長澤まさみも驚いた“臭い立つリアリティ” 「おーい、応為」長屋セットに生臭い匂いが漂っていた
2025年10月11日 10:00
破天荒な天才絵師・葛飾北斎の娘であり、弟子でもあった葛飾応為の知られざる素顔を描く本作。大きな見どころのひとつが徹底的に作り込まれた「長屋セット」だ。
北斎は世界的スター絵師として名を馳せているが、その暮らしぶりは質素を極めていた。荒れ果てた室内には丸まったせんべい布団が転がり、描き損じた紙が床一面に散乱。表には「礼儀無用 挨拶無用」と殴り書きされた紙が貼られ、訪れる者を拒むような空気が漂っていたという。
プロデューサーの吉村知己氏は「軒下の干物や井戸の水もすべて本物を用意し、現場にはほんのり生臭い匂いが漂っていた。長屋に差し込む光の角度まで計算されている」と語る。さらに録音部の提案で7.1chサラウンドを採用。筆を走らせる音や絵に向かう呼吸、夜の静寂や、長屋の住人たちによる生活の音までも音響に閉じ込めた。
 (C)2025「おーい、応為」製作委員会
(C)2025「おーい、応為」製作委員会それほどの“臭い立つリアリティ”――応為を演じた長澤も“長屋の匂いがすごく、愛犬サクラがイカの干物の匂いに反応していた”と語るほどだ。
大森立嗣監督は「これまでの映画に出てくる北斎は社会の中で立派に描かれていることが多かったが、実際はもっと社会から隔絶された存在に思えた」と説明。侍や権力者が訪れても通用しない、世間から切り離された空間――それが北斎の長屋だった。
 (C)2025「おーい、応為」製作委員会
(C)2025「おーい、応為」製作委員会 (C)2025「おーい、応為」製作委員会
(C)2025「おーい、応為」製作委員会さらに京都の撮影所では限られたスペースを活用し、建物をパズルのように組み替えながら長屋の風景を自在に変化させ撮影が行われた。エキストラの配置ひとつで場の空気が変わり、俳優が動けばカメラの位置も自然に決まっていく。その様子を大森監督は「映画づくりの醍醐味を改めて実感した」と話している。
「おーい、応為」は10月17日からTOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開。
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