第88回アカデミー賞(2016年) 全部門ノミネート・監督賞

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第88回アカデミー賞 全部門ノミネート

監督賞

アダム・マッケイ マネー・ショート 華麗なる大逆転

米フィラデルフィア出身。1990年代、シカゴの名門コメディ集劇団「アップライト・シチズンズ・ブリッジ」や「インプロブオリンピック」「ザ・セカンド・シティ」に所属。95~01年にかけて人気番組「サタデーナイト・ライブ」にレギュラー脚本家として参加し、97~99年にはヘッドライターを務める。同番組で出会った俳優ウィル・フェレルと脚本を執筆した「俺たちニュースキャスター」(04)で長編映画監督デビュー。以降も「タラデガ・ナイト オーバルの狼」(06)、「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」(10)などでフェレルとタッグを組む。リーマンショックを題材に描いた「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(15)でアカデミー監督賞・脚色賞に初ノミネートされ、脚色賞を受賞。以降は豪華キャストを迎えて社会風刺を込めて描くコメディドラマ作品で手腕を発揮し、再びアカデミー賞の監督・作品賞ほかで候補になった「バイス」(18)、彗星衝突という地球の危機に顕わになる人間の姿を描いた「ドント・ルック・アップ」(21)などを手がけている。監督作以外ではマーベル映画「アントマン」(15)で脚本を担当した。

ジョージ・ミラー マッドマックス 怒りのデス・ロード

オーストラリア・クイーンズランド州チンチラ出身。医学学校を卒業し、シドニーの病院でインターンとして働いていたが、双子の兄弟ジョンとともに作った短編映画がコンクールで1位となり、映画学校のワークショップに参加。そこで、後の盟友となるバイロン・ケネディと出会う。医師としてパートタイムで働きながら、ケネディと短編映画を制作し、初の長編監督作「マッドマックス」(79)のバイオレンスな作風で脚光を浴びる。その後、ケネディと共同で製作会社を立ち上げ、続編「マッドマックス2」(81)を監督。スティーブン・スピルバーグに招かれてハリウッドに渡り、アンソロジー映画「トワイライトゾーン 超次元の体験」(83)の第4話のメガホンをとり、1985年には「マッドマックス」シリーズ第3弾「サンダードーム」を発表。製作・監督・脚本の3役を務めた「ロレンツォのオイル 命の詩」(92)では、ニック・エンライトとともにアカデミー脚本賞にノミネートされた。その後、ファミリー映画「ベイブ」(95)で製作・脚本を担当し、アカデミー作品賞と脚色賞にノミネート、続編「ベイブ 都会へ行く」(98)では監督を務めヒットに導く。続いて、製作・監督・脚本を務めたCGアニメ映画「ハッピー フィート」(06)でアカデミー長編アニメーション賞を受賞、続編「ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊」(11)でも監督を務めた。「マッドマックス」シリーズ30年ぶりの新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15)は熱狂的なファンを生み出し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞などで作品賞・監督賞にノミネートされた。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ レヴェナント 蘇えりし者

メキシコを代表する映画監督。大学在学中の1984年、ラジオの音楽番組の司会者としてショウビズ界に足を踏み入れ、その後、映画音楽の作曲も手がける。長編映画初監督作「アモーレス・ペロス」(00)が、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞し、ショーン・ペンらハリウッドスターを起用した「21グラム」(03)も批評家から高く評価される。「バベル」(06)ではカンヌ国際映画祭の監督賞とエキュメニカル審査員賞を受賞し、アカデミー賞で作品賞と監督賞にノミネートされた。その後、同じメキシコ出身の映画監督アルフォンソ・キュアロンとギレルモ・デル・トロと共同で製作会社チャチャチャ・フィルムズを設立し、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ主演の「ルドandクルシ」(08)の製作総指揮を務める。ハビエル・バルデムを主演に迎えた「BIUTIFUL ビューティフル」(10)までは死生観を描いたシリアスな作品が多かったが、14年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」ではダークファタジーに挑戦して新境地を切り開き、アカデミー作品賞・監督賞・脚本賞の3部門で自身初のオスカーを獲得。続く「レヴェナント 蘇えりし者」(15)は、アカデミー作品賞・監督賞を含む最多12部門にノミネートされ、作品賞は逃したものの、2年連続の監督賞と、レオナルド・ディカプリオに悲願の主演男優賞をもたらした。2年連続での監督賞受賞は、ジョン・フォード(「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」)、ジョセフ・L・マンキウィッツ(「三人の妻への手紙」「イヴの総て」)に続き史上3人目の快挙。

レニー・アブラハムソン ルーム

ダブリン・アイルランド出身。トリニティ・カレッジで物理学と哲学を専攻し、在学中から映像制作を行う。初の短編映画「3 Joes」(1991)でコーク映画祭の最優秀ヨーロッパ短編映画賞などを受賞する。アイルランド国内外でTVCMを多数手がけ、2004年に「アダムとポール」(日本劇場未公開)で長編映画デビューを果たす。長編第2作「ジョジーの修理工場」(07・日本劇場未公開)ではアイリッシュ・フィルム・アンド・テレビジョン・アワードの最優秀作品賞や最優秀監督賞などを受賞した。長編第3作「What Richard Did(原題)」を経て、マイケル・ファスベンダーがほぼ全編にわたりお面をかぶって出演した音楽映画「FRANK フランク」(14)で日本でも知られるようになる。アイルランド人作家エマ・ドナヒューの小説を映画化した「ルーム」(15)はトロント国際映画祭で観客賞を受賞し、アカデミー作品賞・監督賞などにノミネートされた。

トム・マッカーシー スポットライト 世紀のスクープ

1992年、俳優として「Crossing the Bridge(原題)」で映画デビューして以降、「ミート・ザ・ペアレンツ」(00)、「シリアナ」(05)、「父親たちの星条旗」(06)、「2012」(09)などに出演。03年、「The Station Agent(原題)」で監督・脚本家デビューを飾り、サンダンス映画祭の観客賞やインディペンデント・スピリット・アワードの初脚本賞を受賞するなど高い評価を受け、監督2作目「扉をたたく人」(07)では同アワードの監督賞を受賞する。原案を手がけたピクサーの「カールじいさんの空飛ぶ家」(09)ではアカデミー脚本賞(ボブ・ピーターソン、ピート・ドクターと共同)にノミネートされた。教会スキャンダルに挑んだ新聞記者たちの実話を描いた「スポットライト 世紀のスクープ」(15)でアカデミー作品賞を受賞し、ジョシュ・シンガーとともに脚本賞も受けた。トーマス・マッカーシーの名義を使用することもある。

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Photo:Getty Images/アフロ