栗栖直也の短編アニメ「後朝の花雪」10月7日公開 木島隆一、石黒千尋が出演 「ねむれ思い子 空のしとねに」リマスターも同時上映
2025年8月27日 22:20

「今昔物語集」に収録されている一編をモチーフにした3DCG短編アニメ「後朝の花雪(きぬぎぬのはなゆき)」(15分)が、10月7日からシネ・リーブル池袋ほか全国の劇場で順次公開されることが決定した。木島隆一が時正役、石黒千尋が小浜役で出演する。予告編が公開されている。
同作は、初音ミクのライブ映像や、東京国立博物館シアター、京都御苑資料館VRシアターの歴史衣装再現CGなどを手がける映像作家の栗栖直也が、9年ぶりの監督作となる短編アニメ。平安時代の京都、かつて捨てた女の家を訪ねた時正は、朽ちずに残っている女の遺体と、辺りを漂う不気味な光を目撃する。祟りを恐れた時正は、陰陽師・賀茂忠行のもとを訪れるが……。


予告編には、時正が小浜に将来を誓う姿や、床に伏せた小浜が時正の名を呼ぶ様子などがボイス付きで収録されている。
また、2016年に公開された栗栖監督の前作「ねむれ思い子 空のしとねに」のデジタルリマスター版(50分)が同時上映されることも決まった。こちらは栗栖監督がほぼ単独で作画を担ったSFスペンスヒューマンドラマで、シュトゥットガルト・アニメーション国際映画祭をはじめとする世界各国の映画祭やイベントなどで高い評価を獲得した。福島央俐音、井上喜久子、平田広明、故・田中敦子さんらが出演している。
栗栖監督からのコメントは以下の通り。また、「名探偵コナン」の初代プロデューサーとしても知られる諏訪道彦氏からも、本作へのコメントが寄せられている。
おそらく学校で習うこともあるのでしょう、一般に平安時代と言えば「源氏物語」に代表される王朝文学を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん「源氏物語」がすばらしい作品であることに異論はありませんが、庶民から徴収した税で安穏と生活しつつ、女性を口説く事ばかりに執心する上流貴族たちの日々が、当時の代表的イメージであることに常々違和感も感じておりました。
そんな思いもあり、私の初作品「文使」では白拍子と牛飼童という「貴族でない男女」の恋を奇譚として描き、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただけました。
その後はもうひとつの私の柱であるSF作品(「ねむれ思い子 空のしとねに」)を形にしたのですが、その制作中もずっと「次はまた時代物を作りたいな」という思いが強く、今回初作品から20年ぶりの平安短編「後朝の花雪」という形で結実いたしました。
古典文学のなかでも庶民が多く登場する「今昔物語」の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当にうれしいです。
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