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被告は犬、前代未聞の裁判を映画化した法廷コメディ 「犬の裁判」監督&主演レティシア・ドッシュインタビュー

2025年5月29日 18:00

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レティシア・ドッシュの初監督作
レティシア・ドッシュの初監督作
©BANDEAPART FILMS_LE PROCES DU CHIEN_DOROTHÉE THEBERT FILLIGER_2023

犬が被告となった前代未聞の裁判の行方を、実話に着想を得て描いたフランス発の法廷コメディ「犬の裁判」が5月30日公開される。「シンプルな情熱」などの俳優でダンサー・作家・演劇監督としても活動するレティシア・ドッシュの初監督作で、主人公の弁護士アヴリルを自ら演じた。ドッシュが作品を語るインタビューを映画.comが入手した。

※記事には本作のネタバレとなる記述があります。

<あらすじ>
 裁判に負けてばかりで事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルは、次の事件では絶対に勝訴しようと決意する。しかし新たに舞い込んできた依頼は、またしても勝ち目のない裁判だった。依頼人の男性にとってかけがえのない伴侶である愛犬コスモスが、3人の人間に噛みついたのだという。法律では犬は“物”と見なされ、飼い主に罰金1万フランとコスモスの安楽死が言い渡されるが、犬が“物”ではないというアヴリルの主張が認められ、犬が被告という前代未聞の裁判が始まる。サーカス犬のコディがコスモス役で名演を見せ、2024年・第77回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞。
画像2©BANDEAPART FILMS_LE PROCES DU CHIEN_DOROTHÉE THEBERT FILLIGER_2023
――まず、本作を撮ろうと思った動機、または出発点を教えてください。

いくつかありますが、最初は私自身が、動物、または地球に暮らす生物に対しての環境問題に興味があったという点です。あとはアメリカの「フリーバック」のようなTVシリーズものの中で、途中でトーンを変えるコミックというものがありまして、そこに自由さを見出し、ヒントを得たという経緯もあります。本作のスイス人プロデューサーが、私に監督を勧めてくれたことも大きな後押しになりました。

――環境問題を考えるようになったのはいつからでしょうか。

10年ほど前にフランスで猛暑の夏があったんです。その際に、ヨーロッパの鳥が60%くらいいなくなってしまったということを聞いたんです。温暖化によって、地球の将来がとても不安に感じた私は、アーティストとして、俳優として、物語を作って行く職業上、私のできることは何だろうかと真剣に考えるようになりました。そして、私の作品を観る人に理解を促し、そのことを実感してもらおうという考えに至りました。動物だけには限らず、すべての生物のためにその危険性を理解してもらいたい。だって私たちはなにを作るにしても都合の良い時にだけ利用し、不要になったら無責任に廃棄する。環境のことを考えもせず、そういうことを繰り返していて本当に良いのですか? という気持ちです。

画像3©BANDEAPART FILMS_LE PROCES DU CHIEN_DOROTHÉE THEBERT FILLIGER_2023
――コスモス役を演じた犬のコディとはどこで出会い、どのようなキャスティングをしたのですか?

フランスで長い期間を費やし、オーデションやリサーチをして探していたのですが、なかなか見つからない中、ある時、犬の調教師をされている方が数匹の犬を連れてきてくれたのです。犬たちは私の自宅のカーペットに並んでくれてオーディションをしました。皆、かわいかったのですが、その中でもコディが断トツにかわいくて、顔にほろりとさせられ、少し攻撃的なところはあるのですが、陽気で快活だったのでコディに決めました。コディは唯一できないことがあって、それはオオカミのような遠吠えだったのですが、なんと撮影の3、4日前に突如できるようになったのです。それは、おなかを空かせた雌猫がないているのをまねさせたものだったのです。それまでは特殊効果を使うしかないかと考えていましたが、予算の問題、スケジュールなどで頭を悩ませていたので本当に助かりました。

画像4©BANDEAPART FILMS_LE PROCES DU CHIEN_DOROTHÉE THEBERT FILLIGER_2023
――ちなみにコディは今、何をやっているのでしょうか。

調教師の女性の家で暮らしています。俳優犬だったのですが、色々な撮影の影響か、少し腰を痛めてしまったようなんです。撮影ではハイジャンプなどを要求されることが多いですからね。現在は引退してゆっくりと隠居生活をしているそうです。今でも、私のことは覚えていてくれていて、好きでいてくれているのか、調教師の方が私の写真を見せると喜んでくれるそうなんです。

――本作には人種やジェンダー、障がい者の話題も盛り込まれています。

私は小さい頃から引っ込み思案で人前に出ることが苦手な性格でした。だから、自分の道は自分で切り開かなければならなかったのです。私が好きなのは、いつも社会規範にこだわっていない人たちでした。規範、平等、不公平などにとても意識があったわけです。私は自分と違うもの、似ていないものに惹かれます。違うということの素晴らしさを訴えかけたいです。幼い頃からそのような考えで育ちました。

画像5©BANDEAPART FILMS_LE PROCES DU CHIEN_DOROTHÉE THEBERT FILLIGER_2023
――本作が初監督作品とは思えないほど、様々な演出方法を取り入れられています。しかも自身で主役を演じながら撮影し、脚本も執筆されたそうで、その引き出しの多さに驚きました。

舞台では、まず自分で戯曲を書き、演出をするように求められます。俳優という仕事については、好きなのですが、私自身の想像を越えるような役が向こうから自然と来ることは滅多にありません。ならばと、来る役を待機している状態でいるより、俳優以外の、待ちの状態ではないラジオの仕事やダンサーとの仕事に打ち込むようにしています。自分とは違うこと、不得意なことを厭わず、幼い頃から少しでも違う分野なり、新しいことを想像することを心がけています。

今回の映画監督という仕事も、映画監督という仕事だけではないあらゆる職業の立場で物事を考え、イエスorノーをはっきり言うように心がけていました。今回、何十人という様々な役割を持つスタッフと一緒に仕事をさせてもらって、本当に私はラッキーでした。それと、スイス人のプロデューサーの後押しがなければ、今回の映画監督という仕事と出会わなかったことを考えれば、プロデューサーには感謝の気持ちでいっぱいです。

映画はシネスイッチ銀座・UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開。

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