「刃牙」板垣恵介×「BEASTARS」板垣巴留、イベントで父娘共演 互いの作品への思いを明かす「天才」「お父さんってロマンチスト」
2025年9月8日 16:00

「刃牙」シリーズの作者・板垣恵介氏、「BEASTARS」の作者・板垣巴留氏が9月5日、都内で行われたNetflix10周年記念スペシャルトークショーに登壇。父娘である2人が、お互いの作品への秘めたる思いを語った。
世界中の人々から愛される各々の作品についてトークが展開されると、自身の作品がアニメ化されると聞いた時の感想について、恵介氏は「もともとアニメを前提に始めた作品ではないので、そんなに喜びはしなかったです(笑)」と正直に打ち明け、巴留氏は「私の場合はアニメ化するかもしれないという始まり方だったのですが、あまり期待はしないようにしていました(笑)。なので、いざ実際にアニメが始まったとき、喜びが湧いてきました」と振り返る。

アニメが世界に配信されることについて、恵介氏は「配信するにあたってどのくらいの収入になるんだろう、と会社経営者でもあるので気にしました(笑)」と思わぬ回答で会場を盛り上げる。さらに、日本だけでなく世界の視聴者から感想が寄せられていることに対し、巴留氏は「ありがたいですね。SNSとかでもコメントを頂くこともあるのですが、海外の人にも沢山届いていることを実感できて嬉しいです」と喜びを明かした。
続いて、それぞれの作品作りについてのトークへ。恵介氏が「刃牙らしさというものは出来上がっていると思うので、そこを外さないようにしています。あと毎回のことなのですが、“ショック”を与えたくて。打合せや編集との話し合いで、“これじゃまだショックが足らない”という言い方をよくしていて、そういうことを意識しています」とこだわりを明かすと、巴留氏は「少し似ちゃうのですが、週間連載なので毎週しっかり見せ場にインパクトを残すことと、キャラクターひとりひとりに正義を持たせることを大事にしています。それが正しくても間違えていても、各々の正義を持っていることが大事なので」と話す。

その後、互いの作品について聞かれると、恵介氏は「天才だと思っています。純粋に読者として、これは売れるなってデビュー前から思っていました。小中学校の作文とかを見ていても何かを創る人になるだろうなって」と幼少期からその才能を感じていたことを告白。それを聞いた巴留氏は、「(BEASTARSに登場する)レゴシって大学の時に創作物として作っていたキャラクターなのですが、“この先レゴシに食わせてもらうぞ”ってお父さんから言われたことがあるんです。その時は実感なかったんですけどね(笑)」とエピソードを披露した。
「刃牙」シリーズについて聞かれた巴留氏は、「小さい頃から家にあったので読むのですが、叙情的なシーンが沢山あるところが好きです。お父さんってロマンチストなんだな~って思います(笑)。そういうシーンがあるからこそ、女性の読者も増えているんだと思います」と語り、会場を和ませた。

この2作品をはじめとして、日本発のアニメや漫画が世界へと発信され、拡大している現在。今後挑戦してみたいことについて聞かれた恵介氏は、「エンターテインメント業界の今後に期待することなんて、自分に手いっぱいで思いつかないですが(笑)。でも、これからもより『刃牙』らしく、ショックを与えていきたいです」、巴留氏も「今まで世界に広がっていくエンターテインメントってハリウッド映画やブロードウェイミュージカルなど、沢山の人手とお金がかかったアメリカ発信のものが主流だったと思うんです。でも、こうしてたったひとりで部屋の片隅で悶々と机に向かって出来上がったコンパクトな作品が世界に広がるのも面白いことだと思うので、そうやって規模の格差がなくなっていくのは素敵だなと思いますし、これからもそうあってほしいなと思います」と力を込めた。
トークショー内では、それぞれの作品についての新情報が発表された。

Netflixでは「バキ」「範馬刃牙」を独占配信中で、この度、新たに「刃牙道」が 2026 年に世界独占配信されること、そしてティザー予告とティザーアートが披露された。「刃牙道」で描かれるのは、地上最強の生物である父・範馬勇次郎との史上最大の親子喧嘩を終えた範馬刃牙(CV:島﨑信長)の姿。地上最強の親子喧嘩を終え、無味乾燥な日常を過ごしていた刃牙たちだが、強き者に焦がれる徳川光成による“神に背く”空前の大実験により、日常は一変する。
鋭意制作中の「BEASTARS FINAL SEASON」Part2(2026年世界独占配信)からは、ファーストルックがお披露目された。肉食獣と草食獣が共存する世界を舞台に、悩めるハイイロオオカミの青年・レゴシ(小林親弘)が種族間の違いに葛藤しながら成長していく動物版青春ヒューマンドラマ。ファーストルックでは、凛とした表情のレゴシのカットをはじめ、レゴシの初恋相手・ハル(千本木彩花)、レゴシを‟なんだかんだで”気にかける先輩ルイ(小野友樹)、かつてはレゴシに、今はルイに好意を抱く演劇部の後輩ジュノ(種﨑敦美)、同じく演劇部の後輩であり、レゴシに度々“だる絡み”をするモテるオス・ピナ(梶裕貴)、そしてレゴシらに迫る裏社会の凶悪犯メロン(沖野晃司)らが、みな神妙な顔つきをしており、FINALに向けた衝撃のクライマックスを予感させる。

第1期から「BEASTARS」の監督を務める松見真一より、「レゴシとメロンの対峙、ルイの覚悟、そしてハルの揺るがぬ想い。牙とツノがぶつかり合い、友情も愛も誇りも――すべてが試される怒濤のクライマックスへ。 種族を超えて生きるとは何か。愛することは力なのか、それとも弱さなのか。 この作品のフィナーレは、彼らの物語であると同時に、私たちが生きる世界への問いかけでもあります。どうか最後まで見届けてください」というコメントが寄せられた。
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