“異端の名店”ミシュラン常連店の実験室のような厨房空間を切り取った「ムガリッツ」本ポスター&場面写真
2025年7月3日 14:00

スペイン・バスク地方、ガストロノミーの中心地。ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され、2つ星を獲得した名門<ムガリッツ>の名前は、21世紀に入る頃から、業界で大きな注目を浴び始めた。グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブル、カトラリーを排して手や舌を直接使って味わう一皿など、その革新的な厨房に潜入したカメラは、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を作り上げるメニュー開発の様子に密着する。


ムガリッツは、毎年11~4月の6か月間は休業し、この期間はスタッフ総出で、メニュー開発に専念する。その年に誕生した料理が翌年以降に提供されることはなく、革新的なメニューはつねに更新され続ける。監督は、「REC」シリーズなどのホラー作品で知られるパコ・プラサ氏。もともとムガリッツの熱心なファンだった彼が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜入、ついにその全貌が明かされる。なお、本作は第72回サン・セバスティアン国際映画祭カリナリーシネマ部門・ベストフィルムを受賞している。
本ポスターは、“まだ見ぬ体験”への探求を続ける<ムガリッツ>オーナーシェフ、アンドニ・L・アドゥリスの姿を捉えている。彼の頭上にはメニュー開発のキーとなるアートカードが浮かんでおり、「パンもデザートもない」というコピーが添えられている。シェフという存在を超越した、まるでアーティストのような姿を切り取ったビジュアルとなっている。

場面写真は、その年のメニューの礎となるアートカードが張り巡らされた厨房でメニューを開発するスタッフや、調理器具の代わりに注射器で食材に味を染み込ませたり、粘り気の長さを測定する様子、モダンアートのように整然と並ぶ種子やデスマスクのようなオブジェ、郊外に佇む一軒家風の外観など、一般的なレストランや厨房からはかけ離れた実験室やアトリエのような空間を切り取っている。
アンドニは、革新的な料理法や「分子ガストロノミー」を先駆けて取り入れ、世界中の料理界に大きな影響を与えた有名な三つ星レストラン<エル・ブジ>など、名だたるレストランで修行後、1998年3月にムガリッツを開店。なお、6カ月もの月日をかけて完成したメニューは、シーズンが終わると、まるで祭りのようにすべて火を放たれるという。ユニークな料理は何一つ再現不可能という理由からだ。翌年ゼロから再出発し、定番となる料理はない。なぜなら「驚き」とは定義上、予測不能でなくてはならないからだという。
映画は9月からシネスイッチ銀座ほか全国公開。

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