清水利晃 : ウィキペディア(Wikipedia)

清水 利晃(しみず としあき)は、日本のA&R、マネージャー。

人物

メジャーデビュー時より、ゆらゆら帝国のA&R、マネージメント、プロモーションを担当した後、KenKen(RIZE)やMIYAVIのマネージメントを手掛ける。その他にも、あぶらだこ、MASONNAなどのアヴァンギャルド・シーンの著名アーティストとも協働。

また近年では、GEZANや相対性理論など、比較的新しい世代によるバンドのライブ制作も引き受けている。

略歴

1991年~1996年(江戸屋レコード)

1988年に通販によるインディーズ・レーベルとして、Charが立ち上げた江戸屋レコードに入社し、1991年より音楽業界でのキャリアをスタート。CharやTOKYO No.1 SOUL SETなどのセールスを担当。

1996年~2003年(ミディ / ヨロシタミュージック)

ゆらゆら帝国がミディと契約したことに伴い、清水はマネージャーとして江戸屋レコードから、大蔵博が設立したレコード会社であるミディに移籍。(同じく大蔵が設立した法人に音楽事務所のヨロシタミュージックがあり、清水のクレジットには同社が併記されていることもある)

この移籍の経緯は、清水が江戸屋レコードでゆらゆら帝国と契約交渉を進めている最中に会社が「解散」を発表し、ゆらゆら帝国はミディと契約してデビューすることになり、清水もマネージャーとしてミディへ移ったことによる。

ミディ在籍時には、ゆらゆら帝国のA&Rやマネージメントと並行して、あぶらだこ、MASONNNA、MAD3、BORISなどアヴァンギャルドなアーティストのA&Rも積極的に手掛けている。

2003年~2005年(INTERCEPTOR)

ゆらゆら帝国がミディからソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズへ移籍したことに伴い、(株)INTERCEPTORを設立し、エージェントとしてゆらゆら帝国の業務を継続。10thアルバム『Sweet Spot 』のリリースまでA&Rやマネージメントを担当。

2006年~2008年(江戸屋レコード)

およそ10年ぶりに江戸屋レコードへ復帰。RizeのベーシストKenKenのマネージメントを担当し、2ndアルバム『ARRIVAL of INVADERS』(2007年)のリリースを手掛ける。

2008年~2010年(パーフェクトミュージック)

神聖かまってちゃんの所属する音楽事務所パーフェクトミュージックに籍を移し、新人アーティスト育成のほか、およそ10年ぶりに再会(詳細は後述)した劔樹人がベーシストとして在籍していたバンド、あらかじめ決められた恋人たちへのマネージメントを担当する。

2010年~2011年(J-glam)

MIYAVIがEMI ミュージック・ジャパン移籍したタイミングで、MIYAVIの個人事務所であるJ-glamに転籍してマネージメントを担当し、ワールド・ツアー「NEO TOKYO SAMURAI BLACK WORLD TOUR 2010」に同行。2010年6月からスタートした全15公演の北米ツアーの成功をアシストしている。また翌年3月19日にイギリスでスタートしたヨーロッパツアーの全12公演にも帯同。

2012年~2013年(パーフェクトミュージック)

パーフェクトミュージックに復帰し、KING BROTHERS、宇宙人のマネージメントを担当した。イギリスで活動する日本人4人組のバンド、Bo-Ningenのライブ制作も手掛ける。

2013年~2016年(エレメンツ)

エレメンツへ転籍、これまでのロックバンドのマネージメントから心機一転し、MCUやLITTLEなどラッパーを担当することで、マネージメント活動の幅を拡げる同時に、Bo-Ningen、GEZAN、金子ノブアキ(RIZE)などのロック・アーティストのライブ制作も従来どおり積極的に引き受ける。

2017年~(フリーランス)

エレメンツより独立しフリーランスとして活動。かつて同じ江戸屋レコードに在籍していたTOKYO No.1 SOUL SETのA&Rやマネージメント、相対性理論、ホフディランなどのライブ制作などを行う。

エピソード

  • ゆらゆら帝国の坂本慎太郎がインタビューで語るところによれば、『Are You Ra?』をリリースしたことを契機に音楽業界の関係者から注目を浴びるなか、最も熱心であった清水の誘いを受けて、同バンドは江戸屋レコードとデビューに向けた話し合いを進める。しかし交渉の最中に江戸屋レコードは会社の「解散」を発表、一度はデビューの計画が暗礁に乗り上げるが、その後はミディと契約が成立することで、無事にメジャーデビューを果たす。その際、ゆらゆら帝国の契約と併せて清水もミディに移籍し、およそ10年近くにわたって、A&Rやマネージメントなど、ゆらゆら帝国の活動全般に深くコミットしていくことになる。
  • 劔樹人とは10年来の付き合いである。劔は学生時代に文化祭の実行委員としてコンサートを企画し、1999年にゆらゆら帝国を大学に招へい。その際、ゆらゆら帝国のマネージャーとして同行していた清水と初めて対面している。その後の2010年に偶然、とあるライブハウスで二人は再会を果す。このエピソードを劔は、コミカライズしてブログに公開している。
  • TOKYO No.1 SOUL SETのA&Rとマネージメントを担当し、2021年には9thアルバム『SOUND aLIVE』のリリースを手掛けている。同作品は両者が1990年代に所属していた江戸屋レコードより発売された。TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美によれば、このアルバムの制作が決まる前から清水に声をかけており、ライブ制作やマネージメントを担当してもらっていたのだという。

主な作品

A&R・マネージメント

  • ゆらゆら帝国『3×3×3』(ミディ、1998年4月15日)
  • ゆらゆら帝国『ミーのカー』(ミディ、1999年6月16日)
  • ゆらゆら帝国『太陽の白い粉』(ミディ、1999年11月17日)
  • ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国III』(ミディ、2001年2月21日)
  • ゆらゆら帝国『Sweet Spot』(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ、2005年5月18日)
  • TOKYO No.1 SOUL SET『SOUND aLIVE』(江戸屋レコード、2021年4月7日)

A&R・マネージメント・プロモーション

  • ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国のしびれ』(ミディ、2003年2月26日)
  • ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国のめまい』(ミディ、2003年2月26日)
  • ゆらゆら帝国『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』(ミディ、2003年11月26日)
  • ゆらゆら帝国『1998-2004』(ミディ、2004年9月6日)

マネージメント

  • KenKen『ARRIVAL of INVADERS』(日本コロムビア、2007年10月24日)
  • MIYAVI『WHAT'S MY NAME?』(EMIミュージック・ジャパン、2010年10月13日)
  • King Brothers『Mach Club』(パーフェクトミュージック、2012年4月16日)

A&R

  • あぶらだこ『あぶらだこ(月盤)』(ミディ、2000年10月25日)
  • Masonnna『Shock Rock』(ミディクリエイティブ、2002年10月25日)
  • Space Machine『2』(ミディクリエイティブ、2002年10月25日)
  • Boris『Flood』(ミディクリエイティブ、2000年12月15日)
  • Boris『Heavy Rocks』(QUATTRO-UK DISCS、2002年4月26日)
  • V.A.『惡の花譜』(スターチャイルド、2013年6月26日)

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