松久淳 : ウィキペディア(Wikipedia)

松久 淳(まつひさ あつし、1968年12月23日 - )は、日本の作家。

経歴

東京都葛飾区生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。

月刊誌編集者を経て、フリーの編集者・ライターに。書籍以外に、雑誌の特集、ムック、映画パンフレットなども多く手がける。

1999年にエッセイ『男の出産』で単行本デビュー。

2000年に小説『天国の本屋』を発表。発売時の売れ行きは芳しくなく、在庫品となっていたものを岩手県盛岡市「さわや書店」店長が偶然読んで感動し、独自に宣伝して評判を広めたことによりロングセラーとなった。

『天国の本屋』も含め、「松久淳+田中渉」という筆名のコンビ作家としても活動している。

2010年、第13回みうらじゅん賞受賞。みうらじゅんの語り下ろし本の執筆も多数手がけている。

サタミシュウ名義の著作がある。

主な作品

「松久淳」著作

  • 男の出産 1999(河出書房新社/新潮文庫)
  • 愛があるから大丈夫 2003(主婦の友社)
  • ヤング晩年 2003(小学館)
  • 愛の教訓 2004(小学館)
  • マリコはたいへん! 2006(小学館/小学館文庫)
  • 彼女が望むものを与えよ 2007(光文社) *サタミシュウに名義変更し2018年文庫化。
  • どうでもいい歌 2010(小学館)
  • 中級作家入門 2014(角川書店)
  • もういっかい彼女 2016(小学館)
  • 猫の話をそのうちに 2017(小学館)
  • 走る奴なんて馬鹿だと思ってた 2019(山と渓谷社)

「松久淳+田中渉」著作

  • 天国の本屋 2000(かまくら春秋社/新潮文庫)
  • 天国の本屋 うつしいろのゆめ 2002(木楽舎/新潮文庫)
  • 天国の本屋 恋火 2002(小学館/小学館文庫/新潮文庫)
  • プール 2002(小学館)
  • 四月ばーか 2003(講談社/講談社文庫)
  • 白いお別れ 2003(幻冬舎/幻冬舎文庫)*文庫刊行時「ホワイトグッドバイ」から改題
  • ラブコメ 2004(小学館/小学館文庫)
  • ウォーターマン 2005(講談社)
  • ストーリー&テリング 2006(小学館/小学館文庫)
  • ラブかストーリー 2007(小学館)
  • あの夏を泳ぐ 天国の本屋 2008(新潮社/新潮文庫)
  • ふしぎ自転車チャリィ 2008(小学館)
  • かみつき 2014(扶桑社)
  • 麻布ハレー 2017(誠文堂新光社)
  • きっと嫌われてしまうのに 2017(双葉社)

「サタミシュウ」著作

  • 私の奴隷になりなさい 2005(角川書店/角川文庫) *文庫時「スモールワールド」から改題
  • ご主人様と呼ばせてください 2005(角川書店/角川文庫) *文庫時「リモート」から改題
  • おまえ次第 2008(角川文庫)
  • はやくいって 2009(角川文庫)
  • 恋するおもちゃ 2011(角川文庫)
  • 彼女はいいなり 2012(角川文庫)
  • かわいい躾 2012(角川文庫)
  • SでもMでもなくこれは恋とか愛 2014(角川文庫)
  • 私はただセックスをしてきただけ 2015(角川文庫)
  • 彼女が望むものを与えよ 2018(角川文庫) *松久淳の2007年作品を名義変更し文庫化。

共著

  • 吹替映画大事典 1995(三一書房、とり・みき他と吹替愛好会として)
  • 美 2001(小学館、リリー・フランキー他と日本美女選別家協会として)
  • 夢の中まで語りたい 2008(マガジンハウス/マガジンハウスポケット、大泉洋との共著)*新書刊行時「男のミカタ1 夢の中まで語りたい」に改題
  • 男のミカタ 2009(マガジンハウス/マガジンハウスポケット、大泉洋との共著)*新書刊行時「男のミカタ2 酒の席で説教はやめてください」に改題

寄稿

  • 高橋幸宏『Turning The Pages Of Life THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI IN EMI YEARS 1988-1996』(2009年) - ライナーノーツ執筆

映像化作品

  • 天国の本屋〜恋火 2004.6公開(主演:竹内結子/監督:篠原哲雄/配給:松竹) - 「天国の本屋」と「天国の本屋 恋火」の2作品が原作。
  • ラブコメ 2010.9公開(主演:香里奈/配給:ショウゲート)
  • 私の奴隷になりなさい(2012 主演:壇蜜/配給:角川映画)
  • ご主人様と呼ばせてください 私の奴隷になりなさい・第2章(2018 主演:行平あい佳/配給:角川映画)
  • おまえ次第 私の奴隷になりなさい・第3章(2018 主演:杉山未央/配給:角川映画)

人物

  • 好きな作家は野坂昭如筒井康隆。影響を受けた作家は永倉万治と景山民夫
  • 海外の作家で好きなのはニール・サイモンレイモンド・チャンドラーである。
  • 好きなミュージシャンはムーンライダーズと高橋幸宏バート・バカラック
  • もっとも尊敬する人物は広川太一郎。映画評を多く手がけるが、得意ジャンルは洋画吹替と、ヒュー・グラントを筆頭とするラブコメ映画。
  • 1999年に刊行されたとり・みきの漫画『御題頂戴』(ぶんか社)に「軟体人間・松久淳」がキャラクターとして登場している。同書、P.111-114
  • 2009年、40歳の頃に鬱状態に陥ったが立ち直った。当時を振り返って、松久はみうらじゅんの言葉に勇気づけられたと述べている。

参考文献

  • 松久淳『中級作家入門』(2014年、KADOKAWA)

関連項目

  • 日本の小説家一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/17 00:18 UTC (変更履歴
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