石井岳龍 : ウィキペディア(Wikipedia)
石井 岳龍(いしい がくりゅう、1957年〈昭和32年〉1月15日 - )は、日本の映画監督。改名前の石井 聰亙(いしい そうご)の名で広く知られている。
2006年から神戸芸術工科大学で教授として教鞭をとる。
略歴
福岡県福岡市出身。福岡県立福岡高校・卒業。日本大学芸術学部中退。大学入学直後(1976年)に学生による自主映画グループ「狂映舎」を設立。8mm映画デビュー作『高校大パニック』母校・福岡県立福岡高校にて撮影で注目される。1978年に同作を日活がリメイクした『高校大パニック』を澤田幸弘と共同監督するが、実質的には何もできなかったという。1978年、『突撃!!博多愚連隊』がぴあフィルムフェスティバルに入選。同年の入選者に、森田芳光、長崎俊一らがいる。
1980年、長編『狂い咲きサンダーロード』を劇場公開。インディーズ界の旗手として名前が挙がる。1982年、自主映画活動の集大成的な作品『爆裂都市 BURST CITY』を発表。同年、長谷川和彦に誘われディレクターズ・カンパニーの設立に参加「撮影現場訪問 逆噴射家族」『キネマ旬報』1984年4月下旬号、pp.138。1984年、商業映画としては初の単独監督作『逆噴射家族』を発表。翌年のベルリン国際映画祭で注目され、イタリアの第8回サルソ映画祭でグランプリに輝く など、国内のみならず海外でも高い評価を受ける。
また、自らがボーカルをつとめるバンド「石井聰亙&バチラス・アーミー・プロジェクト」で音楽活動も行い、自作映画『アジアの逆襲』の音楽を担当して、同題名のレコード・アルバムも発売した。
しかし『逆噴射家族』以後は約10年にわたって長編作品が作れない状態が続く。未完の企画として『GOD STONE』『虹のキリン』『箱男』などがある。ウィリアム・ギブスンの映画化や『逆噴射家族』の英語リメイクなど、アメリカで撮影する企画もあったが実現していない。その前後からジャパニーズパンク/ニュー・ウェイヴシーンと共闘した数々のミュージック・ビデオと実験的短編映画製作に打ち込む。1993年、WOWOWのオムニバスドラマ『TOKYO BLOOD』全4話を監督。
1994年、10年ぶりの劇場長編作品『エンジェル・ダスト』が公開。バーミンガム映画祭でグランプリを受賞。以後、『水の中の八月』(1995年)、『ユメノ銀河』(1997年・オスロ映画祭グランプリ)と作品を発表。続いて、時代劇とSFXを融合させた超大作『五条霊戦記』(2000年)が公開される。
21世紀に入ってからは、『ELECTRIC DRAGON 80000V』(2001年)、『DEAD END RUN』(2002年)を発表。2005年には、フルデジタル機材を使用して制作した『鏡心・3Dサウンド完全版』を発表、全国上映ツアーを行った。2006年、監督生活30周年を迎え、記念の初期作品集が発売された。
2010年1月17日、公式ブログで、今後は石井岳龍の名前ですべての活動、仕事を行うと発表「芸名変えました。」(2010年1月17日付) - ISHII GAKURYU'S MOMENT BY MOMENT (公式ブログ)、2011年12月17日閲覧。。改名については「聰亙」が漢字を間違えられることが多かったこと、初期の作品を集めたDVDが発売済みであること、『狂い咲きサンダーロード』に主演した山田辰夫が2009年7月に亡くなったことなどを理由に挙げている。
『キネマ旬報』1981年5月下旬号の高林陽一と長谷川和彦との対談では、影響を受けた映画として深作欣二監督の『仁義なき戦い』と神代辰巳監督作品を挙げている。
監督作品
映画
- 高校大パニック(1976年)
- 1/880000の孤独(1977年)
- 突撃!博多愚連隊(1978年)
- 高校大パニック(1978年) ※1976年の同名自主映画を澤田幸弘との共同監督で商業リメイク。
- 神の堕ちてきた日(1979年、アクション監督)
- 狂い咲きサンダーロード(1980年)
- シャッフル (1981年の映画)(1981年)
- 爆裂都市 BURST CITY(1982年)
- アジアの逆襲(1983年)
- 逆噴射家族(1984年)
- (1985年)
- THE MASTER OF SHIATSU 指圧王者(1989年)
- TOKYO BLOOD(1993年)
- エンジェル・ダスト(1994年)
- 水の中の八月(1995年)
- ユメノ銀河(1997年)
- 五条霊戦記 GOJOE(2000年)
- ELECTRIC DRAGON 80000V(2001年)
- DEAD END RUN(2002年)
- 鏡心・3Dサウンド完全版(2005年)
- 生きてるものはいないのか(2012年)
- シャニダールの花(2013年)
- ソレダケ / that’s it(2015年)
- 蜜のあわれ(2016年)
- パンク侍、斬られて候(2018年)
- 自分革命映画闘争(2023年)
- almost people「長女のはなし」(2023年)
- 箱男(2024年)
テレビドラマ
- 私立探偵 濱マイク 第8話 「時よとまれ、君は美しい」(2002年、読売テレビ)
- ネオ・ウルトラQ 第1話「クォ・ヴァディス」、第4話「パンドラの穴」、第8話「思い出は惑星(ほし)を越えて」(2013年、WOWOW)
PV
- アナーキー 「'80維新」
- ザ・スターリン 「ロマンチスト」「アレルギー」「STOP JAP」
- THE STAR CLUB 「ACTION-STREET」
- 一世風靡セピア 「前略、道の上より」「セピア・カラー」
- 筋肉少女帯 「トゥルー・ロマンス」
- UA 「悲しみジョニー」
- CHARA 「スカート-short film-」
- JOE ODAGIRI(オダギリジョー)「i don't know」
- THE BACILLUS BRAINS 「MIDNIGHT SAVAGE」
- SHUUBI 「宝物」
- Paionia 「人の瀬」
DVD
- 石井聰亙作品集DVD-BOX 1 ~PUNK YEARS 1976-1983~
- フリクション 「Dumb Numb Video」(1989) ※2007年に「Dumb Numb DVD」としてDVD化
出演
- 映画
- インスタント沼(2009年5月23日、アンプラグド / 角川映画)- 釘を買う客 役
- CM
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/07 18:07 UTC (変更履歴)
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