田島征彦 : ウィキペディア(Wikipedia)

田島 征彦(たじま ゆきひこ、1940年1月9日 -)は日本の絵本作家。同じく絵本作家の田島征三とは同年生まれの双子の兄弟だが、苗字の読み方は征彦が「たじま」、征三が「たしま」を名乗っている。本来の読み方は「たしま」だが、征三が先に「たしま」で世に出たため、征彦はそれと区別する意味で「たじま」と改めた。

略歴

  • 大阪府堺市生まれ。父は軍人であり、中国でスパイを斬殺した事件が新聞に報道されたことがあった。このため戦犯として追及されることを恐れた父の意向により、戦後まもなく父の郷里の高知県芳原村(現在の高知市春野町)に一家で移住。ここで幼少期を過ごす。
  • 1963年、京都市立美術大学(現京都市立芸術大学)染色図案科を卒業。1965年、同専攻科修了。その頃から京都府船井郡に在住する。
  • 1975年、京都府洋画版画新人賞受賞。
  • 1976年、型染めによる絵本の出版を開始。
  • 1978年、『じごくのそうべえ』で第1回絵本にっぽん賞受賞。
  • 1981年、『祇園祭』で世界絵本原画展金牌受賞。『火の笛』、『ありがとう』で小学館絵画賞受賞。
  • 1985年、『てんにのぼったなまず』で世界絵本原画展2度目の金牌受賞。
  • 1988年、新潟市美術館で「田島征彦・征三展」を開催。
  • 1989年、『はじめてふったゆき』でライプツィヒ国際図書デザイン展銀賞受賞。
  • 1995年、35年間の画業をまとめた自伝的作品集『憤染記』(染織と生活社)を出版。
  • 2015年、『ふしぎなともだち』で第20回日本絵本賞大賞を受賞。
  • 2023年、『なきむしせいとく』で第54回講談社絵本賞受賞。

現在、日本版画家協会会員。 兵庫県淡路市に在住。

主な作品

  • 『じごくのそうべえ』(第1回絵本にっぽん賞受賞、童心社)。「そうべい」シリーズとして、『そうべえごくらくへゆく』、『そうべえまっくろけのけ』、『じごくのそうべえすごろく』がある。
  • 『あつおのぼうけん』(吉村敬子との共作、童心社)
  • 『てっぽうをもったキジムナー』(童心社)
  • 『とくべえとおへそ』(桂文我との共作、童心社)
  • 『中岡はどこぜよ』(関屋敏隆との共作、すばる書房、後にくもん出版)
  • 『松もいっぽん葉もいっぽん』(中川正文との共作、文研出版)
  • 『みみずのかんたろう』(くもん出版)
  • 『はじめてふったゆき』(1989年ライプツィヒ国際図書デザイン展金牌受賞、竹内智恵子との共作、偕成社)
  • 『こたろう』(吉橋通夫との共作、偕成社)
  • 『しばてんおりょう』(今江祥智との共作、あかね書房)
  • 『島―創作民話―』(さねとうあきらとの共作、童心社)
  • 『てんにのぼったなまず』(第11回世界絵本原画展金牌受賞、福音館書店)
  • 『からすじぞう』(くもん出版)
  • 『ふたりはふたご』(田島征三との共作、くもん出版)
  • 『憤染記』(染織と生活社)
  • 『ふしぎなともだち』(第20回日本絵本賞大賞受賞、くもん出版)

ほか

その他(エッセイなど)

  • 『丹波ででいごっそう』(小学館) ほか

参考図書

  • 田島征彦『じごくのそうべえ』(童心社) ISBN 4-494-01203-3
  • 土佐中高100年人物伝刊行員会『筆山の麓 土佐中高100年人物伝』(高知新聞総合印刷)

外部リンク

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