シム・ウンギョン、堤真一に感謝しきり「私にとってとても大きな支え」【「旅と日々」前夜祭舞台挨拶】
2025年11月7日 13:30

三宅唱監督の「旅と日々」(公開中)の前夜祭舞台挨拶が11月6日、東京・TOHOシネマズシャンテで行われ、三宅監督、主演のシム・ウンギョン、共演の堤真一、髙田万作が出席した。
本作は、つげ義春の短編漫画2作を原作に、行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が、ひとり北国に旅立ち、旅先での出会いをきっかけに人生と向き合っていく姿を描くドラマ。第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門で、最高賞となる金豹賞とヤング審査員賞をダブル受賞する快挙を果たしたほか、世界各国の映画祭に正式招待され、アメリカ、カナダ、メキシコ、フランス、韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、ポルトガル、ギリシャでの配給が既に決定している。

三宅監督とキャストは、満員の客席から大きな拍手で迎えられたが、監督は開口一番「今日のお客さんは超重要! 楽しんで帰ってほしい」に観客にメッセージを送った。主役の“李(イ)”を演じたシムは、「今年の頭ごろ撮影しまして、まだ公開される実感がないのですが、観客のみなさんがどうご覧になるのかとても楽しみ」と素直な心境を明かした。
堤は以前、シムと舞台で共演した際のことを振り返り、「全然変わらないのよシムちゃん。僕は確実にジジイになっているけど…」とおどけてみせたが、シムは「舞台の時、私は色々と未熟でしたが、堤さんのことを見習うことが多かったので、三宅監督の作品でこうやって面白い役で共演できてとても嬉しかったです。撮影前は緊張しちゃうんじゃないかな?とも思ったんですが、それもなぜかなくなったことがとても不思議でした。堤さんの存在は、私にとってとても大きな支えでした」と、堤に感謝の気持ちを伝えた。

今回、重要な役どころの夏男役に抜擢された髙田は、渚役の河合優実との共演について、「すごくエネルギッシュでパワーのある役者さんなので、ぼくの存在がなくなってしまうのでは…」と不安な気持ちを打ち明けたが、それを打ち消すような大きな声で三宅監督が「全く問題ないですよ! 彼はたぶんきっと近い将来、『俺あの時、髙田万作の舞台挨拶見てるよ』と言えるような存在になる。そのくらい素晴らしい仕事をしたと思います」と髙田を大絶賛した。

世界各国の映画祭での観客の反応を問われた三宅監督は、「共通して言えるのは、ちゃんと笑ってもらっているということ。この映画はふざけたことは何もしてないけど、登場人物に愛着を持ってくれているから、きっとリラックスして笑い声が上がっている。俳優たちや登場人物の魅力っていうものが、どの街でも伝わったかなと思います」と作品の手応えを語った。これにシムが「釜山での上映ではみんな爆笑していて、びっくりしました」と応じると、「堅苦しくない映画だとは思うので、笑うか笑わないかはお客さん次第です。でも、今日、お仕事終わりの方もいらっしゃるといますが、その疲れがちょっとでもほぐれたら嬉しいなと思います」と観客にメッセージを送った。
本作は山形でロケが行われたが、移動の車の横をずっとタヌキが並走していたことがあり、堤から「ねぇ監督、タヌキ見た?」と嬉しそうに話しかけられた三宅監督は「中学生の男の子かよ!」と感じたと明かした。そんな三宅監督も、撮影中に河合と髙田と3人で楽しく語らい、夜更かしをした翌日、自ら「明日も早いから、寝坊しちゃダメだよ!」と釘を刺していたにも関わらず、監督本人がまさかの朝寝坊をしたことを髙田からバラされ、「その節は失礼しました…」と恐縮しきりだった。

最後は、それぞれが観客にメッセージを送り、堤は「本当にいい映画に参加させていただいたなって心から思っています。出来上がりを見た時、監督のカット割から情景の捉え方とか、本当にびっくりしたし、『これ、奇跡だよ…』っていうような映像があったりとか。間合いもすごく素敵だから、みなさんじっくりと味わってほしい」と熱く語った。一方、シムは、「この映画を通して、映画がなぜ存在するのかについて、みなさんと共有したいし考えたいです」と真摯に語った。
(C)2025「旅と日々」製作委員会
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