サルバドール・ペレス : ウィキペディア(Wikipedia)

サルバドール・ペレス・ディアスSalvador Pérez Diaz, 1990年5月10日 - )は、ベネズエラのカラボボ州バレンシア出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。MLBのカンザスシティ・ロイヤルズに所属。愛称はSALVY(サルヴィー)Royals Players Weekend nicknames explained MLB.com (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧。

経歴

プロ入り前

4歳の時に両親が離婚し、以後母親の手によって育てられる。丁度その頃に野球を始めたが、初めて捕手を務めたのは8歳の時であった。早くから才能を発揮し、12歳になる頃にはコーチから「将来のメジャーリーガー」と見なされるようになっていたKaegel, Dick(2011-09-22). Mom's support has Perez on Royals' fast track. MLB.com(英語). 2011年9月22日。

プロ入りとロイヤルズ時代

9月27日にアマチュアFAとしてカンザスシティ・ロイヤルズと契約。

にルーキーリーグでデビューすると、盗塁阻止率48%を記録して注目されるSickels, John(2011-08-12). Prospect of the Day: Salvador Perez, C, Kansas City Royals. Minor League Ball(英語). 2011年9月29日閲覧。守備に比べて打撃は課題とされていたが、はA+級ウィルミントン・ブルーロックスでリーグ8位の打率.290を記録したKaegel, Dick(2011-08-10). Perez, catcher of the future, called on by Royals. MLB.com(英語). 2011年9月29日閲覧。

はAA級ノースウエストアーカンソー・ナチュラルズでスタートしたペレスは、79試合で打率.283、9本塁打という成績を残し、AAA級オマハ・ストームチェイサーズへ昇格。首脳陣はロースターが拡大される9月にペレスを昇格させる構想だったが、とブライアン・ペーニャの両捕手が離脱したことにより、予定より早くメジャーへ昇格することになった。8月10日のタンパベイ・レイズ戦でデビューしてからは、21歳という若さながら正捕手として起用された。

2月26日にまで5年700万ドルの契約を結んだ。からまでのオプションを含めると8年2175万ドルとなり、最大で500万ドルの出来高もつくRoyals sign catcher Perez to five-year extension worth $7 million KansasCity.com。しかし、スプリングトレーング期間中に左膝の半月板を痛め、復帰したのは7月になってからだったRoyals activate catcher Salvador Perez from DL The Score。復帰後は3割を超える打率を残し、リーグ1位の盗塁阻止率42%を記録した。

はシーズン開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ代表に選出されたTournament Roster The official site of World Baseball Classic 2016年3月3日閲覧 。同大会では、ミゲル・モンテロの控えとして2試合に出場した。シーズンでは初めて規定打席に到達し、オールスターゲームに初選出された。捕手としての出場試合数(137)はマット・ウィータースに次いでリーグ2位。オフには、自身初のゴールドグラブ賞を受賞した。

は自己最多となる150試合に出場し、捕手としての出場試合数(146)は両リーグ1位。打率こそ、メジャーデビュー以来初めて2割9分を下回ったが、二塁打と本塁打で自己ベストを更新。またメジャー初盗塁も決めた。守備では失策9(守備率.992)、DRS+12、3年連続30%以上となる盗塁阻止率という成績を残した。2年連続でのオールスター選出、チームのプレーオフ進出もあり、充実したシーズンを過ごした。9月30日のオークランド・アスレチックスとのでは、延長12回裏にサヨナラ安打を放ち、ディビジョンシリーズ進出に貢献した。オフには2年連続となるゴールドグラブ賞を受賞した。また11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出されたMLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧。

はオールスターゲームの投票では2位のラッセル・マーティンらに大差をつけ1100万票以上獲得し、3年連続で選出された。この年は142試合に出場し、打率.260、21本塁打、70打点を記録した。しかしメジャーデビューから4年連続で出塁率は低下した。守備では139試合で守りに就き、捕手では4失策、自己最高の守備率.996、盗塁阻止率31%という成績を残した。

はシーズン開幕前の3月1日に既存契約のうち2017年以降の球団側選択オプションをなくし、新たに2021年までの5年総額5250万ドルで契約を延長した。シーズンでは139試合に出場して打率.247、22本塁打、64打点という成績を記録。打率と合わせて119三振も喫した一方、本塁打と二塁打(28二塁打)はいずれも自己最多(二塁打はタイ)を記録した。オフの12月5日に第4回WBCのベネズエラ代表に選出された24 All-Stars among initial confirmed players for 2017 World Baseball Classic MLB.com Press Release (2016年12月5日) 2016年12月15日閲覧。

はシーズン開幕前に選出されていた第4回WBCに参加。3月10日のイタリア戦で負傷し、代表を離脱したSalvy suffers knee injury, out of Classic MLB.com (2017年3月10日) 2017年3月15日閲覧。シーズンでは6月10日に通算100本塁打を達成したPerez hits homer No. 100 in big 8th inning MLB.com (2017年6月10日) 2017年6月25日閲覧。

3月にトミー・ジョン手術を受け、シーズンを全休した。

はシーズン開幕前にアメリカ国籍を取得した。7月4日には新型コロナウイルスに陽性反応を示した。シーズンではコロナウイルスの影響で60試合の短縮シーズンとなった中で2シーズンぶりに復帰し、37試合に出場し、打率.333、11本塁打、32打点の成績を記録。オフには自身3度目となるシルバースラッガー賞を受賞すると同時に、カムバック賞も受賞した。12月9日にオールMLBチームのファーストチーム捕手に初選出された。

はシーズン開幕前の3月21日にロイヤルズと4年総額8200万ドルで契約延長した。オプションとして2026年は球団側が選択権を所持し、バイアウトの際は200万ドルが支払われる。シーズンでは7月1日に通算7度目、ファン投票では通算6度目となるオールスターゲームに選出された。オールスターゲーム前日の7月12日に「7番・捕手」で先発出場することが発表された。また、同日に開催されたホームランダービーでは第1ラウンドでメッツのピート・アロンソに敗れて敗退した。7月13日に開催されたオールスターゲームでは先発出場し、5回裏にレイズのマイク・ズニーノと交代した。シーズン終盤にはエンゼルスの大谷翔平、ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロ・ジュニアとの激しい本塁打王争いを展開した。最終的にゲレーロ・ジュニアと同数で本塁打王、単独での打点王のタイトルを獲得した。 オフの11月23日に2年連続2度目となるオールMLBチームのファーストチーム捕手に選出された。

はシーズン開幕前の3月に開催された第5回WBCのベネズエラ代表に選出され、3大会連続3度目の選出を果たした。 シーズンでは7月2日にMLB選出で通算8度目となるオールスターゲームに選出された。

2024年はチームを10年ぶりにプレーオフへと導く貢献をし、通算9度目となるオールスターゲームに選出された。10月27日にはロベルト・クレメンテ賞を受賞し、11月12日には5度目となるシルバースラッガー賞を受賞した。

選手としての特徴

身長は6フィート3インチ(約190.5cm)で、捕手としては高身長の部類に入るが、守備動作は俊敏で、パスボールも少ない。肩の強さ、送球の正確さも非常に優秀で、マイナーでの通算盗塁阻止率は4割を超えている。

打撃では平均以上のパワーを持ち、打率を残すコンタクト技術もあるが、積極的に打って行くフリースインガーであるため、四球が少なく、結果として出塁率は伸びない。

人物

2015年に阪神タイガースに所属していたマリオ・サンティアゴとは友人であり、サンティアゴがNPBで初勝利した際には、お祝いメールを送信している デイリーニュース (2015年5月16日) 2015年7月12日閲覧。

詳細情報

年度別打撃成績

KC39158148204982370210002701205.331.361.473.834
7630528938871601113639000312312714.301.328.471.798
138526496481452531321579000521246313.292.323.433.757
150606578571502821723370100322238522.260.289.403.692
142553531521382502122670100513448223.260.280.426.706
1355465145712728222225640002223811912.247.288.438.725
129499471571262412723380100517359523.268.297.495.792
12954451052120230272248011051701210819.235.274.439.713
3715615022501201195321001302360.333.353.633.986
161665620881692404833712110042841317014.273.316.544.859
114473445481132312320776000318271099.254.292.465.757
14058053859137210232278000081961313511.255.292.422.714
158652590581602802726910400064491112917.271.330.456.786
MLB:13年15526263588065615712851127326979166105224338841178182.267.303.459.762
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBCでの打撃成績

年度代表試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁死犠飛四球敬遠死球三振併殺打打率出塁率長打率
20132013 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年4月5日閲覧ベネズエラ255111002000000010.200.200.400
20172017 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年4月5日閲覧287221016200010101.286.375.857
20232023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年4月5日閲覧415145640113600000110.429.467.929

年度別守備成績

年度球団捕手(C)一塁(1B)
試合刺殺補殺失策併殺守備率捕逸企図数許盗塁盗塁刺阻止率試合刺殺補殺失策併殺守備率
2011KC392902132.990233267.212-
2012745225344.9933432518.419-
20131379307174.9933714625.35212010.667
201414610377295.9925825725.305-
201513997490410.9964956629.305120011.000
20161289897744.9965774037.481130001.000
20171157844653.9943745420.270-
201896690690111.0004422725.4813251021.000
2020342956011.00001183.2733150041.000
202112497561212.9981412318.439-
2022775483033.9951291910.345-
2023916552512.999263549.1432314914113.994
2024917302557.9933483711.22949334250311.000
MLB129194196464768.99536719482237.3308153040251.997
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞

タイトル

  • 本塁打王:1回(2021年)
  • 打点王:1回(2021年)

表彰

MLB
  • ロベルト・クレメンテ賞:1回(2024年)
  • シルバースラッガー賞(捕手部門):5回(2016年、2018年、2020年、2021年、2024年)
  • ゴールドグラブ賞(捕手部門):5回(2013年 - 2016年、2018年)
  • ワールドシリーズMVP:1回(2015年)
  • カムバック賞:1回(2020年)
  • ルー・ゲーリッグ賞:1回(2021年)
  • オールMLBチーム
    • ファーストチーム捕手:2回(2020年、2021年)
国際大会
  • オールWBCチーム:1回(捕手部門:2023年)
  • WBCマイアミラウンドMVP:1回(2023年)

記録

  • MLBオールスターゲーム選出:9回()

背番号

  • 13(2011年 - 2018年、2020年 - )
    • 15(2013年WBC、2017年WBC)

代表歴

  • 2013 ワールド・ベースボール・クラシック・ベネズエラ代表
  • 2017 ワールド・ベースボール・クラシック・ベネズエラ代表
  • 2023 ワールド・ベースボール・クラシック・ベネズエラ代表

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 P
  • ベネズエラ出身のメジャーリーグベースボール選手一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/13 00:14 UTC (変更履歴
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