け。

2005年3月26日、HERO'Sにてキム・ミンスに右ストレートでKO勝利。5月からサム・グレコの下で修行し、6月14日のK-1 WORLD GP 2005 IN HIROSHIMAで開催されたJAPAN GPに出場。中尾芳広、堀啓、富平辰文を破り優勝。

7月6日、HERO'Sにてアラン・カラエフに左ストレートでKO勝利。11月5日には「HERO'S 2005 in SEOUL」においてキム・ジョンワンに、8秒でKO勝ち。

8月4日、プロレス興行「WRESTLE-1 GP 2005 開幕戦」にてジャイアント・バーナードと対戦し、5分30秒横入りエビ固めで勝利。

10月2日、「WRESTLE-1 GP 2005 2回戦」にて秋山準と対戦し、7分21秒ビーストボムからのエビ固めで勝利。

2006年5月13日、『K-1 WORLD GP 2006 IN AMSTERDAM』におけるアーネスト・ホーストの国内引退試合の対戦相手だったが、契約問題のこじれから試合直前になって試合をボイコット。サップは弁護士を介して声明文や外国人記者クラブで会見を行った。一方のFEG社長・谷川貞治は会見にて、サップへの法的措置を講じるとして、両者で争うこととなったK-1 ついにサップと法廷闘争へ。PRIDE参戦のメレンデスも提訴 BOUTREVIEW 2006年10月11日。『サンデー毎日』2006年12月31日号にて、映画へ出演するとともに、獣医を目指して勉強中と報じられた。10月15日、WWEのトライアウトを受けている。

2007年2月10日、Cage Rage 20のリングに上がり、同年4月21日のCage Rage 21への参戦を表明したが、開催直前に出場がキャンセルされたケージレイジ 4.21 ロンドン：サップまたも急遽欠場。代役アボット BOUTREVIEW 2007年4月20日。

6月、サップを契約違反として民事裁判の提訴をしたK-1と和解ボブ・サップが緊急来日、K-1と電撃和解! 因縁の地・オランダでピーター・アーツとの復帰戦が決定スポーツナビ 2007年6月18日。6月23日のK-1 WORLD GP 2007 IN AMSTERDAMにてピーター・アーツと対戦。開始早々に突進しみぞおちへの左膝蹴りを受けダウン、そのまま立ち上がれず26秒でKO負け。その姿に観客からは大ブーイングとともにリングに物が投げ入れられた。試合後の会見で谷川貞治K-1イベントプロデューサーは裏切られたと不快感を露わにしている(レポ) K-1 6.23 オランダ：サップ秒殺負け。スロウィンスキー優勝 BOUTREVIEW 2007年6月26日。なお、同試合前に発表されたサップの体重は180kgと、1年前に比べ20 - 30kg増加し体が緩んでいた。各メディアにて練習不足による肥満が指摘された。

10月16日、ハッスルの会場に姿を現し、モンスター・ボノの「バブー」をもじり「ボブー」と発した。11月22日、ハッスルマニア2007でHGに勝利。

12月31日、K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!でボビー・オロゴンと対戦、マウントパンチでKO勝ち。

2008年2月23日、米国での総合格闘技デビュー戦となるStrikeforce: At The Domeでヤン・"ザ・ジャイアント"・ノルキヤと対戦し、パンチを連打されTKO負け。Strikeforceと15試合の長期契約を締結したと報道された。

12月31日、Dynamite!! 〜勇気のチカラ2008〜のDJ OZMAプロデュース試合にてキン肉万太郎と対戦し、スタンドパンチ連打でTKO勝ちを収めた。

2009年1月、北海道日本ハムファイターズの坪井智哉と東京都内のジムにて自主トレーニング（格闘技トレーニング）を行った。

5月26日、DREAM.9のスーパーハルクトーナメント1回戦にてミノワマンと対戦し、アキレス腱固めで一本負け。

6月27日、Ultimate Chaosにてボビー・ラシュリーと対戦し、パウンドで1ラウンド3分17秒タップアウト負け。闘争心を見せない試合ぶりに観客からブーイングを浴びる【Ultimate Chaos】ラシュリーが戦意なきサップを撃破 MMAPLANET 2009年6月28日。

10月6日、ゲガール・ムサシの負傷欠場により敗者復活となり【DREAM】10・6川尻達也がレスリングの強豪と対戦！ボブ・サップが敗者復活格闘技ウェブマガジンGBR 2009年9月18日、DREAM.11のスーパーハルクトーナメント準決勝でソクジュと対戦し、パウンドでTKO負け。

2010年、格闘家として第一線を退き、韓国でトークショーの司会や、会社経営に着手していると明かした文化放送大竹まことゴールデンラジオにて2010年7月8日放送。

11月27日、スウェーデンのRumble of the Kingsのメインでユルゲン・クルトとK-1ルールで対戦し、ひざ蹴りを食らって戦意喪失し、タオル投入による1ラウンド98秒のTKO負けサップがお決まりの戦意喪失、キシェンコは本領発揮 livedoorスポーツ（MMAPLANET配信記事）2010年11月30日Rumble of the Kings 主要試合レポート MMAPLANET 2010年11月30日。

12月31日、Dynamite!! 〜勇気のチカラ2010〜にて鈴川真一とIGF特別ルールで対戦予定だったが、試合放棄したため「サップの戦意喪失」として不戦敗扱いとなったDREAM公式サイトによる試合詳細【Dynamite!!】ボブ・サップがまたしても敵前逃亡！当日に試合をドタキャン格闘技ウェブマガジンGBR 2010年12月31日。試合放棄についての詳細は、#人物・エピソードの2010年Dynamite!!試合放棄およびFEGのファイトマネー未払い問題を参照。

2011年8月、東日本大震災に伴うチャリティーオークション参加や避難所訪問を行ったボブサップが避難所を訪問　支援とエールを贈る。

2013年1月4日、新日本プロレスの矢野通からラブコールを受け、CHAOSのサポートメンバーとして久々にプロレスに参戦。タッグメンバーの飯塚高史が中西学のアルゼンチンバックブリーカーによるギブアップで敗北。試合後のバックステージにて新日本プロレスへの再参戦の意思を見せた。同日の試合の対戦組メンバーには、2003年12月31日のK-1で対戦した曙がいた。

3月、著書『野獣の怒り』で、谷川貞治の放漫なマネジメントを批判。また自身はドン・フライほか引退したファイターへの支援活動を開始しており、40歳での引退を表明した。

9月には、武藤敬司の設立したプロレス団体「WRESTLE-1」の旗揚げ戦に参加、メインイベントで武藤とタッグを組み、ゾディアック&レネ・デュプリに勝利した。

2015年12月31日、RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYSにて曙と再戦し、判定勝ち。

2017年12月21日発売の『週刊文春』にて、2011年春から2017年1月のおよそ6年間にわたり内縁の妻に対して暴行を加え続けたと報道された。女性は鼓膜破裂、肋骨骨折、鼻骨骨折などの重傷を負ったとされる。暴力を恐れた女性が子どもを連れて日本へ帰国後も、7000通のメールを女性に送るなど、サップによるストーカー行為が行われたという。暴行の背景には、鎮痛剤、筋肉増強剤、興奮剤などの薬物使用が影響しているとみられる。誌上には暴行を加えられた痕跡のある女性の写真など、証拠が掲載されたボブ・サップからのDV地獄6年　日本人恋人が決死の告白　文春オンライン 2017/12/20(文藝春秋、2018年3月2日閲覧)。同報道に際して、NFLはステロイド使用によって追放されたとする説も伝えられたボブ・サップが薬物依存でDV疑惑？朝青龍との対戦見送りや逮捕の可能性もデイリーニュースオンライン 2017.12.20 21:26 (2022年8月30日閲覧)。

2018年9月30日、RIZIN.13にてMMAデビュー戦の大砂嵐と3R特別MMAルールにて対戦。1R相手の打撃で劣勢となるが、2・3Rに優勢に立ち判定勝ち。8年ぶりとなるMMAルールでの勝利となった。

2021年1月の一部報道によると、グアテマラでプロレス関連のビジネスを行い、現地に自宅を構えて悠々自適に生活しているという大晦日の格闘技イベントの常連だったボブ・サップの今韓国やグアテマラにも活動の幅を広げる？リアルライブ 2021年01月03日 12時10分 (2021年4月25日閲覧)。

2023年11月にボディビル挑戦を表明。2024年4月7日、ミスター・オリンピアや、IFBBプロカードを得られる大会への出場権が得られるボディビル大会「ワールド・モンスター・ジム9」スーパーヘビー級で3位入賞50歳ボブ・サップ、ボディビル3位の彫刻ボディに「満足はしていない、チャンピオンになる！」イーファイト 2024/04/09 (2024年4月30日閲覧)。

2024年5月には『中央日報』により、グアテマラおよび日本国籍の女性2人と同時に結婚状態にあると報じられ、その様子が韓国のYouTubeチャンネル「ヘルチャンTV」にて伝えられた。なお、サップがこの時点で重婚罪が適用される国に在住しているかは不明ボブ・サップ、韓国のユーチューブチャンネルで「２人の妻と暮らしている」公開中央日報日本語版 2024.05.05 12:57 (2024年5月5日閲覧)。

人物・エピソード

全盛期は、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとの対戦でパワーボムを放つなど怪力を生かしたセオリー無視のファイターだった。技術の習得後はセオリーにはまって弱体化した平直行『平直行の格闘技のおもちゃ箱』（2006年、福昌堂）pp.283-286.　ISBN 4892247979。

一部で「ボブ・サップは元NFLプレイヤーのウォーレン・サップ（2013年プロフットボール殿堂入り）の兄弟（または従兄弟）である」という誤報が流れたが、両者に血縁関係はない。なお、ウォーレン・サップはフロリダ州オーランド出身であり、マイアミ大学の卒業生である。

2006年5月13日、『K-1 WORLD GP 2006 IN AMSTERDAM』におけるアーネスト・ホーストの国内引退試合の対戦相手だったが、契約問題のこじれから試合直前になって出場を固辞、試合をボイコットしている。FEG側は「（サップ側から）試合前に無理難題を吹っかけられ、拒否すると突然『やらない』と言い出した」とした。サップの要求内容は「契約上明かすことはできない」として説明は避けている。契約上の問題から法的措置も検討しており、K-1永久追放の可能性も示唆していた。このとき谷川は、4月23日のプロレスリング・ノア日本武道館興行のオファーを断っていたと明かした。本人はハッスルに参戦したいと語っている。2006年6月27日、サップはボイコットに関しての声明を発表、その中でオランダにおいてK-1を共催した人物から脅されたと語った「ボブ・サップ声明文 K-1欧州GPの真相について」スポーツナビ 2006年6月29日。同年6月29日、K-1サイドは「事実に反する」とし、サップ側から長期契約からのリリース要求があったと主張「谷川氏、サップ声明文を否定。『事実に反する』」スポーツナビ 2006年6月29日。同年7月3日、ボブ・サップの代理人よりK-1サイドの事実誤認に対する指摘がなされた「ボブ・サップ代理人、谷川氏の反論について重大な事実誤認を指摘」スポーツナビ 2006年7月3日。2007年6月、サップ側の申し入れによりFEGと和解、6月23日の『K-1 WORLD GP 2007 IN AMSTERDAM』への出場が決定した。しかし、試合内容に激怒した谷川は、損害賠償などの法的措置を取り下げない旨を発表。2010年12月31日の『Dynamite!! 〜勇気のチカラ2010〜』では、エグゼクティブプロデューサー・アントニオ猪木による提供試合としてIGF特別ルールで鈴川真一と対戦することとなったDynamite!!】12・31石井慧は“K-1の番長”バンナと対戦!猪木特別試合で鈴川VSサップ格闘技ウェブマガジンGBR 2010年12月22日。しかし当日にサップが試合放棄し、戦意喪失による鈴川の不戦勝と発表された。これを受けて谷川は1月1日の記者会見にて「二度と呼ぶことはないでしょう」とFEG関連興行から事実上の永久追放宣言をした【ニュース】谷川代表がFEG再建を発表!春からイベント再開、海外大会も示唆格闘技ウェブマガジンGBR 2011年1月1日。谷川は、サップが「売店で俺のフィギュアが売っているが、ロイヤリティをもらってない」と言っていたという。また素手で戦うIGF特別ルールが、プロレスか格闘技かの解釈の違いでファイトマネーのトラブルが発生したという臆測については、FEG・IGFともに格闘技の「つもり」で、オファーしたと主張している『kamipro』No.155、エンタープレイン、2011年、p.55。谷川貞治インタビュー。。一方のサップ側は、3万ドルのファイトマネーでFEGからオファーされたが、来日すると1万5千ドルに半減していたことが試合放棄の原因だとインターネットメディアで主張したBob Sapp explains DREAM "Dynamite!! 2010" no-show, says DREAM is "broke" MMA JUNKIE.COM 2011年1月18日。対戦相手だった鈴川が所属するIGFの渉外であるサイモン・ケリー猪木がTwitterにて、「一番悪いのは主催のFEGだ」とサップを擁護しているSimonInoki 2011年1月17日。また、同時期から主催者であるFEGが多額の負債により各選手へのファイトマネーが未払いになっていたことがのちに発覚（FEGの項参照）し、サップの主張が裏付けられるかたちとなった。

暴露本「野獣の怒り」

2013年、自身の証言を口述筆記した暴露本『野獣の怒り』を双葉社より出版。同著での内容は以下のとおりである野獣ボブ・サップ怒りの暴露「格闘技界のカネ、女、ＦＢＩ」 vol.1デジタル大衆週刊大衆4月1日号野獣ボブ・サップ怒りの暴露「格闘技界のカネ、女、ＦＢＩ」 vol.2 デジタル大衆週刊大衆4月1日号。

リング上関連: 自身とK-1の関係悪化の要因は谷川の拙い能力やK-1という組織のずさんな経営実態にあったと主張、FBIがK-1やPRIDEの組織的犯罪を疑惑視している説も唱えた。

2006年5月15日開催の『K-1ワールドグランプリ』アムステルダム大会は、敵前逃亡ではなく契約延長の話がまとまらず無契約のまま当日を迎えたため試合を行えないと判断したことが真相。出場を拒んだ自身に対してオランダ人プロモーターがマフィアらしき男と共に控室でギャングの存在を示唆しつつ銃を取り出す仕草を見せて出場を強要したと説明した。
2006年のある日、FBIからの捜査協力要請を受けオフィスへ向かった。担当官は捜査の詳細に触れなかったが自身は「FBIはK-1の組織的犯罪、マネーロンダリングや脱税、そしてマフィアやヤクザとの関係などを疑惑視している」と悟った旨が記述されている。
谷川との関係悪化の原因は2003年12月31日の曙戦だった。この件について「イベントは大成功だったが、それで谷川は天狗になってしまった。最初に会った頃は腰の低い、シャイでいいヤツだったんだけどな……」と谷川の豹変ぶりに触れた。また当該試合にて、1R終了間際に曙がうつ伏せに倒れ微動だにしなくなった際のレフェリーの対応に対し「"（完全にダウンしているのに）何をやっているんだ!"と思ったよ。試合を続けさせたい"別の理由"でもあるのかと疑ったくらいだ。試合終了のゴングが鳴るや、オレは曙のもとに走った。曙を助けないと、本当に死んでしまうと思ったんだよ」とK-1の安全管理に拙さを感じたと語っている。
ガオグライ・ゲーンノラシンが貧窮にあえぎ、タイ国内にて（タイの物価相場が日本の10分の1程度とはいえ）1戦10ドルから20ドルのファイトマネーで試合をこなし、日々の糧を受けていた旨の記述がある。

リング外

K-1ファイターの中には婦女暴行を起こすものも存在したためK-1側がグルーピーの女性を一部ファイターに手配しトラブルの可能性を未然に避けていたという。自らの性的嗜癖についても記述がある。
元ファイターの窮状について、「ゲーリー・グッドリッジはパンチドランカー、アレクセイ・イグナショフはアルコール依存症、マイケル・マクドナルドカナダ出身の格闘家で、1965年生まれ。彼とは別にアメリカ出身で同姓同名の格闘家・マイケル・マクドナルドが存在するが、こちらは1991年生まれでありUFCを中心として総合格闘技一本に絞った競技生活を送っている。後者はK-1崩壊に至るまでK-1参戦経験がない。は統合失調症に苦しんでいる」と証言している。そうしたファイターをサポートすべくスポンサーから集めた引退基金を彼らに還元できるよう活動中であると明かした。
マイク・タイソンとはプライベートで食事をする間柄である。ファイトマネーでの折り合いや、タイソンの犯罪歴により日本へ入国できないといった問題によりK-1マットでタイソン戦が実現できないと当初から予想していたことが明かされている。

戦績

総合格闘技

キックボクシング

ミックスルール

タイトル歴

新日本プロレス

第37代IWGPヘビー級王座

K-1

K-1 WORLD GP 2005 IN HIROSHIMA JAPAN GP 優勝

WWA

WWA世界ヘビー級王座 : 1回

プロレス大賞

2002年度プロレス大賞最優秀選手賞

得意技

ビーストボム: 自らも前方に倒れこむ形のパワーボムを使用。プロレスでのフィニッシュ・ホールド。
ドロップキック: 正面飛び式を使用。あの巨体から繰り出されるとは思えない程、打点が高い。コーナーポスト最上段からのミサイルキックはフィニッシュブローとしても使われた。
ビーストバックブリーカー
ビーストラリアット: カウンター式のラリアット
ゴリラプレス
喉輪落とし