スペインを代表する俳優のひとり。少年時代はサッカー選手として活躍するも、14歳のとき怪我で断念し、劇団に入団。1982年、ペドロ・アルモドバル監督の「セクシリア」で映画デビューし、「マタドール」(86)や「神経衰弱ぎりぎりの女たち」(88)などアルモドバル作品で高い評価を得る。
「マンボ・キングス」(92)でハリウッドに進出。「フィラデルフィア」(93)、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(94)、「デスペラード」(95)、「マスク・オブ・ゾロ」(98)、「ファム・ファタール」(02)などで名を挙げ、世界的スターとなる。
製作も手がけた「オートマタ」(13)、「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」(14)、「ライフ・イットセルフ 未来に続く物語」(18)などを経て、19年にはアルモドバルの自伝的作品「ペイン・アンド・グローリー」に主演し、第72回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞、アカデミー主演男優賞にもノミネートされた。
「シュレック」シリーズとスピンオフ「長ぐつをはいたネコ」シリーズでは、ネコのプス役の声優も務めている。そのほか近年の出演作に「ドクター・ドリトル」(20)、「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(23)など。
父親はイタリア人、母親はドイツ人。10代前半から子役としてCMを中心に活躍し、1991年に「クリッター3」(日本劇場未公開)でスクリーンデビュー。ロバート・デ・ニーロと共演した「ボーイズ・ライフ」(93)で注目を集め、93年の「ギルバート・グレイプ」で19歳にしてアカデミー助演男優賞にノミネートされる。バズ・ラーマン監督の「ロミオ&ジュリエット」(96)ではベルリン国際映画祭の銀熊賞(男優賞)を受賞し、ジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」(97)で名実ともにハリウッドNo.1スターとなる。マーティン・スコセッシ監督作「アビエイター」(04)でアカデミー主演男優賞に初ノミネートされ、06年の「ブラッド・ダイヤモンド」でも同賞の候補に。その後は、「タイタニック」のケイト・ウィンスレットと11年ぶりに共演した「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」(08)、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」(10)、悪役を好演したクエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ 繋がれざる者」(12)、再びラーマン監督と組んだ「華麗なるギャツビー」(13)などに出演。スコセッシ監督と5度目のタッグとなった「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)では、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門の主演男優賞を受賞したもののアカデミー賞では受賞を逃し、続くアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「レヴェナント 蘇えりし者」(15)で、アカデミー主演男優賞を4度目のノミネートにして初受賞した。19年には、タランティーノと再びタッグを組んだ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でも、第92回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた。
カリフォルニア州サンディエゴ生まれ、インディアナ州育ち。高校時代に演劇を始めるが、9・11同時多発テロをきっかけに海軍に入隊。マウンテンバイクで事故を起こし胸骨を骨折したため退役し、ジュリアード音楽院で演劇を学ぶ。2009年に卒業してまもなくTVシリーズで俳優デビューを果たし、舞台作品にも参加。11年の「J・エドガー」で長編映画に初出演後、12年に始まった人気TVシリーズ「Girls ガールズ」でレナ・ダナム演じる主人公の相手役を演じ米国内で徐々に知られるようになる。一方で、映画「フランシス・ハ」(12)、「リンカーン」(12)、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13)と有名監督の作品にも出演。14年には、映画「ハングリー・ハーツ」で第71回ベネチア国際映画祭の最優秀男優賞を受賞し、15年から始まった「スター・ウォーズ」の3部作ではカイロ・レン役に抜てきされ、世界的に名を知られるようになる。その後も「パターソン」「沈黙 サイレンス」(ともに16)、「ローガン・ラッキー」(17)、「ザ・レポート」(19)などの話題作で存在感を発揮し、ハリウッドの演技派俳優の中でも群を抜く存在となり、「ブラック・クランズマン」(18)、「マリッジ・ストーリー」(19)で2年連続のアカデミー主演男優賞ノミネートを果たした。
「スタンド・バイ・ミー」「マイ・プライベート・アイダホ」などで注目された俳優リバー・フェニックスの弟で、8歳から演技を始め、子役時代はリーフ・フェニックス名義で活動。「スペースキャンプ」(86)で映画デビューし、続く「ラスキーズ」(87)で主演を務める。兄リバーの死をきっかけにしばらく俳優業を休業したが、映画「誘う女」(95)から本名のホアキンで活動を再開する。「グラディエーター」(00)でアカデミー助演男優賞、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」(05)で同主演男優賞にノミネートされた。ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ザ・マスター」(12)では、共演したフィリップ・シーモア・ホフマンとともにベネチア国際映画祭の男優賞を受賞、アカデミー賞でも再び主演男優賞にノミネートされた。17年には、「ビューティフル・デイ」でカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞。19年には、トッド・フィリップス監督作「ジョーカー」でタイトルロールを演じる。同作はベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞するなど、世界中で大きな話題となり、第92回アカデミー賞では4度目のノミネートにして初の主演男優賞を受賞した。近年のそのほかの代表作に「her 世界でひとつの彼女」(13)、「インヒアレント・ヴァイス」(14)、「教授のおかしな妄想殺人」(15)、「ゴールデン・リバー」(18)など。姉レイン・フェニックス、妹サマー・フェニックスも女優として活動している。
英ウェールズ・ホリウェルで労働者階級の家庭に生まれる。16歳の時に家を出て芸術学校に通い、ロンドンの王立演劇アカデミー(RADA)に進学。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、77年の米ブロードウェイデビュー作「Comedians(原題)」ではトニー賞(演劇部門)で男優賞を受賞。89年に英ウェストエンドで初演されたミュージカル「ミス・サイゴン」では売春宿を経営するエンジニア役を演じ、91年のブロードウェイ公演で再びトニー賞を受賞した。演劇中心に活動していたため、70年代は映画の出演本数が少なかったが、80年代後半から「未来世紀ブラジル」(85)などでスクリーンでも存在感を放ち、「キャリントン」(95)ではカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞する。その後の出演作に「エビータ」(96)、シリーズ18作目「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」(97)、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ(03~07)のスワン総督役、人気TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のハイ・スパロウ役(15~16)、「天才作家の妻 40年目の真実」(17)など。2009年には大英帝国勲章コマンダー(CBE)を授与された。19年に公開されたNetflixオリジナル映画「2人のローマ教皇」で、後のローマ教皇となるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿役を演じ、ゴールデングローブ賞の助演男優賞およびアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた。長年のパートナーである女優のケイト・フェイとの間に子どもが3人いる。
Photo:Getty Images/ロイター/アフロ
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