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衝撃的ラストを迎える「無名の人生」、鈴木竜也監督が目指したのは「無限になるような映画」【第38回東京国際映画祭】

2025年11月2日 19:05

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第38回東京国際映画祭で11月2日、アニメーション部門作品「無名の人生」のトークショーが東京・角川シネマ有楽町で行われ、鈴木竜也監督、“主人公”役のACE COOL、さくら役の大橋未歩が出席した。

いじめられっ子の孤独な少年がある転校生と出会い、かつての父親の背中を追ってアイドルを目指すところから始まる本作。全10章にそれぞれ主人公の別名を冠し、「誰にも本当の名前を呼ばれることの無かった男」の波乱に満ちた100年の生涯を描く。

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2020年のコロナ禍を機に独学でアニメーション制作を始め、短編アニメ「MAHOROBA」が国内の自主映画祭で数々の賞を獲得した鈴木監督が、個人制作で1年半かけて完成させた長編デビュー作。鈴木監督は「実家で一人で作り始めて、劇場公開まで繋がって。そこから半年くらいで、満席の東京国際映画祭の舞台で上映された。光栄に思っています」とこれまでを振り返り、感無量の面持ちを見せた。「短編をいくつか撮った後に、長編映画を作ることだけを決めて、内容は作りながら考えていった」そうで、「途中からは、物語が自動的に動き出した感覚がある。それに同行している記者のような気持ちで、追いかけていった。最後は頭がぶっ飛んでいたと思います」と衝撃的なラストにたどる道のりを語った。

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ラッパーのACE COOLが主人公として、声優初挑戦を果たした。ACE COOLは、「寡黙で静かな人物だけれど、心のうちに熱いものや譲れないものがある」と演じた役柄を分析。「自分も『あまり感情を表に出さない人間だ』と周りからよく言われる。それでも自分としては日々生活をしていて思うことはあるし、本来の自分とラッパーとしての自分を切り離したりと、二面性のあるところもある。そういうところは重なるのかなと思います」とキャラクターに共感を寄せた。

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フリーアナウンサーという職業もキャラクターと重なるというのが、さくら役の大橋だ。「監督から、人物解説が送られてきて。ものすごい量の文章が書いてあって、監督の熱量を受け取りたいと思いました」と監督の熱意に心を動かされて、声優にチャレンジした大橋。「アナーキーで、同じ女性として憧れる部分もある。監督からいただいた人物解説の中でも、女性ファンが多くて、崇められているという描写があった。崇められていること自体も気にせず、我が道を生きている。こういう人間でありたいと思える人だった」と演じた役柄への愛情を吐露。「さくらは、女性アナウンサーという職業に対して、日本で貼られるレッテルから脱却したいと思っているところがある。私もそういうところを目指して、模索してキャリアを築いてきた部分もある」とシンパシーを告白しながら、力強く話していた。

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鈴木監督は「こういう作品に出てくれる熱い心があると思って、オファーした」とACE COOLと大橋への信頼を口にしつつ、「出てくださって、ありがとうございます」と改めて感謝。劇場公開から半年が経過したが、「賛否両論をもっと巻き起こすのかと思ったんですが、届く感想はいい感じの意見が多くて。『後半、わからなくて置いて行かれた』という意見も、僕からするといい意見」と語ると客席も大笑い。「お客様が、しがみついてくれるような映画を作りたいと思った。終わった後もこの映画の時間が続いて、無限になるような映画を目指していた。まだ続いてくれたらいいなと思います」と本作に注いだ情熱を明かす。

東京国際映画祭での舞台挨拶に立ち、「初めて映画に携わらせていただいた」という大橋は、「これだけ映画を愛していらっしゃる方が、日本を含めて全世界にいるんだと肌で感じることができた」としみじみ。オファーを受けて「不安もあった」というACE COOLは、「いまでも大きな反響をいただいたり、こうして上映していただけてうれしい限り。この先も皆さんの心に残って、末長く愛していただけたら」と願い、鈴木監督は「映画は、まんべんなく広げる難しさがある。小さなところから始まった映画ですが、これからまだまだ大きくしていきたい」と意欲をにじませ、大きな拍手を浴びていた。

第38回東京国際映画祭は11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。


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