伊藤沙莉&「風のマジム」原作・原田マハ氏が日本女子大学でトーク 失敗を恐れず挑戦することの重要性を説く
2025年8月28日 17:40

原田マハ氏の原作を伊藤沙莉主演で映画化した「風のマジム」の公開に先立ち、日本女子大学にて「夏期特別教室」が8月28日に実施された。300名以上の女子学生を対象に、映画の上映および、原田氏と伊藤によるトークセッションが行われた。
原田氏による同名小説の映画化である本作は、社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げ、契約社員から社長になった一人の女性の実話を元にした物語。平凡に生きてきた女性が、自らのアイデアと行動力で企業して夢を実現していく様子が描かれる。
日本女子大学は、女性が生涯を通して社会で活躍できる素地を育む学び舎として120年以上続いており、数多くの女性社長を多く輩出している。今回の「夏期特別教室」では、2027年開設を構想する「経済学部(仮称)」の学部長に就任予定の伊ヶ崎大理教授が司会を務め、家政経済学科教授の小林富雄教授がファシリテーターとして参加した。

主人公のまじむは仕事にやりがいを感じていなかったが、ある日いきつけのバーで、沖縄産のラムを作りたいと夢見る。夢を仕事にする、ということについて問われた伊藤は、「お芝居は9歳の頃にオーディションに受かったことがきっかけ。まずは楽しい、という経験が先に来て、夢という境目はなくてグラデーションのような感じ」といい、オーディションは「物まねやごっこ遊びが好きだったので、その延長線上で」臨んだと明かす。
原田氏も、小説家が夢だったわけではなく、「子どものころからアートを見たり、物語を読んだり、創作するのが好きだった」ことの延長だった。「好きなことを突き詰めたら、妄想が実現してきた。やっと最近、夢という言葉を意識するようになった」という。60代になって初めて自著(「無用の人」)を映画化、監督業に挑戦した。「この年齢になっても夢って実現できるんだなと思った。年齢を重ねてもやる気やストラテジーがあれば、サポーターが集まって実現する。年齢や国やジェンダーが阻むということはない、とこの場にいる皆さんに肝に銘じていただきたい。境界線なんていうものはない、ノーボ-ダーです」と学生たちに呼びかけた。

もし、壁にぶち当たったときは?との問いに伊藤は「大抵のことを壁だと思わないタイプ。壁だと思い込むのは自分。壁を自分で設けない方です。他人が作ったものも壁だとも思わない」とポジティブな返答。失敗については「失敗はするものだと思って生きている。もちろん反省や後悔もあるけど、失敗や後悔した人に優しくできるし、経験値になるからそんなに怖いことじゃない。人に迷惑をかけなければ失敗してもいい。失敗をしないとできない経験や、失敗が呼ぶ幸福もあるから恐れることはない」と力を込める。
原田氏も、「最近、若い世代は失敗したくないから挑戦しない、アクションしない人が増えていると何かで見ました。でも、挑戦する以上にワクワクすることはありません。若いみなさんは40歳くらいまでは、いくらでも失敗していい。失敗がみなさんを育てます。挑戦を恐れないでほしいと思います」とエールを送った。

伊藤は、この映画を通して「まじむから勉強させてもらったことは行動力。私は後回し人間ですが、行動力がある人は必ず何かを得ているので、そこを自分の人生に活かしていきたい」と述懐。原田氏は「強度を持った普遍的な芸術にかかわっていることが幸せ。映画や文学など芸術に結びつくものは人類の特権。演劇は2000年以上前から存在するし、芸術は世の中が不安定になっても残るもの。皆さんも感動する力を持っていたら、大丈夫」と、心を動かす芸術にかかわったり、愛することが重要だと説く。
起業に興味があるという学生から、それぞれのフィールドで活躍する二人に原動力やモチベーションについての質問が及ぶと、「いつも忙しくしていて大変でしょ、と言われますが、やりたくてやっているので大変だと思ったことはない。実現するためにやっていると思えば、思うようにいかないことも自分のためのエネルギーになる」と原田氏。

伊藤は「私のモチベーションは小さい頃から変わっていなくて、とにかく家族にほめられたかった。かっこよく生きようと思っていないので、かっこよくなくてもどうでもいい。モチベーションとしてかっこいいものをぶら下げなくてもいい。原動力は小さいことでも動くきっかけになると思う。これが終わったらビールを飲もうとか、これがあればぶちあがるな、という小さなご褒美でもいい」と自身の経験も交えてアドバイスした。
「風のマジム」は、9月5日から沖縄先行公開。9月12日から全国公開。
(C)2025映画「風のマジム」
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