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山田洋次監督&倍賞千恵子が熱いハグ、木村拓哉は颯爽とした運転で一発OK 「TOKYOタクシー」撮影現場レポート

2025年10月16日 12:00

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画像1(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

山田洋次監督の91本目となる最新作で、倍賞千恵子木村拓哉が共演する「TOKYOタクシー」から、豪華キャスト・スタッフ陣のこだわりが詰まった舞台裏を写した7点のメイキング写真と撮影現場レポートが公開された。あわせて、クランクアップ時の倍賞と木村のコメントも披露された。

本作は、フランス映画「パリタクシー」(22)を原作に、昭和から平成、令和と、日本に生きる人々を長年描き続けてきた山田監督が、刻々と変化する大都市東京を舞台に、人生の喜びを謳いあげるヒューマンドラマ。倍賞と木村に加えて、蒼井優迫田孝也優香中島瑠菜イ・ジュニョン笹野高史ら多彩なキャストが集結した。

画像2(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)はある日、85歳の高野すみれ(倍賞)を東京・柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。人生の終盤を迎えたすみれは、「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と浩二に頼み、幼少期から現在まで人生のターニングポイントとなった思い出の場所に寄り道することに。タクシーで旅を共にするうちに次第に心を許したすみれは、初対面の浩二に、喜びと悲しみを織り交ぜた壮絶な人生を語り始める。

メイキング写真は、倍賞と木村、山田監督がロケ撮影中に楽しそうに談笑する様子や、タクシーの運転席に座った木村が、山田監督から演出を受ける姿、倍賞演じるすみれの若き日を演じた蒼井と、その初恋相手だったキム・ヨンギ役のイ・ジュニョンがダンスホールで踊るシーン、クランクアップを迎えた山田監督が倍賞と熱いハグを交わす様子など、貴重な現場の数々を捉えている。

今年2月にクランクインした本作は、柴又や横浜でのロケ撮影に加え、本編の大半を占める走行中のタクシー車内でのシーンの撮影に“バーチャルプロダクション”(セットの中に置かれたタクシーの周りを取り囲むように立つLEDパネルに、車窓の風景を映し出しながら撮影する技法)という山田組にとって初となる技術も活用された。

画像3(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

倍賞の初日となった2月5日には、すみれが高齢者施設に向かうために家を出てくるシーンから撮影がスタート。「どことなく謎めいたお金持ちのマダム」という、これまで山田組で演じてきた役柄とはまったく違った人物像を演じるとあって、撮影前の打ち合わせ時点から強いこだわりを見せていた倍賞は、二度の衣装合わせの末に決まったという鮮やかな紫色のコートとサングラスを身にまとい、司法書士役の笹野高史との軽快なやり取りを繰り広げた。

午後には木村も合流し、柴又帝釈天の山門前に着いた浩二のタクシーにすみれが乗り込むシーンが撮影された。クランクイン前に実際の個人タクシー運転手から指導を受けて所作や運転の練習をしていた木村は、撮影当日に「最初のテスト撮影から運転してみてもいい?」と颯爽と車に乗り込むと、トランシーバーでやり取りしながら実際のコースを走行。テストの後にはスタート位置まで自分で運転して戻り、本番の撮影も見事一発OKを決めてみせた。

2月17日からは、休みを挟みながら2週間ほどかけてバーチャルプロダクションスタジオでの撮影が行われた。木村はLEDウォールに流れる車窓の風景に合わせてウィンカーを出したり、ハンドルを回したりブレーキを踏んだりしながら、慣れないバーチャルプロダクションによる運転シーンの撮影でも所作をなおざりにせず、タクシー運転手役を見事に演じた。制作発表会見で「木村くんの素の魅力を盗み撮りたい」と語っていた山田監督は、台本を書き直したり、何度もテイクを重ねて撮ったりとタクシー車内での会話シーンに並々ならぬこだわりを詰め込み、木村と倍賞もそれに応えたことで、すみれと浩二が車内で会話を繰り広げるシーンはとても印象的なものになった。

撮影の待ち時間には倍賞と山田監督が昔の話を始め、木村も加わって3人で並んで話す姿がたびたび見られた。何日もセットに籠って続く撮影でも2人は大変そうなそぶりをまったく見せず、劇中ですみれと浩二の距離がだんだんと縮まっていったように、倍賞と木村も3月に入る頃にはおいしいお店を教え合ったりと、すっかり打ち解けていたという。

画像4(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

一方、若き日のすみれの人生が描かれる過去パートの撮影は、日数こそ少ないものの密度の濃いものとなった。山田監督はすみれの夫・小川(迫田孝也)のキャラクター造形にかなり腐心し、知人の精神科医・名越康文に話を聞いたり、セットの飾りを何度も考え直したりと工夫を凝らしながら、現代パートとは画調も撮り方も変えて撮影が行われた。

画像5(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

オールアップとなる最後の撮影は、若き日のすみれ(蒼井)とキム(イ・ジュニョン)がダンスホールで踊るロマンチックなシーン。横浜の古いダンスホールを借りての撮影だ。山田監督が「(蒼井)優ちゃんとのキスシーンもあるんだよ」とからかって言うと、照れて恐縮していたイ・ジュニョンだが、撮影になると真剣そのもの。頼りがいのあるイ・ジュニョンとの撮影に蒼井も楽しそうな笑顔を見せていた。

無事にオールアップを迎えた撮影現場にはサプライズで倍賞と迫田が現れ、クランクアップの花束が倍賞から山田監督へ渡された。50年以上の付き合いになる倍賞と熱いハグを交わした山田監督は、「今までいろんな映画を撮ってきたけど、今回はひとしおだね。無事にこの日を迎えられるか、クランクインの時は心配だった。だけど、スタッフの力でここまでたどり着くことが出来ました。どうもありがとう」と帽子を取って頭を下げた。

画像6(C)2025 映画「TOKYO タクシー」製作委員会

倍賞と木村がクランクアップに寄せたコメントは以下のとおり。「TOKYOタクシー」は、11月21日から全国公開。


「もう撮影に来なくていいのか」という気持ちと、「終わってしまって寂しい」という複雑な気持ちで、わーい!という気持ちになかなかなれないのはとても不思議です。私はいつも、映画は照明さんやカメラマンさんなど全員が同じスタートラインに立って、「よーいスタート!」で一つの山を登っていくことだと思っています。久しぶりの手応えを感じる山田さんの演出で、素敵な山登りができたと思っています。こんな素敵なスタッフの皆さんに会えることはなかなか無いと思います。

今回の作品での撮影現場での自分の役割や責務はひとまず終わりました。「TOKYOタクシー」という駅伝のコースがあったとしたならば、宇佐美浩二というキャラクターの部分の区間を走りきって、次の走者にたすきを繋いだという気分です。他の作品はクランクアップの時に“終わった”という作品との決別のような、作業の終了をいつも感じるのですが、今回に関しては、たすきを繋げてよかったなという気持ちです。

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