ルース・スタイルス・ガネット : ウィキペディア(Wikipedia)
ルース・スタイルス・ガネット(、1923年8月12日 - 2024年6月11日)は、アメリカの児童文学作家。『My Father's Dragon』『Elmer and the Dragon』『The Dragons of Blueland』(日本語題『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』)の3部作の著者として知られる。
経歴
1923年8月、ニューヨーク州ブルックリン区で誕生した。父はジャーナリスト、母はイラストレーターであり、書くことが自然な家庭に育った。ガネット自身も3歳の頃から、当時通っていた保育学校が創作活動を重視していた影響で、物語を考えることを好んでいた。1944年にヴァッサー大学を卒業した後、医学や戦中の兵器の研究所に勤めたが、諸事情で数か月で退職した。
22歳のとき、アルバイトの傍らで、処女作となる『My Father's Dragon』(エルマーのぼうけん)を書き始め、児童文学に詳しい父、挿絵画家の義母(離婚した父の再婚相手)、後に夫となる恋人の画家の協力を経て、1948年に『My Father's Dragon』を刊行した。同1948年、当時ニューベリー賞と並んで権威のあった春の児童図書賞を受賞し、翌1949年にはニューベリー賞優秀作品にも選ばれた。
1951年までに、『Elmer and the Dragon』(『エルマーとりゅう』)、『The Dragons of Blueland』(『エルマーと16ぴきのりゅう』)を著した。『My Father's Dragon』を含むこの計3部作は10か国語に翻訳され、世界的ベストセラーとなった。数々の外国語訳の中でも、日本語訳は最初の外国語訳であり、ガネットにとって印象深いものとなった。
このシリーズ刊行後、職業作家にはならず、執筆活動はほとんど行わなかった。『My Father's Dragon』などを執筆した理由は「子供の頃の物語を作る楽しみを、大人になってまた味わいたくなった」「子供の頃のように自分が楽しむためであり、仕事としてではない」「作家になりたいと思ったことは一度もない」と語っていた。その一方で差別に反対し、ワシントンでの全米黒人地位向上協会の活動や、核軍縮運動にも参加した。
私生活では1947年に、『My Father's Dragon』刊行に協力したピーター・カーンと結婚した。「大人になったら、ずっと『お母さん』をやりたいと思っていた」と語っており、7人の娘の母としての生活を大切にした。2018年までに、孫8人、曾孫1人に恵まれた。2024年6月にアメリカで、満100歳で死去した。
著作
- My Father's Dragon(1948年)
- The Wonderful House-boat-train(1949年)
- Elmer and the Dragon (1950年)
- The Dragons of Blueland (1951年)
- Katie and the Sad Noise(1961年)
参考文献
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/06/25 12:38 UTC (変更履歴)
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