青山真治 : ウィキペディア(Wikipedia)

青山 真治(あおやま しんじ、1964年7月13日 - 2022年3月21日)は、日本の映画監督、小説家、音楽家、映画批評家。元多摩美術大学教授。妻は女優のとよた真帆

経歴

福岡県北九州市出身。福岡県立門司高等学校在学時には音楽活動をしており、いくつかのバンド経験を経た後に広石武彦らとバンド「UP-BEAT UNDERGROUND」(後のUP-BEAT)を結成するが、青山は大学受験のために高校3年生の時点でバンドを脱退しているUP-BEAT『WEEDS & FLOWERS』|CBS・ソニー出版/44ページ - 49ページより。。

1989年、立教大学文学部英米文学科卒業。立教大学一般教育部で、蓮實重彦の「映画表現論」の授業から強い影響を受けた。

大学卒業後、ディレクターズ・カンパニーの現場に参加、フリーの助監督になる。主に黒沢清井筒和幸組に就き、同世代の新進監督をバックアップ。

1995年、黒沢の推薦により、 Vシネマ『教科書にないッ!』で監督デビュー。

1996年、助監督時代に知り合った仙頭武則プロデューサーと組み、初の劇場用長編映画『Helpless』を手がける。

2000年のカンヌ国際映画祭で、監督作品『EUREKA』が国際批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞を受賞、世界的な評価を集めた。翌年、同作のノベライズ小説『EUREKA』で第14回三島由紀夫賞を受賞。

その後、『月の砂漠』、『レイクサイド マーダーケース』、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』、『サッド ヴァケイション』などの作品を監督する。

2010年、著書『シネマ21 青山真治映画論+α集成2001-2010』を発表。

2011年、三浦春馬主演の『東京公園』が第64回ロカルノ国際映画祭で金豹賞審査員特別賞を受賞。同年、黒沢清蓮實重彦との共著『映画長話』を発表した。

2012年4月、多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科教授に就任。

2013年、田中慎弥原作、荒井晴彦脚本の『共喰い』を発表する。

2021年春頃に食道がんが判明し通院治療を続けてきたが、その後容態が悪化し入院。2022年3月21日0時30分、頸部食道がんのため、死去した、57歳。

フィルモグラフィー

長編映画

  • Helpless(1996年) - 監督・脚本・音楽
  • チンピラ(1996年) - 監督
  • WiLd LIFe(1997年) - 監督・脚本
  • 冷たい血(1997年) - 監督・脚本・製作・編集・音楽
  • 大いなる幻影(1999年) - 出演
  • シェイディー・グローヴ(1999年) - 監督・脚本・音楽
  • EM エンバーミング(1999年) - 監督・脚本
  • EUREKA(2000年) - 監督・脚本・編集・音楽
  • クロエ(2001年) - 出演
  • 月の砂漠(2001年) - 監督・脚本・編集
  • レイクサイド マーダーケース(2004年) - 監督・脚本
  • エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年) - 監督・脚本
  • こおろぎ(2006年) - 監督
  • AA|音楽批評家:間章(2006年) - 監督
  • サッド ヴァケイション(2007年) - 監督・脚本・原作
  • スリー☆ポイント(2011年) - 出演
  • 東京公園(2011年) - 監督・脚本・音楽
  • Cut(2011年) - 脚本
  • 戦争と一人の女(2013年) - 音楽
  • 共喰い(2013年) - 監督・音楽
  • 空に住む(2020年) - 監督・脚本

短編映画

  • セレブレート シネマ 101「1/5」(1996年) - 監督
  • June 12, 1998 -カオスの緑-(1999年) - 監督
  • 路地へ 中上健次の残したフィルム(2000年) - 監督・構成
  • すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために(2001年) - 監督
  • 焼跡のイエス(2001年) - 監督
  • 夜の足跡(2001年) - 音楽
  • TAMPEN 短篇「空華 koo-ghe」(2001年) - 出演
  • 夢見の芭蕉(2002年) - 監督
  • なんくるムービー あじまぁのウタ 上原知子─天上の歌声(2002年) - 監督
  • 刑事まつり「Noと言える刑事」(2003年) - 監督・脚本・出演
  • 軒下のならず者みたいに(2003年) - 監督・脚本
  • Trunk(2003年) - 監督
  • 海流から遠く離れて(2003年) - 監督
  • 秋聲旅日記(2003年) - 監督・脚本
  • 赤ずきん(2008年) - 監督
  • R246 STORY「224466」(2008年) - 脚本
  • だうん(2010年) - 監督
  • 60 Seconds of Solitude in Year Zero(2011年) - 監督
  • FUGAKU1/犬小屋のゾンビ(2013年) - 監督
  • FUGAKU 2/かもめ The Shots (2014年) - 監督
  • FuGAK 3/さらば愛しのeien (2015年) - 監督
  • 破れたハートを売り物に「ヤキマ・カナットによろしく」(2015年) - 監督・脚本

オリジナルビデオ

  • 教科書にないッ!(1995年) - 監督・脚本
  • 我が胸に凶器あり(1996年) - 監督・脚本

テレビドラマ

  • 私立探偵 濱マイク「名前のない森」(2002年) - 監督・脚本
  • D×TOWN「スパイダーズなう」(2012年) - 監督・脚本・音楽
  • 贖罪の奏鳴曲(2015年) - 監督・音楽
  • 金魚姫(2020年、NHK BSプレミアム) - 演出

動画配信

  • 最上のプロポーズ(2013年) - 監督・音楽

舞台

  • グレンギャリー・グレン・ロス(2011年6月、天王洲 銀河劇場、作:デヴィッド・マメット) - 演出
  • おやすみ、かあさん(2011年11月26日 - 12月4日、あうるすぽっと、マーシャ・ノーマン作) - 演出
  • 私のなかの悪魔(2013年3月25日 - 31日、あうるすぽっと、ストリンドベリ作「債鬼」より) - 演出
  • フェードル(2015年12月4日 - 13日、東京芸術劇場、シアターウエスト) - 演出
  • しがさん無事? are you alright, my-me?(2019年5月7日 - 12日、下北沢小劇場B1) - 作・演出

著書

小説

  • 『ユリイカ EUREKA』(2000年、角川書店) - のち文庫
  • 『月の砂漠』(2002年、角川書店) - のち文庫
  • 『Helpless』(2003年、新潮社) - のち角川文庫
  • 『ホテル・クロニクルズ』(2005年、講談社) - のち文庫
  • 『死の谷'95』(2005年、講談社) - のち文庫
  • 『雨月物語』(2006年、角川学芸出版)
  • 『サッド・ヴァケイション』(2006年、新潮社)
  • 『エンターテインメント!』(2007年、朝日新聞出版) - のち文庫
  • 『地球の上でビザもなく』(2009年、角川書店)
  • 『帰り道が消えた』(2010年、講談社)
  • 『ストレンジ・フェイス』(2010年、朝日新聞出版)

批評

  • 『われ映画を発見せり』(2001年、青土社)
  • 『シネマ21 青山真治映画論+α集成2001-2010』(2010年、朝日新聞出版)

共編著

  • 『ヴィム・ヴェンダース』(2000年、キネマ旬報社) - 責任編集
  • 『ロスト・イン・アメリカ』(2000年、デジタルハリウッド出版局) - 黒沢清、安井豊、阿部和重との共著、稲川方人、樋口泰人
  • 『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!』(2004年、リトルモア) - 阿部和重、中原昌也との共著
  • 『酔眼のまち-ゴールデン街 1968~98年』(2007年、朝日新書) - たむらまさきとの共著
  • 『映画長話』(2011年、リトルモア) - 蓮實重彦、黒沢清との共著
  • 『しょうがないマイラブ/入り鉄砲に出女 PHOTO & DVD BOOK』(2012年、河出書房新社) - タルトタタン、アゼル&バイジャンとの共著

出典

関連項目

  • 日本の小説家一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/07 09:43 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「青山真治」の人物情報へ