芦野宏 : ウィキペディア(Wikipedia)

芦野 宏(あしの ひろし、英語: Hiroshi Ashino、1924年6月18日 - 2012年2月4日)は、日本のシャンソン歌手、声楽家。本名:羽鳥 廣。

来歴

1924年6月18日、山形県村山市出身。東京音楽学校(現・東京芸術大学)声楽科卒業後、高等学校の音楽教師を経てシャンソン歌手に転向。1953年に『虹のしらべ』(NHKラジオ第一放送)に出演してデビューを果たす。

1956年に渡欧し、フランス・パリのオランピア劇場にアジア人として初出演を果たし、1960年にはフランス国営放送(RTF)のテレビ番組にてワンマンライブショーを行った。

日本に於ける1950年代後半から1960年代前半にかけてのシャンソン・ブームの立役者のひとりでもあり、『NHK紅白歌合戦』には1955年から10年連続出場を果たしている(詳細は下記参照)。

また、俳優としてもテレビドラマ『コメットさん』(1967年、TBS・国際放映)や映画『天使の誘惑』(1968年、松竹)に出演している。

日本シャンソン館(群馬県渋川市)

1995年に私財を投じて日本シャンソン館を群馬県渋川市に開設。自ら館長としてシャンソンに関する資料収集や展示、又はミニライブなどのイベントを積極的に進め、また、2010年7月には石井好子の後を受けて第2代日本シャンソン協会会長に就任し、後進の育成と指導、そして現役歌手としての音楽活動も行っていた。

2012年1月15日、日本シャンソン館で「愛は燃えている」「パリに抱かれて」の2曲を披露。同1月18日に体調を崩して入院。そして、同2月4日、間質性肺炎のため、東京都中央区の聖路加国際病院にて死去シャンソン歌手の芦野宏さん死去 日刊スポーツ 2012年2月7日閲覧。。没後の2012年3月に東京(帝国ホテル)と群馬(日本シャンソン館)の2箇所にて芦野宏お別れ会がそれぞれ開催された芦野宏お別れの会のご案内 日本シャンソン協会オフィシャルブログ 2012年2月21日付。

専属ピアニスト

  • 久保 文人(くぼ ふみと、Fumito Kubo) - 専属ピアニスト。
  • 小林 ちから(こばやし ちから、Chikara Kobayashi、5月9日 - 2022年8月3日) - 専属ピアニスト。父・久保文人の代から親子で長年専属ピアニストを務める。国内のみならずフランス、スイス、ブラジル、エジプトなど海外でコンサートを開催。2019年3月17日、「天皇陛下御即位30年、天皇皇后陛下御結婚満60年お祝いの御内宴」で東宮御所にて演奏を担当した。

NHK紅白歌合戦出場歴

年度/放送回 曲目 対戦相手
1955年(昭和30年)/第6回タブー江利チエミ
1956年(昭和31年)/第7回ドミノ越路吹雪
1957年(昭和32年)/第8回メケ・メケ江利チエミ
1958年(昭和33年)/第9回風船売り石井好子
1959年(昭和34年)/第10回チャオチャオ・バンビーナ中原美紗緒
1960年(昭和35年)/第11回幸福を売る男石井好子
1961年(昭和36年)/第12回カナダ旅行中原美紗緒
1962年(昭和37年)/第13回カミニート
1963年(昭和38年)/第14回パパと踊ろう倍賞千恵子
1964年(昭和39年)/第15回ほほにかかる涙中尾ミエ・伊東ゆかり・園まり
* このうち、第6回・第7回・第8回・第9回・第10回はラジオ中継の音声が現存し、第14回は歌唱映像が現存する。* 第10回は2009年4月29日放送のNHK-FM『今日は一日“戦後歌謡”三昧』の中で、芦野の歌も含め全編が再放送された(音声はモノラル)。* 第14回も『思い出の紅白歌合戦』(NHK-BS2)で、芦野の歌も含め全編が再放映されている。

主な出演

ラジオ

  • 『虹のしらべ』(1953年、日本放送協会)

テレビドラマ

  • 『コメットさん』第1〜48話(1967年 - 1968年、TBS・国際放映)

映画

  • 『天使の誘惑』(1968年、松竹)

賞詞

  • パリ市ヴェルメイユ勲章(1990年)
  • 紫綬褒章(1990年)
  • 勲四等旭日小綬章(1996年)
  • フランス共和国芸術文化勲章オフィシエ(2004年)
  • 第48回日本レコード大賞功労賞(2006年)

関連項目

外部リンク

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